2010-04-26 (Mon)
先日学会の懇親会で某大学のT教授にお話を伺う機会がありました。

それに先立つ、昨年末の緑内障セミナーにおいて、緑内障の画像診断について、T先生は長年の研究であるHRTⅡ 
ハイデルベルグ・レチナ・トモグラフ
(視神経乳頭の陥凹や視神経乳頭周囲の網膜神経線維層を画像化して異常を検出する器械)
をテーマにお話をされました。

今は光干渉断層計(OCT オプチカル・コヒーレンス・トモグラフィー:近赤外光の反射情報によって視神経乳頭や周囲の網膜神経線維層を画像診断する器械)
の時代といって良いと思います。

この時期にその創生期から携わって来られたとはいえHRTのお話をされたのは少し意外でした。
もちろんT先生はOCTにも御造詣が深いのです。

HRTⅡのデータベースは英国の著名なモアフィールド眼科病院が提唱した、白人正常者を対象とした基準によっているので、近視乳頭が多い日本人には当てはめにくいケースがあるのも事実であり、高価な器械ですが、当院でもなかなか十分な活用ができていません。

(以前、日本眼科医会が主催したシンポジウムがあり
購入して良かったと思う高額器械はOCTがやはり上位。
HRTは開業医の中に購入者も少なく、役立つと手を挙げた医師はごく少数でした。)

しかし、今回T先生のお話を伺い、HRTを通じて、緑内障の本質とは何かということを考え直す機会を得た気がしました。

視神経乳頭の緑内障性異常としてはやはり視神経乳頭陥凹が重要であり、
陥凹自体を評価するには今もHRTⅡの手法が最も信頼性が高い。
OCTによる網膜神経線維層欠損や「流行」の神経節細胞複合体(GCC)を頼りにしすぎると、時として非緑内障の視神経、網膜神経線維層の異常を緑内障と判断してしまうこともある。

早期診断も大事だが、きっちりした確定診断がまず重要であり、無用の心配を患者さんにかけないように細心の注意が必要です。

長年のご研究に基づく確固たるお言葉に先生の地道な誠実な診療姿勢がにじみ出ていて感銘を受けました。


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