2011-10-12 (Wed)
10月4日火曜日夜
夕食をとりながらNHK「吉高由里子 ロンドンの6日間」というドキュメンタリーを見る。

若手女優の吉高さんが、英国ロンドンの演劇学校に通い、短期間でマクベス現代版を試験上演するまで演劇指導を受けるという設定。

吉高さんは英語もほとんどままならない状態であり、日本でも芝居から逃れたいと悩んでいる途中での参加だったらしい。

演出家に演技の質を高め、台詞ひとつひとつの状況を考え、表現するように求められると、追い詰められて泣き出してしまう。

椅子をふたつ与えられ、台詞の気持ちが切り替わったら、隣の椅子に座り直して、台詞を言いなさい、と指導され、相手役は頻繁に椅子を座り直す緊迫したシーンでも、心理の動き、台詞の変化が分からず、とまどう。

そこから長い休憩を挟んで、少しずつ演技に自信を持ち始め、最後には現役の女優らしいふてぶてしい表情を見せられるようになってゆく。

演劇学校仲間は子供のような吉高さんが16本の映画に出たという話を聞いて驚く。

ハリウッド・スターとして華やかな経歴を持つ人々の多くも、自然体、無手勝流のようでいて、実はニューヨークなどの演劇学校で基礎を厳しく叩き込まれていることが多い。

以前BSで放映されていた、アクターズ・スタジオが企画する俳優へのインタビュー番組では米国の映画スターの奥深さを垣間見ることができた。

これに対して、最近の日本の映画の良いところでもあり弱点でもあるのは、皮膚感覚や思い付きで演技や指導が成されているかのように見える点である(余り見ていないけれど)。
絵コンテをびっしり描き込んで、撮り始める監督さんはどのくらいいるのであろうか。

それらのアプローチの違いは、政治を筆頭として社会のあらゆる面でも存在するように感じられる。
(自分自身、出たとこ勝負であり本当に情けないので、一層、気にかかるのであります)

吉高さんは夜、ひとりで台詞を練習する。
発音はsもthも区別が出来ない。
彼女にマネージャーが同行していたのかどうか分からないが、私がマネージャーなら吉高さんに24時間英語の発音を徹底的に教育するトレーナーを付けるところである。

本人が言っていたように、かなり心理的に揺れていて、周りも突き詰めた指導が出来なかったのではないかと推測する。
NHKの撮影班も大変だったことと思う。

最後に関係者を前に舞台で演じて終了。
勿論マクベスがそう簡単にできるはずがない。
それでも吉高さんはひとつの壁を乗り越え、吹っ切れた笑顔に戻って去ってゆく。

はたからは何とでも言えるけれど、単身、ロンドンで演劇の訓練を受けると、決心したことがとにかく素晴らしい。
しかもドキュメンタリーとして取材を受けるという「無謀な」決意もすごい。
自分から波風をたてて、自分を追い込んでゆかないと、なかなか人は進化しない。

自分の話で恐縮だが、このところ、緑内障学会であえて英語での発表を行い、今日(10月11日火曜日)は、学生の迷惑をかえりみず、英語混じりで宮崎大学医学部4年生の眼科講義を行ったりしている。

来年はWOCアブダビの緑内障シンポジウム、APAOプサンの緑内障シンポジウムに参加予定。
田舎の開業医がどういうつもりなんだと叱られそうですが、自分の体力、「脳力」を考えると、こういうことが出来る内にやっておきたいと思うのであります。

そんな中、小生から見ると、いたいけな吉高さんの姿から、時には無理めの、思い切った挑戦の大事さを改めて教えられたのでありました。


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