2010-10-31 (Sun)
10月30日火曜日午後から
宮崎大学医学部4年生に講義
「小児眼科」

小児眼科の
ポイントは
弱視
斜視
白色瞳孔
未熟児網膜症
先天白内障
先天緑内障
である。

昨年知識網羅型に切り替えて
講義しようとして
われながら全然盛り上がらなかった。

医学部4年生は眼科学のようなマイナーな分野について
限られた講義コマ数では十分な知識を持つことが出来にくい。
少なくとも非常勤講師の立場としてはテーマを絞り込んで話す方が良い気がする。

今年は眼球運動の復習と
弱視に力点をおいて話した。

学生は年度によって随分反応が違う。
今年は講義中に質問する学生もいて
活気があり、とても良かった。

教える側に立つと質問してくる学生が最も嬉しい。
指したときに、間違えて良いからすぐ答えてくれる学生も有り難い。
正解よりも間違えてくれた方が
講義を進めやすい。
学生の理解のレベルも分かるし
リズムが出る。

医学的弱視においては
適切に眼鏡矯正をして
網膜に鮮明な画像が映っていても
画像が鮮明に知覚されない
という状況は少しわかりにくいようであった。

黒板にイラストを書いて
説明すると皆分かってくれたようだった。

よく分かったという人はパー
もう一つよく分からないという人はグー
皆さん手を挙げてください
と確認。

そうすると
講師が思っているほど
学生や聴衆が分かっているわけではないことも少なくない。
相手が本当に分かっているかどうかの確認はその場でしなくてはならない。

囲碁界初の五冠王、張栩(ちょう う)さんの手記によると
彼のお父さんは晩ご飯の後
政治・社会や囲碁の話をし
すぐに
さあわたしの話をまとめてみろ
と言っておられたらしい。

それが自分の理解力、まとめ力を養成するのに役立ったと述懐している。

学生諸君へ

わたしの話のポイントは
外眼筋の機能解剖は
上は下
下は上
斜は直の下
上斜筋は内廻し

小児の視機能発達にはタイムリミットがある。
弱視は見つけ次第、屈折検査、眼鏡矯正。
健眼遮蔽。

先天白内障
先天緑内障は見つけ次第手術

内斜視と外斜視は考え方が違う。
純粋な屈折性調節性内斜視は調節麻痺剤を用いた屈折検査を行い
そのデータに基づいて適切な眼鏡矯正下に眼位の正位化を目指し
手術をしない
と言う点であります。


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| 医学教育 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-24 (Sun)
10月2日土曜日夕刻
日向市文化交流センターにて
民間のS病院創立40周年・新築落成祝賀会へ

コンサート会場に400名の招待客。盛会であった。
40年間地域の病院として支持され
円滑に次の世代に受け継がれてゆくということは大変なことである。

同病院の会長はジャズ好きで文芸にも御造詣が深い。
親友山田英二さん率いるフライング・ハーツ・オーケストラと
5名の女性ジャズ歌手がスタンダードを歌うという趣向。

その中でリーダー自身が歌った「私の青空」が不思議に懐かしかった。


夕暮れに仰ぎ見る 輝く青空
日暮れてたどるは 我が家の細みち
せまいながらも楽しい我が家
愛の日影のさすところ
恋しい家こそ私の青空

戦後成長期の歌かと思っていたが
これは戦前の歌だ。
そして戦後にリバイバルヒットした。

A smiling face, a fireplace, a cosy room
A little nest that nestles where roses bloom
Just Molly and me
And baby makes three
We’re happy in my Blue Heaven

青い天国を青空と訳した堀内敬三の感性はすごい。

狭いながらも楽しい我が家
恋しい家こそ私の青空

家族のぬくもりの大切さに改めて想いを馳せた
40周年記念祝賀会でありました。



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| 幸福論 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-23 (Sat)
和田にどうしてストライクから入ってしまったのか。

8回裏2アウト
山口が2ストライク2ボールの後、投げ込んだアウトコース一杯のストレートはストライクだった。
これをボールと判定されて、なぜ原監督は抗議しなかったのか。

「情報7daysニュースキャスター」にチャンネルを変えた途端
安住アナウンサーに
「胸くそ悪くてチャンネルを変えた巨人ファンのみなさん今晩は!」
と言われて笑ってしまった。



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| スポーツ | COM(0) | TB(0) |
2010-10-20 (Wed)
羽田の本格的国際空港化、24時間運用に期待している。
たとえばシンガポールへ真夜中出発し(最終便で羽田に行ってそのままシンガポール行きに乗ることが可能)、早朝に羽田に帰り着くようになり、宮崎からだと一日近く余裕が出る。
地方から羽田に着いて、国際ターミナルに行くまでは福岡のようにバス移動せざるを得ないのが惜しい。

成田空港もようやく危機感を示して
「改善」を検討し始めていると聞く。
数年前、成田の日航ホテルに泊まって、日航の、そして成田的なものの衰えに驚いたことがある。

二十歳の時
カリフォルニア州立大学バークレー校に語学研修に行ったことがある。
その時、クラスメートに成田空港の職員の方がいた。
空港反対運動のため、空港は完成したものの開港できず
開店休業状態なので休暇をもらってきていると言われていた。
丸々2ヶ月間学生寮で一緒に過ごしたが、まだまだ彼の空港はオープンする兆しを見せなかった。

成田は今も中途半端な存在であり、余りに遠く不便だ。
わたしはアジア、アメリカ行きは今後、羽田を出来るだけ利用したい。
そうすることが逆説的ながら成田へのエールなのかもしれない。

もし日本のエアラインに乗るときは
できるだけANAを利用するようにしたいと今は考えている。
以前JALがんばれとブログに書いた。
今もJALファンだ。
けれど本当に残念なことだけれど、あの幸せだった時代にさようならを言う時期が来ている。
これもANAしか使わないことで、JALと、大げさに言えば日本にメッセージを送ることになればよいと思う。
本当に競争力があるものを応援するしかない。
JALどころか日本再生自体に残された時間はなくなりつつある。


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| 生活と意見 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-17 (Sun)
先日両眼性の閉塞隅角緑内障発作の患者さんに超音波生体顕微鏡検査を行うと両眼に毛様体脈絡膜剥離が認められた。

毛様体脈絡膜剥離

閉塞隅角緑内障と毛様体脈絡膜剥離との関連は医学的に興味深い。
この問題を独自に見いだされた琉球大学医学部眼科酒井寛講師が来週、宮崎県眼科医会講習会にて講演される。

参考文献: 
原発閉塞隅角緑内障の新しい概念: 臨床眼科 64(9月号)1451-1455,2010
Sakai H et al: Uveal effusion in primary angle-closure glaucoma. Ophthalmology 112, 413-419, 2005.

酒井講師によれば閉塞隅角緑内障には毛様体脈絡膜剥離ciliochoroidal effusion(CCE)が有意に高頻度で認められるという。
これが閉塞l隅角と関連しているとすれば、どのような意義があるかについてはいまだ明確ではない。

これが結果ではなく、閉塞を強める原因のひとつであるとしたら
このCCE を薬物または外科的に除去すれば閉塞隅角緑内障やその急性発作を減らすことができるだろうか。

CCEの頻度は急性閉塞発作眼(58%)、その僚眼(20%強)、慢性閉塞隅角緑内障(9%)、原発開放隅角緑内障および高眼圧症群(1.3%)。

小眼球症におけるUveal effusion (UF、CCEとほぼ同義)の治療として
強膜の開窓術(ぶどう膜からのドレナージを外科的に行う)が行われている。
これを急性閉塞隅角発作治療または予防に用いて奏功するだろうか。

CCEの薬物治療についてはどうか。
ピロカルピンやアセタゾラマイドなどもかえって(稀ながら)薬物起因性の閉塞隅角緑内障リスクを高めることがあるとされている。
ステロイドはどうだろうか。

閉塞が先か、CCEが先か、それが問題であります。


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| 緑内障 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-13 (Wed)
10月10日熊本市にて熊本大学医学部同窓会に出席。
卒後30年になる同期の7割近くが出席し、盛会であった。
みんなまだまだ若々しく元気である。
一言スピーチを聴くと
公的大病院の院長になっている面々は、同窓の無礼講だからでもあるが、良い意味で「商売人」になっていて可笑しい。
自治体病院の長年の赤字を黒字化した院長の評価は仲間内でも高い。

都市部病院部長の忙しい毎日にふと悩むことがあるとスピーチする者には温泉地の病院長が「うちはゆったりとした生活を送れます!」と名刺を持って駆け寄るというジョークが繰り返され、かなりウケていた。

さて来賓の某教授のスピーチによれば
(これも内輪の話のメモなので割り引いて聞いてください)

「国立大学が独立行政法人化して良かったことはひとつもなかった。

これまで6年間の中期目標として
年間350億円の大学運営給付金を毎年1%ずつ減らしてきた。
これが平成21年度終了し次へ移る段階に入っている。

1%削減と言うことは大学の教員1000人のうち10人を削ることになる。
うち4割は医学医薬系を削ってきた。

大学の収入の半分は附属病院によるもの
残りの半分は学費である。 

(元)国立大学医学部は大学院化してきたが
さらにリーディング大学院という優先度の高い大学院に重点投資してゆく予定である。

収入源である附属病院の強化を図るため、病院の職員には手をつけず
基礎系の職員減を行わざるを得ず
重なる領域の統合
比較的新しい講座の廃止
などが予定されている

すでに
衛生学教室(複数存在)
生化学教室(複数存在)
小児科系講座(複数存在)
心の発達科(新設講座)
は次期教授選を行わずに経過している。

これからは大学予算経費の10%カットが求められるのではないかという話もあるが、妥当なところで3%のカットが3年続くか?

削減の対象となった教員、削減を進めなくてはならない管理職教員の間には心のわだかまりが残るだけである。」
と言うことであった。

大学教育行政の文字通り貧困が押し寄せている現状を聞いて暗然とした。
世界は高等教育競争に入っているというのに、いったいどうなるのだろうか。

わが宮崎県日向市はケネディ大統領も敬意を払った上杉鷹山を米沢藩に送り出した日向高鍋藩に連なる。鷹山が説いたごとく困難な時代こそ高等教育の充実が重要だ。

5兆円といわれる「こども手当」の一割、5000億円を戦略的に高等教育・研究に投資するだけで将来は大きく変わるはず。
R&Dに投資できない組織はいつか衰退する。

どうしても予算がないなら、大学全校が衰弱死する前にもっとドラスティックな手(思い切った統廃合)を打つのか。
また優秀な学生が欲しいならどうしても講義を英語化するしかない(優秀な教員も世界の英語圏から公募できるようにする。国籍の縛りを緩める。)と言う現実が迫っているのかもしれない。
心底困ったときは本質的な改革のチャンスでもある。
久しぶりの友人達と楽しく語らいつつも、次世代のために未来の医学部、ひいては医科学研究全体が世界水準を大きく超えたものになることを願った夜でありました。


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| 教育 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-09 (Sat)
調節力が落ちる年代
すなわち50歳前後くらいから
眼科診療においてRAPDを診るのが難しくなってくるのではないでしょうか。

(一般の方への注記:
RAPDとはrelative afferent pupillary defectの略
たとえば右眼が視神経症で視力低下していて、左眼が正常の場合
ペンライトを右眼から左へ動かすと
左の瞳孔が縮瞳します。
そこから右眼にライトを戻すと
ライトが来た瞬間には右眼は間接反応のため縮瞳しているのですが
ライトの明るさを右眼は感知できないので
ライトを照らしているにも関わらず
瞳孔がかえって開いてゆくという
奇異な逆の反応が見られます。
これをRAPDと言い、視神経障害に特有の反応とされています。)

先日もある先生からRAPDが見づらいと言う話を聞きました。
片眼性の視力障害を診たら、まずRAPDをチェックするのが基本ですが
わたしもこれが段々辛くなってきました。

ある先生は近見用眼鏡をしっかり掛けて見なさいと言われていましたが
これが眼科の忙しい外来では何とはなしに手間取るのですね。
また読書用の眼鏡とRAPDを判断する距離は微妙に違います。
近見ではこの微妙な差が光学的には大きな差になります。

わたしは検眼レンズの20 ジオプター・ レンズを患者さんの眼前に置いて
拡大して見ています。

当初レンズを右左に動かそうとして
なかなかうまく行きませんでしたが
今はとにかく右眼の前にレンズを置いて
(視線を遮らないようにやや下方に置く)
スィング・ライト・テストを行っています。
これでどちらの眼にRAPDがあっても
視神経障害眼が右なら瞳孔が奇異的に散瞳するのがそのまま分かるし
左眼障害なら右にライトを入れたとき、右眼が大きく縮瞳するので間接的に左眼のRAPDを知ることが出来ます。

どうぞお試しください。

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| 神経眼科 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-05 (Tue)
器械展示場を回ると、ある企業のブースにおいて
極小切開硝子体手術を流暢な中国語で解説している先生がいた。
黒山の人だかりである。

見たことがある先生。
よく見ると、なんと大阪大学のO先生であった。
聞けば先生は父上の仕事のため
台湾で幼少期を過ごし
中国語も英語も堪能とのこと。

素晴らしい。
さすが故田野教授の伝統を継ぐ大阪大学眼科
と感心した。
とにかくすごい早口の中国語で、先生の日本語講演と同じスピードのように感じた。

あるブースでは
中国の眼科病院が奨学制度を設けて
若い眼科医の研修・就職リクルートをおこなっていた。
そこに案内の女性看護師が数名忙しく応対していたが
驚くほど美人の看護師さん達であった。

ユニフォームを着ている人が本物の看護師さんなのか
モデルさんなのか確認するのがブロガーの「責務」であるが
やはりちょっと気が引けて遠くから眺めるだけで終わってしまった。

会場をある先生と歩いていると
その先生に挨拶する米国人医師がいた。
ニューヨーク、マンハッタン眼耳鼻科病院のMcKool医師であった。

きゃー、わたしのアイドルである。
もう高齢になってきておられると思うけれども
若々しくニューヨーカーらしい黒っぽいファッションも小粋である。

書いて良いのかどうか分からないが
ものすごく若いきれいな女性を連れておられた。
わたしはあまりそういうことを気にしないが
あまりにもきれいな方なので
その方がお嬢さんなのか、奥さんなのか
ほんの少し興味を惹かれた。

数年前、米国のアメリカ眼科学会において
教育コースに現れたマックール先生はまだ開演までに時間があったため
前の聴衆に向かって、「さっきまであるところでゴルフのシミュレーションコースを楽しんでいたのだけれど、なかなか面白かった・・」とゴルフの技術解説を始め
それがなぜか場違いではなく、
白内障手術のイントロダクションになって行き
やはり格好良いのでありました。
AAOとマックール医師



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| 眼科学会 | COM(0) | TB(0) |
2010-10-02 (Sat)

北京(APAO)
9月18日土曜日
夕刻からアマン・サマーパレス北京にて夕食会

北京国際会議場からさほど遠くない地域
サマーハウスのとなりとでもいう場所の
中国らしく優雅なしつらえのホテル

大変美味しい中国料理をご馳走になり感謝
美しい女性の胡弓奏者付きの個室
北京ダックも何もかも洗練された料理
飲めないわたしにも分かる素晴らしいワイン

翌日学会の後友人達と昼食
一流ホテルの眺めの良い個室を予約してあったが
メニューが全く分からず
スタッフに英語も通じないため困った。
中国の友人達にもっとご馳走して差し上げたかったが事前の詰めが甘かったことを反省

当日午前中急用が発生し
昼食中にも日本へ帰るフライトの変更連絡が忙しく、失礼してしまった。

9月20日月曜日(休日)に福岡へ帰る予定を
9月19日日曜日午後6時45分発のチャイナエアにて東京羽田行き
20日早朝宮崎へと変更

ホテルから空港へ向かって出発した途端
衣類を部屋のハンガーに掛けたままだったことを思い出す
朝急いで荷物をスーツケースに放り込んだ際に衣類を失念していた。
こんなことは初めて
急ぎ取って返す。
係が確認すると
部屋はすでに掃除されていた。
遺失物係に衣類が届いているか確認するという
少し時間がかかったがちゃんと袋に詰めたシャツとネクタイが戻ってきて感謝。
当日朝、学会のための満室ゆえか、給湯システムが故障し、お湯が出なかったことを除けばインターコンチネンタル北京の接遇はなかなかしっかりしていた。

待たせていたセダンで空港に急ぐ
運転手さんはいい人で事情を察してどんどん追い抜き走る。

結局
悠々セーフでチャイナエアへ。

ところが待てど暮らせど
出発準備が整わず
故障整備のため2時間以上待つことに
今夜は北京泊まりかと覚悟し始めたところで
ようやく出発

午後11時過ぎ
羽田到着
まだ臨時に設営されている税関を通って帰国。
遅れたわれわれを待っていた空港スタッフに迎えられながら
夜間発着が始まると、かなりの人件費がかかるはずと実感。
近くのJALシティ羽田を予約していて助かった。

観光を楽しむ暇はなかったけれど
しかし中国眼科の若さ元気さを実感し
さまざまな人にあって楽しんだり勉強したりできた北京でありました。


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