2011-06-27 (Mon)
電子版ウォール・ストリート・ジャーナル日本版によれば、iPadが躍進中のアップル社はアップル・ストアの研修においてAPPLEの頭文字で始まる文言を用いて顧客への対応を教育しているようです。

1.Approach customers with a personalized warm welcome.
1人1人の顧客を温かく迎える

2.Probe politely to understand all the customer's needs.
顧客の全ニーズを丁寧に聞き出す

3.Present a solution for the customer to take home today.
その日に使える解決策を提示する

4.Listen for and resolve any issues or concerns.
顧客が抱える問題や懸念に耳を傾け、解決する

5.End with a fond farewell and an invitation to return.
感謝とまた来店してもらいたいという気持ちを込めて見送る。

この中で注目したいのは三つ。

まず
2.Probe needs
および
4.Listen for concerns.

医療現場では患者さんの全てのニーズや懸念を丁寧に、しかも最初は話したがらないところまで聞き取れるかどうかが重要ではないでしょうか。(4はクレーム対応の話ですが、ここに含めましょう。)

Probe 探査する(詳しく調べる)という動詞が印象的です。超音波診断装置の「プローブ」ですね。

家族の中に重症疾患を持っている(いた)者がおり、そのことが患者さんの不定愁訴に繋がっていることがあります。
その関連性を医師に指摘されるまでは患者さん自身も気づいていないことさえあります。

また例えば三つ問題があるとして
眼科医にとって最も大きな問題である視覚障害に繋がる状態が患者さんにとっては現時点ではたいしたことではなく、
危険度の小さい、眼の違和感が最も大きな問題であることもあります。
患者さんを失明から救っても違和感がなくならなければ満足していただけません。

3.Present a today’s solution.

眼科疾患に対してその日に解決できないことも少なくありません。
しかし患者さんにその日持って帰れる解決策を提示することが重要だと思います。

すぐに治るわけではなくても今後の安心や明るい見通しに関する医師の丁寧な説明です。

神経眼科では両眼性複視を見た場合、病態、原因疾患の鑑別、そして今後必要な検査、特に神経放射線学的な検査計画に集中しがちです。
しかし患者さんがその日に話し合いたいことは
複視により生活がどの程度困っているか、
複視が気になれば遮蔽をして良いのか、
またどちらの眼を遮蔽した方が良いのか
などの基本的なことである場合も多いと思います。

また、もしフレネル膜プリズムで複視が軽減できるようであれば、そういう方法もあると患者さんにその日のうちに実体験してもらい、安心していただくことも大事ではないでしょうか。


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