2011-04-28 (Thu)
フロリダでのARVOが近づいて来た。
いろいろあったけれど、予定を遅らせて5月2日夜に羽田から成田へ移動。
3日朝、成田発、JFK経由でフォートローダーデールに入る予定。

演題は閉塞隅角緑内障の画像診断
AS-OCTによるLens Vaultの診断価値について

対象症例も100例を超えてきた。
Lens vaultは前房深度よりも閉塞隅角を鋭敏に示す。
中国のように閉塞隅角が多数例存在し、未治療、進行例も多い地域では
AS-OCTのように医師がいなくても検診できる装置が威力を発揮するかも知れない。

隅角をドクターが見ていては間に合わない。
超音波生体顕微鏡も手間が掛かりすぎ、熟練した検査スタッフが必要である。

発表はポスター。
5日の最終日である。トホホ。

さて問題はポスターを入れる筒がえらく荷物になることである。
忘れはしないかと気に掛かる。
A4などのプリントの貼り合わせでは、内容が良ければそれでよいと言われれば、その通りなのだが、何とはなしに気合いが入らないのも事実。

昨年は現地フォートローダーデールのキンコーズにデータを送って地元でポスターを受け取れないか研究したが、よく分からず、断念した。
日本にもフェデックス・キンコーズのポスター作成サービスがあるが、レイアウトなどかなり制限がある。

ご存じの方も多いかも知れませんが、今回ARVOではポスター作成、会場渡しのサービスを開始!
早速発注したので、今回はポスターを持ち運ぶ苦労から解放される。
嬉しい。

しかし、そう、
本当に大丈夫?と懸念をいだく日本人眼科医もいるのではありませんか?
正直わたしも現地で「なんでそうなるの?」みたいなトラブルがちょっとばかり気になる。
とにかく想定外の出来事に備えるのが大事だと身にしみている昨今でもあります。

そこで今回はお試しも兼ねて「シワにならんクロス」での布製ポスターを予備に作って、参加することにしました。
しわが気になればアイロン掛けなさい、というのもちょっとどうなのか。
経験者は賛否両論であるが、初心者としてはいろいろ試してみることに致しました。

無事ポスターを手に入れ、貼ることが出来ますようにと祈っているところであります。


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| 眼科学会 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-26 (Tue)
なんで注文したのか
忘れてしまったが

この漫画本が本屋から毎月届く注文書籍の段ボール箱に入っていた。
パラパラとめくってみると、これが面白い。

この漫画は専門商社、プラスチック部門の営業タカハシくんが奮闘する抱腹絶倒の商社マン物語。
作者が東大卒の元商社マンなのでリアリティがある。

年末の発注期限間違いを犯した得意先社長への対応に困る主人公に対して

いいか
商売は正誤で出来ているんじゃない
貸しと借りでできているんだ!

と諭す熱血先輩。

先日得意先社長を怒らせた主人公がお詫びにいった先を心配する同僚にベテランが呟く

まぁ・・
十中八九問題ないやろ

(相手先社長の立場に立って考えてみると)

年を取るとな・・・
たとえアホでも・・
素直で一生懸命な若いヤツちゅうのは
それだけで
かわいいもんなんや

「しょせん仕事は泥臭い!!」
と帯に大書してある。
その通りだと思う。

米国の古くからある有名病院を見学しても
外来で行われているのは
実際はかなり泥臭い診療であり
その積み重ねがいつの間にか
基礎研究と相まって最先端の医療となり結実してゆくのである。

世界の眼科学会も、垣間見るだけであるが、やはり人間関係で動いているような気がする。

多少下品な部分もある漫画ではありますが
世間はどれだけ大変か
ということがまだ身にしみていない若い人のみならず
ベテランにもまた
しみじみとお勧めであります


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| 生き方 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-24 (Sun)
さまざまに忙しい一週間だった。
土曜日の外来も忙しい。

午後2時半
日向市東臼杵郡医師会立日向看護高等専修学校へ急ぐ。

今日から眼科の講義2コマを4週間にわたって行う予定。

今回は眼球の断面図の解剖図に名称を記入できるようにと予習の宿題を出していた。

冒頭からテストすると30人中20人が満点だったのでびっくり。

こんな真面目な学年ははじめてである。
ついに優秀な学生が集まるようになってきた。

学生にコンタクトレンズ装用者が多いので、コンタクトレンズを切り口に
屈折異常
コンタクトレンズの種類
ハードレンズ、ソフトレンズそれぞれの特徴・機能
長所短所
レンズケアの重要性を説明し
角膜の生理学について話す。

結構細かい話をしたが、ほとんどの学生が眠らずに熱心に聞いてくれたのにまた驚く。
自分も調子が出てきたところで残念ながら終礼となってしまった。

私の診療所は10年以上永続勤務する職員が多く
看護学校新卒を採ることは余りなかった。

今の2年生なら大変期待できる。
今年の新入学者はさらに優秀らしい。
競争率も高くなっている。
看護学校ほど学費の支援システムが充実し、看護師ほどやりがいがあって、就職が安定していて、給与も良いという職種はいまやなかなかない。

医療を支えるために当地の医師会が辛抱強く看護学校の運営に取り組んできた成果がでてきているのだろう。

熱心な看護学生達に出会って嬉しくなったわたしでありました。


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| 看護 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-19 (Tue)
宮崎県日向市に住むわたしは東日本大震災の後、
以前よりさらに現実的な問題として日向灘大地震の可能性を心配している。

日本経済新聞の詳細な記事によれば

「東海、東南海、南海の3つのプレート型地震が連動して起きると、宮崎県沖の日向灘でも地震が同時発生して巨大地震となる恐れがあることが7日、文部科学省の研究プロジェクトの成果でわかった。
想定4地震の断層は長さ700キロに達し、マグニチュード(M)9クラスの巨大地震になる可能性もある。

 海洋研究開発機構や東京大、京都大などが参加する「東海・東南海・南海地震の連動性評価」が成果をまとめた。

 研究成果について政府の中央防災会議に伝えており、2012年にもまとめる3地震連動を想定した対策大綱づくりに反映される見通し。

金田義行・海洋機構プロジェクトリーダーは「300~400年周期で4地震が連動している可能性が高い。防災対策は最悪のケースを想定すべきだ」と話している。

今後30年以内に発生する確率は東海地震が87%、東南海地震が70%、南海地震が60%とそれている。
政府の中央防災会議は3地震が連動した場合、死者2万8000人、建物の全壊が56万棟を超えると想定している。」

被害予想の全容が東日本大震災と不気味に一致している。


ところがNature誌において
東京大学のGeller教授は
Shake-up time for Japanese seismology( 日本の地震学を刷新すべき時)として以下のように書いている。

It is time to tell the public frankly that earthquakes cannot be predicted, to scrap the Tokai prediction system and to repeal the LECA.
All of Japan is at risk from earthquakes, and the present state of seismological science does not allow us to reliably differentiate the risk level in particular geographic areas.

国民に地震の予知は不可能だと率直に話すべき時である。
日本全国に地震のリスクがある。

We should instead tell the public and the government to 'prepare for the unexpected and do our best to communicate both what we know and what we do not.
And future basic research in seismology must be soundly based on physics, impartially reviewed, and be led by Japan's top scientists rather than by faceless bureaucrats.

地震学研究は物理学に基づき健全に行われるべきであり
顔の見えない官僚ではなく
優れた科学者によって主導されるべきである

と厳しい言葉で締めくくっている。

Robert J. Geller
Department of Earth and Planetary Science, Graduate School of Science, University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.)
ネイチャー誌ゲラー論文

地震予知とはいったい何なのであろうか?

いずれにしても日本全国、予測不可能な大地震に備えよ、ということに違いない。
当院でも大地震、大津波への現実的な対策を考えてはじめているところであります。


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| 生き方 | COM(1) | TB(0) |
2011-04-18 (Mon)
日曜日、母の葬儀が終わり、繰り上げの初七日をお寺にて済ませると
すっかり夜になった。

葬儀にいただいたご厚意に厚く感謝申し上げます。
御多忙な中、葬儀に参加してくださった皆様
さまざまなご供物をいただいた皆様本当にありがとうございます。
連絡不十分で失礼してしまった方々にはお詫び申し上げます。
どうぞお気遣いなきよう御願いいたします。

急死した母を守りながら
この数日間さまざまなことを考えた。

このことが起る前から
ヨーコ・オノのYESという考え方が気になり
自分なりに理解しようと文章を書いていた。

詳しくは他稿に譲るけれど、オノ・ヨーコが表現するのは
赦し
受容
である。

自宅に帰って
テレビを付けると
ズービン・メータの東日本大震災チャリティー・コンサートが行われていた。
N響アワーのダイジェストであった。
5分の黙祷の後
バッハ 組曲第3番アリアが演奏され
最後はベートーベンの第九交響曲が演奏された。

解説者も興奮するような素晴らしい演奏であることが放送を通じて伝わってきた。
メータの厳しく、優しい表情も素晴らしい。

バッハの美しい旋律に心を鎮められ
第九に力を与えられた。

さあ明日から忙しい外来に戻る。
皆様のご厚意に報いるべく良い仕事を続けてまいります。


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| 生き方 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-15 (Fri)
福島第1原発事故がレベル7評価に引き上げられたことに関し
BBCはSeven is not a lucky number と題して特集していた。

わたしは昔々、水俣病の審査会委員の末席に連なったことがある。
福島原発の展開は、杞憂だとは思うが、水俣病の初期に似ている気がしないでもない。
ほとんど前例のない水銀中毒の可能性について警鐘を鳴らす地元医学者の声を高名な研究者が重要視せず、国も企業も姿勢を明確にしきれず、公害が徐々に拡大してしまった。

原発の放射能汚染について、地上波には出ない(出られない?)武田邦彦教授の意見
(朝日ニュースターでその話を聞いていささか心配になった)を念のため頭に入れておく方が良いのかも知れない。
武田邦彦教授のHP

さて、身内に不幸もあり、バタバタしながらオペ室に入ったところへ
両眼急性視力低下(m.m.)の患者さんの紹介があり
手術の合間に検査と脳外コンサルト指示。

手術もこのところ難治例の方が少なくない。
詳しくは書けないが
本日のある患者さんの白内障手術は
落屑があり、核が固く
小瞳孔で瞳が広がらないため
瞳孔を虹彩フック4本にて拡大。

白内障の前嚢切開をすると、チン小帯が脆弱なため、水晶体が相当グラグラである。
さらに前嚢縁をカプセル・エキスパンダー3本にて支えながら
超音波白内障手術を終了。

確かに7はラッキー・ナンバーではない。
いや手術が成功してやっぱりラッキー・ナンバーと言うべきか
などと考えている間もなく
緑内障の患者さんが搬入されてくるのでありました。


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| 白内障 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-12 (Tue)
今回の都知事選。東国原氏は驚くほど善戦したと思う。

ほとんど選挙活動らしい活動が出来ない
ニュースが取り上げない
討論会もほとんどない
元宮崎県知事の分際?
この大震災でとにかく今の体制のままゆくしかない
(国政も含めて)
現体制の批判がしにくい
(今はあら探しより力を合わせる時。)
などのさまざまな絶望的悪条件の中
良く169万票も集めたと思う。

これはタレントとしての面白票ではなく
40歳代までの層が彼の政治手腕にちゃんと期待し
負け戦を覚悟しての参戦を応援したと考えたい。

彼が尊敬する某知事は自民党、石原陣営に取り込まれ、断念したくらいの大変な状況がすでにあり、そして大震災であった。

東国原氏の善戦に自民党の選挙専門家は密かに肝を冷やしたと思う。
彼の今後は十分開けたのではないでしょうか。
後はもう一度自分を見つめ直して自分の真の強みを謙虚に伸ばしていただくことを願っています。


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| 生き方 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-10 (Sun)
米国コロンビア大学眼放射線環境研究所から出ている論文抄録を読みました。
チェルノブイリ原発事故に携わった清掃業者8607人について、暴露後12年目14年目に白内障について検診。
放射線白内障が25%に見られた。
検診対象の90%は55歳以下(通常、加齢性白内障が出るにはまだ早い年代)。

Worgul BV et al.
Cataracts among Chernobyl clean-up workers: implications regarding permissible eye exposures.
Radiat Res. 2007 Feb;167(2):233-43.

この問題がすぐに視機能低下につながる程なのかは分かりませんが、原発事故現場で頑張っておられる人々には眼障害についても気配りをお勧めしたいと思います。

この問題に関連して懸念されるのは、兵站(訓練された要員の交代補給と物資の補給)がいまだに不十分であること。
さまざまな障壁はあるでしょうが、日露戦争、太平洋戦争、経済活動、さらにあえて言えば医学研究などすべてに見られた日本の弱点であります。

専門家も言うように10倍の要員を投入して頻繁にチームを入れ替え、眼障害だけでなく、より深刻な障害を防ぐべく、現場の健康被害リスクを最小限に抑えてゆくことが必要ではないでしょうか。


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| 白内障 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-09 (Sat)
今朝のNHKニュースによれば
フィレンツェ歌劇場公演で来日したものの公演が中止となり、帰国を余儀なくされたメータさんが再来日。
東北関東大震災 被災者支援チャリティー・コンサートとして4月10日(日)東京文化会館にてNHK交響楽団とベートーヴェンの交響曲第9番を演奏するとのこと。

All over the world is with you.
というメータさん。
ありがとう!

リハーサル風景の映像では
腕を少し丸く構えて
首を軽く振りながら
リズミックにつま先から伸び上がるように指揮するいつものスタイルが見られた。

小生は残念ながらオペラが中止で彼の勇姿を見ることが出来なかったけれど
メータさんとN響が震災の苦難に立ち向かう人々の心を癒し、鼓舞してくれることを信じています。



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2011-04-06 (Wed)
落屑緑内障患者さんのトラベクレクトミーを終了し
病棟回診に行くとAさんが見舞いの方相手に
熱心にご自分の人生を語っておられた。

Aさんは92歳の女性。
今日御自身も白内障手術を受け
オペ室で「はい、手術が終わりましたよ。」
と告げられるや
ドレープの下から「よおし、100歳までは長生きせんとな!」
と宣言された。
すごい。

A さんは話しぶりもいちいち明確で驚く。
100歳なんて、通過点に違いない。

眼科には時々すごい老人というか
見かけはご老体でもものすごく前向きで若い患者さんが来られるのでびっくりする。
わたしもおちおち疲れたなどと言っていられないのであります。


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2011-04-03 (Sun)
4月2日土曜日
職員の母親が亡くなったので
外来終了後午後4時半からタクシーでお通夜に出かける。

日之影(ひのかげ)という、日向から北西に1時間ほどの町から
さらに細い山道を渓谷に沿って1時間ほど北に登ってゆく。

離合も難しいような、しかし美しい山間(やまあい)である。
鹿川(ししがわ)という名前のように
何が出てもおかしくないところに民家が点在していて、畑や家周りもきちんと整備されている。

まだまだ若い母親を亡くした職員には母親の療養期間3ヶ月ほど介護休暇を取ってもらっていた。
さすがに疲れた様子ながら、当院の職員達も多数通夜に駆けつけたため気丈に挨拶をしてくれていた。
この村の人々の温かい繋がりが良く伺える、自宅での御葬儀でありました。

帰りはすっかり暗くなった山道を登り下りして日向へ帰る。
途中は車中も暗いのでパソコンからオーディオ・ブックを聞く。

日本経営品質賞を2度受賞した中小企業を率いるカリスマ社長小山哲さんの講演を聴く。
職員をどう選びどう鍛えてゆくのか、笑いを取りながら断言する独特の仕事哲学に考えさせられた。
日本経営品質賞について

田舎の診療所にとって
大事なのは職員の才能ではない。
というよりもそもそも才能溢れる人材は田舎には少ないし、当院のような35名程度の小さな施設にはなかなか来てもらえない。
それよりもチームとしての価値観が揃っていることが重要だと思う。

われわれの医療チームは、日向市亀崎にあることに掛けて言えば
どん亀チームであると常々職員にも言っている。
院長以下、どん亀だからこそ、地道にこつこつはい上がってゆく(しかない)。
仲間を想いやる。
まだまだ足りないけれど、患者さんに医療の枠を超えて配慮してくれるスタッフも多い。

往復4時間以上かけ、4台の車に分乗して通夜に出かけてくれた職員達。
さらに所用でゆけなかった職員も多かったと思う。
介護休暇に加えて産休、結婚退職が続いた時期をみんなで良く支えてくれた。

身内を褒めるのもなんであるが、わたしは彼女たちの思いやりに感動した。

どんなことがあろうとやはり新年度は始まる。
みんなの健闘を期待しているところであります。


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| 生き方 | COM(0) | TB(0) |
2011-04-01 (Fri)
原発問題は問題解決の技法についてさまざまなことを問いかけています。

僕の代数は学校で教わったのではなく、屋根裏の物置で見つけた叔母の古い教科書を自分で学んだものだ。
おかげで
問題の目的は要するに x が一体なんであるかをつきとめることにあり
その答をどのやり方で出したかなどどうでもいいんだということを悟ることができたのは、実に幸運だったと思う。
リチャード・ファインマン

福島第一原発の困難な状況について日本の関係者がそれぞれの思惑や立場を捨てて、さまざまな解法をトライすることを期待したいと思います。


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