2010-02-08 (Mon)
アメリカ眼科アカデミー機関紙
Ophthalmology 誌2010年1月号の巻頭言は興味深い。

閉塞隅角緑内障の原因についてジョンズ・ホプキンス大学眼科のQuigley教授がThe iris is a sponge: a cause of
angle closureとして急性閉塞隅角緑内障が起こるメカニズムについて述べている。

閉塞隅角を示す患者の10%が急性閉塞隅角緑内障発作を起こし、大きな障害を受ける。

いままで、閉塞隅角の人々のうち、どのような閉塞隅角の眼が発作を起こす危険性が高いのかを知るための良い検査がなかった。

小型の眼・狭い隅角に緑内障発作のリスクがあると考えられるが隅角鏡検査、UBM(特殊な前眼部エコー)ではどの眼においてリスクが高いのか、見分けがつかなかった。

暗室散瞳試験・点眼薬を用いた散瞳誘発試験による眼圧上昇を目安とした検査でも不十分であった。

Quigleyらは開放隅角の眼は散瞳時に虹彩がスポンジから水を絞り出すように
細胞外液を排出して、虹彩の体積を減じ、隅角が根元に折りたたまれても厚みを増やさず、隅角を閉塞することにならないように動いていることを示した。

今回の論文
Aptel F , Denis P:
Optical coherence tomography quantitative analysis of iris volume change after pharmacologic mydriasis.
Ophthalmology 2010;117:3-10
は以下のように述べている。

急性閉塞隅角緑内障を起こした患者さんの、発作を起こしていない残りの眼(フェローアイ、予防的に虹彩レーザー切開施行すみ)に散瞳剤を点眼し、人工的に散瞳すると閉塞隅角緑内障の僚眼(緑内障発作のリスクが最も高いグループに入る)は虹彩の体積が増加したのに対し、開放隅角の眼は虹彩の体積が減少した
その差は統計学的に有意であり、虹彩の体積変化のダイナミックな特性を測ることにより、閉塞隅角を示す眼のうち、どの眼の患者さんが急性発作という危険な状態を示すのか、予知することが可能になる。

閉塞隅角の患者さんに予防的にレーザーを行うことについてはさまざまな議論があり、予防するのもしないのも現場では大変悩ましい。

わたしは身内にレーザー予防治療を控えてひやりとしたことがあり、他の経験からも再び予防派に戻りつつある。

QuigleyやAptelらの説明がすべての人種の閉塞隅角症にあてはまるのか興味深いところであります。



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