カテゴリ: 眼の病気 の記事一覧
- 抗がん剤と角膜障害 (2009/06/24)
- 網膜色素変性の治療 (2009/03/01)
- 光干渉断層計( OCT )講習会 (2008/11/03)
- 落屑緑内障の遺伝子解析 (飛んでシンガポールその5) (2008/01/27)
- 花粉症とステロイド点眼 (2008/01/24)
- 花粉症ニモマケズ (2008/01/22)
- すでに花粉症? (2008/01/20)
- 網膜レーザー光凝固装置 (2008/01/13)
- 小心 (新年快楽!) (2007/12/30)
- 医学的俗説 (2007/12/29)
- 眼瞼けいれんのリズム診断 (2007/12/16)
- スズメバチによる角膜刺傷 (2007/11/11)
- 眼科救急 3連続の急患 (2007/10/29)
- 看護研究会2007 (2007/10/08)
- アバスチン・フィーバー? 硝子体手術セミナー2007 その2 (2007/06/23)
- 硝子体手術セミナー2007京都 その1 (2007/06/19)
- 手術教育 チャレンジ・カップ ASCRS2007 エピソード10 (2007/06/15)
- 羊膜移植 眼表面疾患への応用 ASCRS 2007 サンディエゴ エピソード5 (2007/05/20)
- 九州眼科学会2007 宮崎 (2007/05/15)
- 網膜レーザー 魚うどんとボクと時々シャンソン その3 <来(こ)んね、九州眼科学会へ> (2007/04/18)
- 網膜レーザー 魚うどんとボクと、時々、シャンソン その2 (2007/04/17)
- 網膜レーザー 魚うどんとボクと、時々、シャンソン その1 (2007/04/16)
- 緊急手術 (2007/04/03)
- ビジョンケア・セミナー東京 その2 「再登板するクロラムフェニコール」 (2006/11/01)
- 日本臨床眼科学会・京都2006その3 涙道疾患と眼瞼下垂 (2006/10/23)
- 日本臨床眼科学会・京都2006 その1 (2006/10/10)
- 左です! (2006/05/03)
- 点眼について (2005/09/03)
- 尾崎眼科茶話会2005 (2005/07/10)
- 隅角線維柱帯切開術 (2005/06/29)
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(プライバシーに配慮して少し内容を変えています)
ある日、両眼の視力が急に低下した患者さんが来院され
強い角膜「びらん」のために視力が低下していました。
普通のドライアイによる角膜障害のタイプではなく
薬物性障害のように見えます。
点眼薬の使用歴はなく
消化器系のがんがあります。
(告知を受けておられます。)
TS-1という薬を飲んでいませんか?
と聞きましたが
その場では自分の薬を覚えておられず
お薬手帳も携帯されていませんでした。
夕方、自宅から内服薬はTS-1でしたと電話を貰いました。
TS-1(ティーエスワン)の一般名はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムであり胃癌、結腸・直腸癌などに投与されます。
外科の担当医に投薬内容の変更を御相談するため手紙を書くことにしました。
このような角膜障害を一昨年くらいから経験し始め、これで4例目でしょうか。
今年の九州眼科学会で出田眼科病院からTS-1の角膜障害について
発表があったと思いますが、残念ながら聞く機会がありませんでした。
幸い、TS-1を中止すると角膜障害は徐々に、しかしきれいに治ります。
TS-1は良く使われている抗がん剤のようですが
眼科的な副作用についてはあまり記載されていないようです。
しかしTS-1による角膜障害が強い場合にはかなり視力が下がる方もいます。
もともとドライアイなど眼表面がデリケートな方が問題を起こしやすいのかもしれません。
TS-1を内服中の方は眼がかすむ場合には早めに担当医か、眼科医に相談されるのがよいと思います。
ある日、両眼の視力が急に低下した患者さんが来院され
強い角膜「びらん」のために視力が低下していました。
普通のドライアイによる角膜障害のタイプではなく
薬物性障害のように見えます。
点眼薬の使用歴はなく
消化器系のがんがあります。
(告知を受けておられます。)
TS-1という薬を飲んでいませんか?
と聞きましたが
その場では自分の薬を覚えておられず
お薬手帳も携帯されていませんでした。
夕方、自宅から内服薬はTS-1でしたと電話を貰いました。
TS-1(ティーエスワン)の一般名はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムであり胃癌、結腸・直腸癌などに投与されます。
外科の担当医に投薬内容の変更を御相談するため手紙を書くことにしました。
このような角膜障害を一昨年くらいから経験し始め、これで4例目でしょうか。
今年の九州眼科学会で出田眼科病院からTS-1の角膜障害について
発表があったと思いますが、残念ながら聞く機会がありませんでした。
幸い、TS-1を中止すると角膜障害は徐々に、しかしきれいに治ります。
TS-1は良く使われている抗がん剤のようですが
眼科的な副作用についてはあまり記載されていないようです。
しかしTS-1による角膜障害が強い場合にはかなり視力が下がる方もいます。
もともとドライアイなど眼表面がデリケートな方が問題を起こしやすいのかもしれません。
TS-1を内服中の方は眼がかすむ場合には早めに担当医か、眼科医に相談されるのがよいと思います。
先週金曜日、網膜色素変性について患者さんに講演というか解説する機会をいただいた。
網膜色素変性が難病であることはみなさんご存知なので、最近の治療について
臨床医として前向きな、しかしバランスの取れたお話をしようと試みた。
わたしの患者さんにはとても前向きな人が多く、マラソン大会に出たり、太鼓のパフォーマンスをグループで続けたり、こちらが教えられることも多い。
お昼の講演で、午後の外来の予定が詰まってしまっていたので、講演後は時間通りに会場を後にしたけれど、患者さんたちに少しでもお役に立ったかどうか気に掛かった。
網膜色素変性の治療において
いま注目されているのは
遺伝子研究からヒントを得た新しい薬物治療
再生医療
そして人工網膜だろう。
最近来た週刊誌TIMESにもStem Cell (幹性胚細胞)が再生医療を通じて、心臓病やパーキンソン病などさまざまな病気治療に役立つ可能性を秘めているという記事であった。
一般誌が取り上げるくらい可能性があるところまで来ているのではあります。
もちろん網膜色素変性によって傷んだ網膜を再生させられるかは、ネズミさんのレベルからヒトに持ってゆくには、まだまだ気が遠くなるような研究努力が必要でしょう。
だがしかし道はとにかく見えているに違いありません。
ぜひさまざまな支援が網膜色素変性の治療研究に向けられるように
患者さんたちにも活動していただくようにお願いしたところでありました。
11月2日(日曜日)
東京コンファレンスセンター・品川で開催された光断層計講習会に出席した。
会場は満席。
知り合いの眼科医が8名くらい出席していた。
連休というのにみんな熱心である。
恩師のM先生が矍鑠として参加されていたのにも頭が下がった。
以前このブログにも書いたが
OCTは眼の中の組織が透明であることを利点として
測定光の反射の差を器械的に検知し
コンピュータ画像化する画像診断装置である。
最新のOCTを用いれば
5ミクロン単位の解像度を示すことが可能である。
眼を「生きたまま」切片にして顕微鏡で覗いているような画像を手に入れることができる。
この器械の原理は1990年に日本から発表され
すぐにボストンの緑内障専門家シュワルツ博士と日本人の技術者フジモト博士によって実用化された。
現在、この器械なしには硝子体手術や加齢黄斑症の治療はできにくいほど重要になっている。
講習会費は高額なのだが、講師もオールスター、
始めの挨拶がT教授、終わりの挨拶がA教授という、ものすごい陣容であった。
中心性漿液性脈絡網膜症の漿液性網膜剥離が消失した後も
視機能が回復しない時期には
OCTで観察すると視細胞内節外節接合部(IS/OS)の高反射層が消失していて視細胞の障害を示している
という話も以前最初に聞いた時は驚いたが
今やみな平然と受け止める内容になっている。
稀なAZOOR (acute zonal occult outer retinopathy アズールではなく、エイゾールと発音するのが正しいらしい。)も多局所ERGの異常に加えて、OCTで見ると該当する網膜のIS/OS が不明瞭になっているとのこと。
いやはや大変な進歩であります。
今回はOCTを販売している7社が共催していた。
当院で導入しているカールツアイスメディテックのcirrus OCTは
来年緑内障解析プログラムの
GPA (Glaucoma Progression Analysis)
が搭載されるようだ。
これもAACGCの項で書いたが
旧型機OCT3000ではこの6月から使用されているらしい。
視野異常に先行した視神経乳頭変化をどう捉えることができるか興味深い。
また来年春にはcirrus OCTに前眼部OCTプログラムが加わる。
レンズの口径の関係で(?)、両側隅角を同時には画像化できないものの、十分Visante(AC-OCT)の簡易版としての役割は果たせるらしい。
閉塞隅角緑内障の診断にも威力を発揮しそうだ。
OCTによる画像診断はさらに視野検査、網膜電図や眼底造影検査などと組み合わされ
最終的にはオールインワンで機能も画像も示す複合的な診断装置へと発展しそうな勢い。
OCTの可能性を改めて感じさせる、熱のこもった講習会でした。
東京コンファレンスセンター・品川で開催された光断層計講習会に出席した。
会場は満席。
知り合いの眼科医が8名くらい出席していた。
連休というのにみんな熱心である。
恩師のM先生が矍鑠として参加されていたのにも頭が下がった。
以前このブログにも書いたが
OCTは眼の中の組織が透明であることを利点として
測定光の反射の差を器械的に検知し
コンピュータ画像化する画像診断装置である。
最新のOCTを用いれば
5ミクロン単位の解像度を示すことが可能である。
眼を「生きたまま」切片にして顕微鏡で覗いているような画像を手に入れることができる。
この器械の原理は1990年に日本から発表され
すぐにボストンの緑内障専門家シュワルツ博士と日本人の技術者フジモト博士によって実用化された。
現在、この器械なしには硝子体手術や加齢黄斑症の治療はできにくいほど重要になっている。
講習会費は高額なのだが、講師もオールスター、
始めの挨拶がT教授、終わりの挨拶がA教授という、ものすごい陣容であった。
中心性漿液性脈絡網膜症の漿液性網膜剥離が消失した後も
視機能が回復しない時期には
OCTで観察すると視細胞内節外節接合部(IS/OS)の高反射層が消失していて視細胞の障害を示している
という話も以前最初に聞いた時は驚いたが
今やみな平然と受け止める内容になっている。
稀なAZOOR (acute zonal occult outer retinopathy アズールではなく、エイゾールと発音するのが正しいらしい。)も多局所ERGの異常に加えて、OCTで見ると該当する網膜のIS/OS が不明瞭になっているとのこと。
いやはや大変な進歩であります。
今回はOCTを販売している7社が共催していた。
当院で導入しているカールツアイスメディテックのcirrus OCTは
来年緑内障解析プログラムの
GPA (Glaucoma Progression Analysis)
が搭載されるようだ。
これもAACGCの項で書いたが
旧型機OCT3000ではこの6月から使用されているらしい。
視野異常に先行した視神経乳頭変化をどう捉えることができるか興味深い。
また来年春にはcirrus OCTに前眼部OCTプログラムが加わる。
レンズの口径の関係で(?)、両側隅角を同時には画像化できないものの、十分Visante(AC-OCT)の簡易版としての役割は果たせるらしい。
閉塞隅角緑内障の診断にも威力を発揮しそうだ。
OCTによる画像診断はさらに視野検査、網膜電図や眼底造影検査などと組み合わされ
最終的にはオールインワンで機能も画像も示す複合的な診断装置へと発展しそうな勢い。
OCTの可能性を改めて感じさせる、熱のこもった講習会でした。
1月2日朝A先生にリッツカールトンホテルまで迎えに来ていただきシンガポール国立眼科センター(SNEC)へ。
今回は落屑緑内障の遺伝子解析プロジェクトの結果をさらに検討打ち合わせを行う。
ミーティングルームでA先生、ロンドンから来ているインド系のV先生、中国系のY先生を交えて結果を再度検討。
落屑症候群についてはこのブログでもすでに述べたように、緑内障になりやすい「素因」である。
北欧ではかなり頻度が高い。
落屑緑内障の遺伝子解析は
Science誌に
Common sequence variations in the LOXL1 gene confer susceptibility to exfoliation glaucoma.
落屑緑内障に対する感受性(なりやすさ)を生じるLOXL1遺伝子内の遺伝子変異について
(Gudmar Thorleifsson et al 2007)という論文として
Kari Stefansson らのグループから発表された。
(内容の解説は後日書きます。最近、体質の遺伝学的研究という問題にとても興味があります。
体質を遺伝学的に考えると家族・家系とはなにか、われわれはどこから来たのか、ということまで深く考えることになります。)
この論文の電子版がインターネット上で2007年8月9日(ちょうど小生の誕生日、ドウデモヨイデスカ?)に掲載され、8月15日にSNECで緑内障の話をしていたところ、この論文の話になった。
中国系シンガポール人には落屑症候群や落屑症候群は少ないらしい。
この病気は地域差があり、九州の南部にはかなり多くの落屑症候群が見られる。
落屑症候群について、当院には豊富な経験があり、共同研究の話がまとまり検体を送ることを約束して別れた。
日本に帰るとすぐに落屑緑内障や症候群の患者さんにヘルシンキ宣言にのっとった手続きを開始し、インフォームドコンセントを取り、採血、FEDEXで空輸を始めた。
A先生から問い合わせのメールが来た時にはすでに第一便を送ったところであり、続々と検体が送られてくるのでシンガポール側は驚き、急ぎ解析が始まった。
シンガポールはバイオ研究に国家を挙げて注力しており、国立シンガポール大学に隣接するバイオポリスには世界各国から研究者がスカウトされている。
広い敷地には研究施設のビルが林立し、その周りを世界的な製薬メーカーが入った研究所のビル群が囲んでいる。
その中でもモダンな大きいビルがゲノム研究所である。
SNECの眼研究施設はいかにも医科学らしい空間であったが、この解析を統計分析するゲノム研究所のフロアは見渡す限り大小のコンピュータに埋め尽くされ、スタッフの仕事ぶりもIT会社のようだ。
T博士が統括する部門が分析してくれた最終結果はアイスランド、スウェーデンのデータと一部異なる結果であった。
途中までの結果は11月の終わりにまとめてフロリダ・フォートローダーデールで毎年4月に開かれる「視覚と眼科に関連する、世界最大の基礎研究学会」(ARVO)に抄録として提出済み。
ところが聞けば
すでに京都大学は同じ研究で一流誌のAJOに論文が印刷中(Hayashi 2008 Jan Epub)。
米国(Fingert AJO 2007 Dec) 、オーストラリア(Hewitt, Hum Mol Genet 2007 Nov)からもすでに論文が受理されていると聞いて、さすがに遺伝子解析の世界は速い!と驚いた。
トホホ。
とはいえなんとかデータをきちんとまとめて論文の形にしたいところ。
このところ最終的な書き直しに手間取って、ブログも更新が遅れてしまった。
さあなんとか論文が受理されますように。
今回は落屑緑内障の遺伝子解析プロジェクトの結果をさらに検討打ち合わせを行う。
ミーティングルームでA先生、ロンドンから来ているインド系のV先生、中国系のY先生を交えて結果を再度検討。
落屑症候群についてはこのブログでもすでに述べたように、緑内障になりやすい「素因」である。
北欧ではかなり頻度が高い。
落屑緑内障の遺伝子解析は
Science誌に
Common sequence variations in the LOXL1 gene confer susceptibility to exfoliation glaucoma.
落屑緑内障に対する感受性(なりやすさ)を生じるLOXL1遺伝子内の遺伝子変異について
(Gudmar Thorleifsson et al 2007)という論文として
Kari Stefansson らのグループから発表された。
(内容の解説は後日書きます。最近、体質の遺伝学的研究という問題にとても興味があります。
体質を遺伝学的に考えると家族・家系とはなにか、われわれはどこから来たのか、ということまで深く考えることになります。)
この論文の電子版がインターネット上で2007年8月9日(ちょうど小生の誕生日、ドウデモヨイデスカ?)に掲載され、8月15日にSNECで緑内障の話をしていたところ、この論文の話になった。
中国系シンガポール人には落屑症候群や落屑症候群は少ないらしい。
この病気は地域差があり、九州の南部にはかなり多くの落屑症候群が見られる。
落屑症候群について、当院には豊富な経験があり、共同研究の話がまとまり検体を送ることを約束して別れた。
日本に帰るとすぐに落屑緑内障や症候群の患者さんにヘルシンキ宣言にのっとった手続きを開始し、インフォームドコンセントを取り、採血、FEDEXで空輸を始めた。
A先生から問い合わせのメールが来た時にはすでに第一便を送ったところであり、続々と検体が送られてくるのでシンガポール側は驚き、急ぎ解析が始まった。
シンガポールはバイオ研究に国家を挙げて注力しており、国立シンガポール大学に隣接するバイオポリスには世界各国から研究者がスカウトされている。
広い敷地には研究施設のビルが林立し、その周りを世界的な製薬メーカーが入った研究所のビル群が囲んでいる。
その中でもモダンな大きいビルがゲノム研究所である。
SNECの眼研究施設はいかにも医科学らしい空間であったが、この解析を統計分析するゲノム研究所のフロアは見渡す限り大小のコンピュータに埋め尽くされ、スタッフの仕事ぶりもIT会社のようだ。
T博士が統括する部門が分析してくれた最終結果はアイスランド、スウェーデンのデータと一部異なる結果であった。
途中までの結果は11月の終わりにまとめてフロリダ・フォートローダーデールで毎年4月に開かれる「視覚と眼科に関連する、世界最大の基礎研究学会」(ARVO)に抄録として提出済み。
ところが聞けば
すでに京都大学は同じ研究で一流誌のAJOに論文が印刷中(Hayashi 2008 Jan Epub)。
米国(Fingert AJO 2007 Dec) 、オーストラリア(Hewitt, Hum Mol Genet 2007 Nov)からもすでに論文が受理されていると聞いて、さすがに遺伝子解析の世界は速い!と驚いた。
トホホ。
とはいえなんとかデータをきちんとまとめて論文の形にしたいところ。
このところ最終的な書き直しに手間取って、ブログも更新が遅れてしまった。
さあなんとか論文が受理されますように。
前回、花粉症によるアレルギー性結膜炎の治療薬として
抗アレルギー剤点眼を挙げました。
わたしはフルメトロン(フルオロメトロン)というステロイド系の点眼薬を使っているのだけれど、という人もいるでしょう。
アレルギー性結膜炎に対するステロイド点眼治療をどう考えるべきでしょうか。
リボスチン、パタノールなどの抗アレルギー点眼で効果がない場合
一時的にでもステロイド点眼を追加することがあります。
やはりステロイド点眼の効果は、あまり科学的な言い方ではありませんが、一段上であります。
ところが
ステロイド点眼(フルメトロン、リンデロンなど)には以下の副作用があることもよく知られています。
1)眼圧上昇
2)感染に対する免疫抵抗力の低下
眼圧上昇は眼の内圧が上がり、その物理的な圧力で視神経を障害して緑内障につながることがあります。
このことが良く知られているので、ステロイド点眼を心配される患者さんもいます。
わたしはアレルギー性結膜炎には原則としてステロイド点眼は控えたいと思っています。
しかし
かゆみが強い
充血が強く、違和感が強い方にはステロイドが必要になる場合もあります。
さらに春季カタルやハウスダスト関連、アトピーにともなうアレルギー性結膜炎など
重症アレルギー性結膜炎の患者さんはどうしてもステロイド点眼が必要となる場合が多いと思います。
その場合、きちんとした医学的管理(医師の検診を指示通り受ける)を受けて眼圧のチェックを受けていればまず心配は要らないでしょう。
特に0.02%フルメトロンであれば眼圧が上がる可能性は低いと思います。
0.1%フルメトロンは少し心配なことがあります。
リンデロンは、これも0.01%、0.1%があり、0.1%はかなり眼圧上昇のリスクが高まります(普通のアレルギー性結膜炎程度では用いないでしょうけれど)。
最近は重症のアレルギー性結膜炎に免疫抑制剤のパピロック・ミニを用いる眼科医も増えていると思います。
最近講演に来られたG教授はパピロック・ミニの安全性を強調されていました。
もちろんフルメトロンも0.02%程度ですとわたしの経験ではかなり安全です。
コストも安く捨てがたい。
しかし、わたしはステロイド点眼を長期に続けることによって感染に弱くなる点については危惧しています。
ステロイド点眼による眼局所の免疫力低下は小さくありません。
この問題も健常な人はまずまずOKですが
1)アレルギーやコンタクトレンズで角膜に傷がある(点眼処方後に出来ることもあるでしょう)
2)糖尿病などで基礎的な免疫力低下がある
3)ヘルペス性角膜炎の既往がある場合(ヘルペスが隠れていて、免疫力が低下すると、角膜炎を再発する)
4)たまたま外傷を受けたとき
などに角膜の感染が起こったり、悪化したりするリスクが高くなるかもしれません。
これらの点などを注意しながら、検診を受けて使うということが大事です。
眼科医はこれらのポイントをきちんとチェックしているのです。
花粉症のピーク時には点眼でピタッと、その日から痒みが収まるというわけにはなかなかいきません。
なにしろ点眼薬という「消防隊」が消火しているのにまた火をつけるものがどんどんやってくるのですから。
70%80%程度、痒みがおさまればまずまずと思って(ご納得いただきにくい場合もあるでしょうけれど)
どちらかといえば、とにかく花粉を避けるという
原因を防ぐことに注意を払う方が賢明であると思います。
花粉症の時期をうまくやり過ごしましょう。
抗アレルギー剤点眼を挙げました。
わたしはフルメトロン(フルオロメトロン)というステロイド系の点眼薬を使っているのだけれど、という人もいるでしょう。
アレルギー性結膜炎に対するステロイド点眼治療をどう考えるべきでしょうか。
リボスチン、パタノールなどの抗アレルギー点眼で効果がない場合
一時的にでもステロイド点眼を追加することがあります。
やはりステロイド点眼の効果は、あまり科学的な言い方ではありませんが、一段上であります。
ところが
ステロイド点眼(フルメトロン、リンデロンなど)には以下の副作用があることもよく知られています。
1)眼圧上昇
2)感染に対する免疫抵抗力の低下
眼圧上昇は眼の内圧が上がり、その物理的な圧力で視神経を障害して緑内障につながることがあります。
このことが良く知られているので、ステロイド点眼を心配される患者さんもいます。
わたしはアレルギー性結膜炎には原則としてステロイド点眼は控えたいと思っています。
しかし
かゆみが強い
充血が強く、違和感が強い方にはステロイドが必要になる場合もあります。
さらに春季カタルやハウスダスト関連、アトピーにともなうアレルギー性結膜炎など
重症アレルギー性結膜炎の患者さんはどうしてもステロイド点眼が必要となる場合が多いと思います。
その場合、きちんとした医学的管理(医師の検診を指示通り受ける)を受けて眼圧のチェックを受けていればまず心配は要らないでしょう。
特に0.02%フルメトロンであれば眼圧が上がる可能性は低いと思います。
0.1%フルメトロンは少し心配なことがあります。
リンデロンは、これも0.01%、0.1%があり、0.1%はかなり眼圧上昇のリスクが高まります(普通のアレルギー性結膜炎程度では用いないでしょうけれど)。
最近は重症のアレルギー性結膜炎に免疫抑制剤のパピロック・ミニを用いる眼科医も増えていると思います。
最近講演に来られたG教授はパピロック・ミニの安全性を強調されていました。
もちろんフルメトロンも0.02%程度ですとわたしの経験ではかなり安全です。
コストも安く捨てがたい。
しかし、わたしはステロイド点眼を長期に続けることによって感染に弱くなる点については危惧しています。
ステロイド点眼による眼局所の免疫力低下は小さくありません。
この問題も健常な人はまずまずOKですが
1)アレルギーやコンタクトレンズで角膜に傷がある(点眼処方後に出来ることもあるでしょう)
2)糖尿病などで基礎的な免疫力低下がある
3)ヘルペス性角膜炎の既往がある場合(ヘルペスが隠れていて、免疫力が低下すると、角膜炎を再発する)
4)たまたま外傷を受けたとき
などに角膜の感染が起こったり、悪化したりするリスクが高くなるかもしれません。
これらの点などを注意しながら、検診を受けて使うということが大事です。
眼科医はこれらのポイントをきちんとチェックしているのです。
花粉症のピーク時には点眼でピタッと、その日から痒みが収まるというわけにはなかなかいきません。
なにしろ点眼薬という「消防隊」が消火しているのにまた火をつけるものがどんどんやってくるのですから。
70%80%程度、痒みがおさまればまずまずと思って(ご納得いただきにくい場合もあるでしょうけれど)
どちらかといえば、とにかく花粉を避けるという
原因を防ぐことに注意を払う方が賢明であると思います。
花粉症の時期をうまくやり過ごしましょう。
スギ花粉が南九州ではすでに飛び始めているという話しをしました。
スギ花粉が飛び始めるのは
年初めからの毎日の最高温度が積算して九州では摂氏400度(350~450度)くらいを超える頃からとされます。
今年、九州のスギ花粉飛散量は昨年より少な目と聞いていますが
どうも飛散自体は早いように感じます。
最近はそうでもないのですが
自分も花粉症が強い時期がありました。
いまも少し症状が出るときがあるので
スギ花粉が飛ぶとどうもおかしいなと自分で分かります。
そういう日には花粉症の患者さんが増えます。
雨が強く降っていると花粉の飛散が抑えられ、その日はすごく楽になります。
雨が上がって晴れ上がると突然花粉が増えて症状が急に悪化します。
本当に症状が強かった時期は眼と鼻の粘膜に直径100分の3mm程度の花粉がひとつひとつ、パシパシパシと当たるのが分かる感じがしました(笑)。というか今思い出しても(泣)。
宮崎では読売ジャイアンツがキャンプに来る頃から
花粉症が飛び始めます。
紅白戦の頃がもっとも辛い。
だから花粉症が強かった宮崎医科大学病院勤務時代
完全装備で巨人のオープン戦に出かけて医局員や看護師さんの失笑をかっていました。
眼がかゆいとか鼻が詰まるなどということよりも
頭が重い
体がだるい
眠気が取れない
などの症状が最も困ったように思います。
花粉症によるアレルギー性結膜炎に対して
眼科では点眼薬を使います。
代表的なものは
インタール
サジテン
リボスチン
パタノール
などでしょうか。
(もっともっとありますがスペースの関係で抜けている薬の製薬メーカーの皆さんお許しください)
鼻炎が強い人で抗アレルギー剤内服や点鼻薬がない人は
もし点眼薬を2本持っていたら
1本を鼻腔に点鼻しても良いかもしれません(あくまでもやむを得ない時の裏技ですよ。けして推奨している訳ではありませぬ)。
上を向いて点鼻して少し吸い込んでください。
口の中がちょっと苦いこともありますが心配ないと思います。
実際点眼によっては点眼点耳と書いてあるものもありますよね。
ただし点眼のビンを点鼻のビンと一緒にしないでください。
かなり点眼ビン内が汚染するので点眼してはいけません。
鼻炎が強い人はもちろん耳鼻咽喉科専門医に診てもらってください。
花粉に負けずに楽しい春を迎えられるように祈っています。
スギ花粉が飛び始めるのは
年初めからの毎日の最高温度が積算して九州では摂氏400度(350~450度)くらいを超える頃からとされます。
今年、九州のスギ花粉飛散量は昨年より少な目と聞いていますが
どうも飛散自体は早いように感じます。
最近はそうでもないのですが
自分も花粉症が強い時期がありました。
いまも少し症状が出るときがあるので
スギ花粉が飛ぶとどうもおかしいなと自分で分かります。
そういう日には花粉症の患者さんが増えます。
雨が強く降っていると花粉の飛散が抑えられ、その日はすごく楽になります。
雨が上がって晴れ上がると突然花粉が増えて症状が急に悪化します。
本当に症状が強かった時期は眼と鼻の粘膜に直径100分の3mm程度の花粉がひとつひとつ、パシパシパシと当たるのが分かる感じがしました(笑)。というか今思い出しても(泣)。
宮崎では読売ジャイアンツがキャンプに来る頃から
花粉症が飛び始めます。
紅白戦の頃がもっとも辛い。
だから花粉症が強かった宮崎医科大学病院勤務時代
完全装備で巨人のオープン戦に出かけて医局員や看護師さんの失笑をかっていました。
眼がかゆいとか鼻が詰まるなどということよりも
頭が重い
体がだるい
眠気が取れない
などの症状が最も困ったように思います。
花粉症によるアレルギー性結膜炎に対して
眼科では点眼薬を使います。
代表的なものは
インタール
サジテン
リボスチン
パタノール
などでしょうか。
(もっともっとありますがスペースの関係で抜けている薬の製薬メーカーの皆さんお許しください)
鼻炎が強い人で抗アレルギー剤内服や点鼻薬がない人は
もし点眼薬を2本持っていたら
1本を鼻腔に点鼻しても良いかもしれません(あくまでもやむを得ない時の裏技ですよ。けして推奨している訳ではありませぬ)。
上を向いて点鼻して少し吸い込んでください。
口の中がちょっと苦いこともありますが心配ないと思います。
実際点眼によっては点眼点耳と書いてあるものもありますよね。
ただし点眼のビンを点鼻のビンと一緒にしないでください。
かなり点眼ビン内が汚染するので点眼してはいけません。
鼻炎が強い人はもちろん耳鼻咽喉科専門医に診てもらってください。
花粉に負けずに楽しい春を迎えられるように祈っています。
正月明けからすでに眼がかゆい人はいませんか?
少なくとも、南九州の日向市では、スギ花粉症らしき患者さんがちらほら現れています。
かゆいというより
充血、透明なめやに、異物感などの訴えのこともあります。
また冬でも流行性角結膜炎(EKC)がポツポツ混じるのでアレルギーか感染性結膜炎であるかを見きわめる確定診断が難しい。
ウイルス学的検査は陽性率が低いのであまり行いませんが、もし検査をした場合は費用を支払っていただいた後に、陰性だからといってEKCでないと断言できません、などと言い訳しなくてはいけません。
医療・介護関係者、教育関係者、学校幼稚園などに通う子供などはEKCであれば感染防止のため休んでもらう必要があるのでなかなか大変です。
昨日も4歳の子供にEKCとして幼稚園を休んでもらうように指示したら
明日は楽しみにしていたお誕生会!というので困りました。
しかしEKCが確定していたら
申し訳ないのだけれど(石破大臣口調)
他の子供さんに流行が拡がらないように休んでいただくしかないのであります。
さてスギ花粉症は眼や鼻の局所症状だけでなく
体のだるさ
頭痛
意欲・注意力減退
ドライアイの悪化
不眠なども起こってくることがあります。
スポーツをした後はジャブジャブ顔を洗ったり
鼻を軽く水で洗うだけでも花粉症の急激な悪化を防ぎやすいように感じます。
花粉症症状が強い人はやはり格好が悪くともマスクやめがねも大事ですね。
私も以前は花粉症だったので患者さんの辛さが良く分かります。
雨上がりに戸外で風に吹かれすぎないように、などそろそろ用心したほうがよいかもしれません。
少なくとも、南九州の日向市では、スギ花粉症らしき患者さんがちらほら現れています。
かゆいというより
充血、透明なめやに、異物感などの訴えのこともあります。
また冬でも流行性角結膜炎(EKC)がポツポツ混じるのでアレルギーか感染性結膜炎であるかを見きわめる確定診断が難しい。
ウイルス学的検査は陽性率が低いのであまり行いませんが、もし検査をした場合は費用を支払っていただいた後に、陰性だからといってEKCでないと断言できません、などと言い訳しなくてはいけません。
医療・介護関係者、教育関係者、学校幼稚園などに通う子供などはEKCであれば感染防止のため休んでもらう必要があるのでなかなか大変です。
昨日も4歳の子供にEKCとして幼稚園を休んでもらうように指示したら
明日は楽しみにしていたお誕生会!というので困りました。
しかしEKCが確定していたら
申し訳ないのだけれど(石破大臣口調)
他の子供さんに流行が拡がらないように休んでいただくしかないのであります。
さてスギ花粉症は眼や鼻の局所症状だけでなく
体のだるさ
頭痛
意欲・注意力減退
ドライアイの悪化
不眠なども起こってくることがあります。
スポーツをした後はジャブジャブ顔を洗ったり
鼻を軽く水で洗うだけでも花粉症の急激な悪化を防ぎやすいように感じます。
花粉症症状が強い人はやはり格好が悪くともマスクやめがねも大事ですね。
私も以前は花粉症だったので患者さんの辛さが良く分かります。
雨上がりに戸外で風に吹かれすぎないように、などそろそろ用心したほうがよいかもしれません。
(1月13日日曜日)
今日は休日当番医。
ゆっくりした外来ですが
昨日から網膜レーザー光凝固装置のご機嫌が少し悪くて
今日、レーザーが必要な場合
少し気がかりであります。
当院にはレーザー装置が
4台ありますが
それぞれレーザーの種類役割が違います。
網膜を治療するのはアルゴン・レーザー。
外来据え置き型と
硝子体手術用のポータブルタイプです。
この据え置き型が少しパワーダウンしやすくなっています。
ドイツ・ツアイス社製のこのレーザーは
少し室温が上がると調子が悪くなることがあるようにも思われます。
ツアイスのレーザーは世界的に販売されているので
温度にそう敏感というわけではないはずですが。
私が温度を気にするのは
ドイツ製の自動車が昔は
高温多湿にすごく弱かったという印象が強いからです。
昔、とても質素だった私の所属医局で
先輩が乗っていて憧れた
唯一のドイツ製スポーツカーは
夏はほとんど
ドック入りだったり
そろりそろりと運転しなくてはいけなかったのがきっと印象深すぎたのだと思います。
という訳で
寒い時期にレーザーの部屋を寒くしているのは
けして暖房を入れ忘れているわけではないのであります。
レーザーもさっきのテストでは調子OK。連休明けにはメンテナンスされる予定です。
今日も無事に外来が終わりますように。
今日は休日当番医。
ゆっくりした外来ですが
昨日から網膜レーザー光凝固装置のご機嫌が少し悪くて
今日、レーザーが必要な場合
少し気がかりであります。
当院にはレーザー装置が
4台ありますが
それぞれレーザーの種類役割が違います。
網膜を治療するのはアルゴン・レーザー。
外来据え置き型と
硝子体手術用のポータブルタイプです。
この据え置き型が少しパワーダウンしやすくなっています。
ドイツ・ツアイス社製のこのレーザーは
少し室温が上がると調子が悪くなることがあるようにも思われます。
ツアイスのレーザーは世界的に販売されているので
温度にそう敏感というわけではないはずですが。
私が温度を気にするのは
ドイツ製の自動車が昔は
高温多湿にすごく弱かったという印象が強いからです。
昔、とても質素だった私の所属医局で
先輩が乗っていて憧れた
唯一のドイツ製スポーツカーは
夏はほとんど
ドック入りだったり
そろりそろりと運転しなくてはいけなかったのがきっと印象深すぎたのだと思います。
という訳で
寒い時期にレーザーの部屋を寒くしているのは
けして暖房を入れ忘れているわけではないのであります。
レーザーもさっきのテストでは調子OK。連休明けにはメンテナンスされる予定です。
今日も無事に外来が終わりますように。
(12月30日掲載)
近くの細島港には外国船が入港することが多い。
時々船員さんがエージェントに付き添われて眼科を受診してくる。
英語がある程度できる船員さんが多いのだが
先週の患者さんは中国語だけというので少し困った。
25歳男性(少し内容を変更しています)
右眼の充血。違和感がある。
当地では冬というのに流行り眼が流行っているので
感染防止のため、別ブースに入ってもらい、手持ち顕微鏡で診察。
強い結膜炎のようだが
目やにが少なく
毛様充血(白めの深いところの充血)があるようだ
診察室で見直すと
右眼の前房内に炎症性細胞がたくさん出ている。
角膜後面沈着物なし
視力、眼圧は正常。
眼底はほとんど異常なし。
前部ぶどう膜炎、非肉芽腫性ぶどう膜炎というべきか。
その日の午後にはカナダに向けて出航しなくてはならないという。
急性前部ぶどう膜炎
糖尿病性虹彩炎
ベーチェット病
若年性関節リウマチ
炎症性腸疾患関連
など
考えてみるが
検査も出来ないし経過も見ることができない。
全身的には今まで異常を指摘されたことはないようだ。
元気そうな青年なので全身的には大きな心配は要らないかもしれない。
しかしぶどう膜炎はもし炎症を抑えきれないと予後が気がかりである。
所定の英文診断書を書いて
ステロイドと散瞳剤の点眼薬を処方。
カナダまで2週間かかるらしいのでやはり心配だ。
注意してください
というつもりで
わずかに知っていた中国語
要小心(気をつけて。注意してください。 日本語の小心者の小心とは意味が違います)
とホワイトボードに書くと
にっこり頷いて帰っていった。
彼は新年を洋上で迎えることになる。
良い眼でバンクーバーに到着することを祈っている。
近くの細島港には外国船が入港することが多い。
時々船員さんがエージェントに付き添われて眼科を受診してくる。
英語がある程度できる船員さんが多いのだが
先週の患者さんは中国語だけというので少し困った。
25歳男性(少し内容を変更しています)
右眼の充血。違和感がある。
当地では冬というのに流行り眼が流行っているので
感染防止のため、別ブースに入ってもらい、手持ち顕微鏡で診察。
強い結膜炎のようだが
目やにが少なく
毛様充血(白めの深いところの充血)があるようだ
診察室で見直すと
右眼の前房内に炎症性細胞がたくさん出ている。
角膜後面沈着物なし
視力、眼圧は正常。
眼底はほとんど異常なし。
前部ぶどう膜炎、非肉芽腫性ぶどう膜炎というべきか。
その日の午後にはカナダに向けて出航しなくてはならないという。
急性前部ぶどう膜炎
糖尿病性虹彩炎
ベーチェット病
若年性関節リウマチ
炎症性腸疾患関連
など
考えてみるが
検査も出来ないし経過も見ることができない。
全身的には今まで異常を指摘されたことはないようだ。
元気そうな青年なので全身的には大きな心配は要らないかもしれない。
しかしぶどう膜炎はもし炎症を抑えきれないと予後が気がかりである。
所定の英文診断書を書いて
ステロイドと散瞳剤の点眼薬を処方。
カナダまで2週間かかるらしいのでやはり心配だ。
注意してください
というつもりで
わずかに知っていた中国語
要小心(気をつけて。注意してください。 日本語の小心者の小心とは意味が違います)
とホワイトボードに書くと
にっこり頷いて帰っていった。
彼は新年を洋上で迎えることになる。
良い眼でバンクーバーに到着することを祈っている。
(12月29日掲載)
ニューヨークタイムズの医学ブログが取り上げたためか
医学的なMyth(俗説、間違った通念)について
国内でも報道された。
http://lifehack.rightclicksright.net/data/frame_61359.aspx
インディアナ大学医学部のヴリーマン医師とキャロル医師による研究では
たとえば「一日にコップ8杯以上水を飲むと良い。」という俗説について
水分は通常の食事などで十分補給されているのであり、
あまり水を飲みすぎるとかえって害になることも多い
などと7項目についてその正当性を否定している。
http://well.blogs.nytimes.com/2007/12/26/medical-myths-even-doctors-believe/?hp
このような話を検証した論文が権威あるブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(英国医学会雑誌BMJ)に掲載されるということ自体にちょっと驚かされた。
それは通常、俗説を検証するというようなことに医学研究者は本気で取り組まないこと
およびこの話題には否定するのにも証明が難しい、微妙な「俗説」も含まれていることからだ。
さて日本のジャーナリズムは外国の報道を伝えた後
そのフォローアップ報道をしないことが多い。
この論文に対しては
BMJ紙上(というか公開されたメール質疑で)で論争になり
著者に対して「くだらない」、「恥を知れ」という研究者たちからの意見も来ていた。
http://www.bmj.com/cgi/content/full/335/7633/1288
ヴリーマン医師らはPubMed 以外にもGoogleで資料を検索したと書いていることが批判される原因のひとつになったようだ。
ご存知のようにGoogleの情報は玉石混交であります。
眼科医としては「暗いところで読書をすると眼を傷める(ruin)ということはない」
という彼らの主張もなかなか微妙であると思う。
この件にも早速反論がきていて、暗いところでの読書はやはり有害である
と主張する研究者もいるようだ。
多分、この報道に接して子供の暗いところでの読書を放置し始めたり、しつけに戸惑っている親御さんもいるのではないだろうか。
ちなみに米国眼科アカデミー(AAO)でも
暗いところで読書をしても眼に害はなく
近視にもならない
としている。
私のAAO監修の英語版患者教育スライドにもそのようなイラスト付のものがある。
もちろん暗いところで読書することが一時的な眼精疲労につながることは研究者も認めている。
(だいたい白人は暗いところで見るということに強い気がする・・・mmmmこれもmythか。
米国の高級なレストランでものすごく暗いところがありますよね。
彼らは明るさ、まぶしさに弱いのは事実であり、その反対に暗がりで見る力は強いのではないかと思う。白人の友人は一般化しすぎと笑うけれども。
光学的にも明るいところでも暗いところでもどちらでも機能がとても良いというカメラはない。
どちらかに性能を振らないと中途半端なカメラしか出来上がらないのである。
たとえば、最近顕微鏡にハイビジョンカメラを装着して試し、その精細な画像に驚いたが、照度が不足すると性能が発揮しにくい。)
議論のポイントは、疲れは休めば取れるのでそれは近視が進む原因にはならないといって良いかどうかである。
たしかに暗いところで読書をすることが
たとえば緑内障や黄斑変性にみられるような
神経が実際に傷ついてくるような障害にはつながらない。
しかし、近視の進行につながるかどうかははっきり否定できないと感じる。
失礼だが、米国の眼科医師たちは日本を含むアジアの医師ほど近視を真面目に考えていない気もしないではない。
北欧やシンガポールの医師たちは真剣に近視予防の研究を続けている。
夜も明るくできる現代の方がかえって近視が多いので明るさは関係ないという人がいるが
夜の照明が暗かった時代にはだいたい本を読むことも少なかったのではないだろうか。
よほど知的な人が読書していたに過ぎないだろう。
たとえが古すぎるかもしれませんが、二宮金次郎だったか
暗くなって本を読むと灯り代がもったいないと怒られていたではありませんか。
最近、子供の近視を放置したままだと
近視の存在がピントを合わせようという調節刺激になって
さらに近視を強めてしまうのではないか
眼鏡をかけているほうが調節刺激を軽減して近視が進む程度が軽くなるのではないか
という点について米国で比較対照研究がなされていると聞いている。
このような点から類推しても
暗いところでの読書が長くなれば調節刺激が過度になりやすく、近視を助長する可能性は否定しにくい。
少なくともまったく害がないとはいえないと感じる。
また人種差もあるかもしれない。
近視というありふれた問題も突き詰めるとなかなか簡単に白黒をつけにくい。
ヴリーマン医師らの研究における他の項目もいくつかそのような「ビミョーな」問題を含むかもしれない。
通説を俗説であると断定的に排斥するのは意外に難しいのであります。
ニューヨークタイムズの医学ブログが取り上げたためか
医学的なMyth(俗説、間違った通念)について
国内でも報道された。
http://lifehack.rightclicksright.net/data/frame_61359.aspx
インディアナ大学医学部のヴリーマン医師とキャロル医師による研究では
たとえば「一日にコップ8杯以上水を飲むと良い。」という俗説について
水分は通常の食事などで十分補給されているのであり、
あまり水を飲みすぎるとかえって害になることも多い
などと7項目についてその正当性を否定している。
http://well.blogs.nytimes.com/2007/12/26/medical-myths-even-doctors-believe/?hp
このような話を検証した論文が権威あるブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(英国医学会雑誌BMJ)に掲載されるということ自体にちょっと驚かされた。
それは通常、俗説を検証するというようなことに医学研究者は本気で取り組まないこと
およびこの話題には否定するのにも証明が難しい、微妙な「俗説」も含まれていることからだ。
さて日本のジャーナリズムは外国の報道を伝えた後
そのフォローアップ報道をしないことが多い。
この論文に対しては
BMJ紙上(というか公開されたメール質疑で)で論争になり
著者に対して「くだらない」、「恥を知れ」という研究者たちからの意見も来ていた。
http://www.bmj.com/cgi/content/full/335/7633/1288
ヴリーマン医師らはPubMed 以外にもGoogleで資料を検索したと書いていることが批判される原因のひとつになったようだ。
ご存知のようにGoogleの情報は玉石混交であります。
眼科医としては「暗いところで読書をすると眼を傷める(ruin)ということはない」
という彼らの主張もなかなか微妙であると思う。
この件にも早速反論がきていて、暗いところでの読書はやはり有害である
と主張する研究者もいるようだ。
多分、この報道に接して子供の暗いところでの読書を放置し始めたり、しつけに戸惑っている親御さんもいるのではないだろうか。
ちなみに米国眼科アカデミー(AAO)でも
暗いところで読書をしても眼に害はなく
近視にもならない
としている。
私のAAO監修の英語版患者教育スライドにもそのようなイラスト付のものがある。
もちろん暗いところで読書することが一時的な眼精疲労につながることは研究者も認めている。
(だいたい白人は暗いところで見るということに強い気がする・・・mmmmこれもmythか。
米国の高級なレストランでものすごく暗いところがありますよね。
彼らは明るさ、まぶしさに弱いのは事実であり、その反対に暗がりで見る力は強いのではないかと思う。白人の友人は一般化しすぎと笑うけれども。
光学的にも明るいところでも暗いところでもどちらでも機能がとても良いというカメラはない。
どちらかに性能を振らないと中途半端なカメラしか出来上がらないのである。
たとえば、最近顕微鏡にハイビジョンカメラを装着して試し、その精細な画像に驚いたが、照度が不足すると性能が発揮しにくい。)
議論のポイントは、疲れは休めば取れるのでそれは近視が進む原因にはならないといって良いかどうかである。
たしかに暗いところで読書をすることが
たとえば緑内障や黄斑変性にみられるような
神経が実際に傷ついてくるような障害にはつながらない。
しかし、近視の進行につながるかどうかははっきり否定できないと感じる。
失礼だが、米国の眼科医師たちは日本を含むアジアの医師ほど近視を真面目に考えていない気もしないではない。
北欧やシンガポールの医師たちは真剣に近視予防の研究を続けている。
夜も明るくできる現代の方がかえって近視が多いので明るさは関係ないという人がいるが
夜の照明が暗かった時代にはだいたい本を読むことも少なかったのではないだろうか。
よほど知的な人が読書していたに過ぎないだろう。
たとえが古すぎるかもしれませんが、二宮金次郎だったか
暗くなって本を読むと灯り代がもったいないと怒られていたではありませんか。
最近、子供の近視を放置したままだと
近視の存在がピントを合わせようという調節刺激になって
さらに近視を強めてしまうのではないか
眼鏡をかけているほうが調節刺激を軽減して近視が進む程度が軽くなるのではないか
という点について米国で比較対照研究がなされていると聞いている。
このような点から類推しても
暗いところでの読書が長くなれば調節刺激が過度になりやすく、近視を助長する可能性は否定しにくい。
少なくともまったく害がないとはいえないと感じる。
また人種差もあるかもしれない。
近視というありふれた問題も突き詰めるとなかなか簡単に白黒をつけにくい。
ヴリーマン医師らの研究における他の項目もいくつかそのような「ビミョーな」問題を含むかもしれない。
通説を俗説であると断定的に排斥するのは意外に難しいのであります。
(12月16日掲載)
眼がしょぼしょぼする
瞼が下がってくる
眼を開けにくい
まぶしい
などの症状を示し
まばたきの回数が多くなる
という症状は眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の可能性があります。
すっきりしないドライアイ症候群や
不定愁訴と片付けられていることもあります。
詳しくは清澤先生のブログをお読みください。
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50085228.html
さてある日ある時
眼瞼けいれんの大家、若倉雅登先生のお話を聞く機会がありました。
http://www.inouye-eye.or.jp/
気軽なお茶会だったので
雑談も医学的な話も混じっていましたが
眼瞼けいれんの初期診断の話になりました。
若倉先生によれば
診断の分かりやすいポイントは
まばたきを
ポンポコポンというリズムで
軽く素早くまばたきを出来るか
どうかがかなり大事な診断ポイントだということです。
「学術的な論文には書きにくいけどね。」と笑っておられました。
実際に眼瞼痙攣の患者さんにポンポコポンとまばたきしてもらうと
やはり瞼全体で眼をつぶってしまってポンポコポンという速さ、リズムについてゆけない
ようです
この話の最後に
関西のある先生が「うーん。
大阪ならチッチキチーやな。」
というので大笑い。
(チッチキチーは大木こだま・ひびきのギャグ)
冗談とはいえ当意即妙な突っ込みに、なぜか先生の恐るべき力量を改めて感じた私。
眼瞼けいれんの診断には
しかし
ポンポコポンという歯切れの良い?
リズムの方がよいかもしれません
チッチキチーではちょっとブルージー過ぎるというか
後打ちのジャジーなリズムになって(笑い)
瞼の開け閉めのスパッとした切り替えができない、という
この病気の特質が分かりにくいかな、とも思います。
さて、あなたはポンポコポン出来ますか?
cf 若い方はポンポコポンがスイスイ出来るでしょうが、60代後半くらいから怪しい人が散見されると思います。
もちろんポンポコポンだけでは正確な診断ができませんので眼科専門医にご相談ください。
ポンポコポンといえば
しょうじょう寺のタヌキばやし、という童謡をご存知ですよね。
「証城寺(しょうじょうじ)の狸(たぬき)ばやし」
(実在するのは木更津市にある證誠寺)
野口雨情作詞
♪ しょ しょ しょうじょうじ
しょうじょうじの 庭は
つ つ 月夜だ
みんなでて こいこいこい
おいらの 友だちゃ
ポンポコポンの ポン !
眼がしょぼしょぼする
瞼が下がってくる
眼を開けにくい
まぶしい
などの症状を示し
まばたきの回数が多くなる
という症状は眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の可能性があります。
すっきりしないドライアイ症候群や
不定愁訴と片付けられていることもあります。
詳しくは清澤先生のブログをお読みください。
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50085228.html
さてある日ある時
眼瞼けいれんの大家、若倉雅登先生のお話を聞く機会がありました。
http://www.inouye-eye.or.jp/
気軽なお茶会だったので
雑談も医学的な話も混じっていましたが
眼瞼けいれんの初期診断の話になりました。
若倉先生によれば
診断の分かりやすいポイントは
まばたきを
ポンポコポンというリズムで
軽く素早くまばたきを出来るか
どうかがかなり大事な診断ポイントだということです。
「学術的な論文には書きにくいけどね。」と笑っておられました。
実際に眼瞼痙攣の患者さんにポンポコポンとまばたきしてもらうと
やはり瞼全体で眼をつぶってしまってポンポコポンという速さ、リズムについてゆけない
ようです
この話の最後に
関西のある先生が「うーん。
大阪ならチッチキチーやな。」
というので大笑い。
(チッチキチーは大木こだま・ひびきのギャグ)
冗談とはいえ当意即妙な突っ込みに、なぜか先生の恐るべき力量を改めて感じた私。
眼瞼けいれんの診断には
しかし
ポンポコポンという歯切れの良い?
リズムの方がよいかもしれません
チッチキチーではちょっとブルージー過ぎるというか
後打ちのジャジーなリズムになって(笑い)
瞼の開け閉めのスパッとした切り替えができない、という
この病気の特質が分かりにくいかな、とも思います。
さて、あなたはポンポコポン出来ますか?
cf 若い方はポンポコポンがスイスイ出来るでしょうが、60代後半くらいから怪しい人が散見されると思います。
もちろんポンポコポンだけでは正確な診断ができませんので眼科専門医にご相談ください。
ポンポコポンといえば
しょうじょう寺のタヌキばやし、という童謡をご存知ですよね。
「証城寺(しょうじょうじ)の狸(たぬき)ばやし」
(実在するのは木更津市にある證誠寺)
野口雨情作詞
♪ しょ しょ しょうじょうじ
しょうじょうじの 庭は
つ つ 月夜だ
みんなでて こいこいこい
おいらの 友だちゃ
ポンポコポンの ポン !
(11月11日掲載)
最近、ハチに刺された急患が続きました。
二人とも中年の男性。
林業従事者です。
http://www3.zero.ad.jp/inaka/page113.html
ともに林の中でスズメバチに刺され
アナフィラキシー・ショックになり、生命も危うかったのです。
刺された後、もうろうとしたところで、同僚に助けられ
短時間で病院にたどり着き
事なきを得ました。
二人ともかなり運が良いと思います。
そばに人がいたこともラッキーでしたし、ショックがさらに激しければ救命できたかどうか分かりません。
今後はアナフィラキシー・ショック用の救命用の注射セット「エピペン」(万有製薬)を携帯するように指示されたとのこと。
http://www.aikawanaika.or.jp/news/news-bee.html
http://www.epipen.jp/
一例は角膜を刺されて眼科的にも重症でした。
ハチ毒は角膜に強い炎症を起こします。
患者さんは矯正視力0.1に低下して強い痛み、充血、眼瞼の腫脹を呈しました。
角膜は混濁し、前房内にも炎症が認められました。
当院から2時間ほど遠方の患者さんであったので
即日入院
抗菌剤・ステロイド・人工涙液の頻回点眼を行いました。
ハチの針は見当たりませんでした。
数日かけて徐々に視力が向上し始め、ともにほっとしているところです。
ハチは黒いものや動くものを攻撃する性向があり、眼を狙うことが良く知られています。
種類にもよりますが、とにかく、くれぐれもハチにご用心。
最近、ハチに刺された急患が続きました。
二人とも中年の男性。
林業従事者です。
http://www3.zero.ad.jp/inaka/page113.html
ともに林の中でスズメバチに刺され
アナフィラキシー・ショックになり、生命も危うかったのです。
刺された後、もうろうとしたところで、同僚に助けられ
短時間で病院にたどり着き
事なきを得ました。
二人ともかなり運が良いと思います。
そばに人がいたこともラッキーでしたし、ショックがさらに激しければ救命できたかどうか分かりません。
今後はアナフィラキシー・ショック用の救命用の注射セット「エピペン」(万有製薬)を携帯するように指示されたとのこと。
http://www.aikawanaika.or.jp/news/news-bee.html
http://www.epipen.jp/
一例は角膜を刺されて眼科的にも重症でした。
ハチ毒は角膜に強い炎症を起こします。
患者さんは矯正視力0.1に低下して強い痛み、充血、眼瞼の腫脹を呈しました。
角膜は混濁し、前房内にも炎症が認められました。
当院から2時間ほど遠方の患者さんであったので
即日入院
抗菌剤・ステロイド・人工涙液の頻回点眼を行いました。
ハチの針は見当たりませんでした。
数日かけて徐々に視力が向上し始め、ともにほっとしているところです。
ハチは黒いものや動くものを攻撃する性向があり、眼を狙うことが良く知られています。
種類にもよりますが、とにかく、くれぐれもハチにご用心。
(10月28日掲載)
10月27日土曜日。
今日は午後6時半から宮崎緑内障セミナー。
世話人として、招待講演の先生方と会場で事前打ち合わせをして、会の進行係を務める予定。
午前中、大学の先生もがんばってくれて、午後も予定通り終了・・
かな、と思った午後3時。
急患が飛び込んできた。
(プライバシー保護のため、内容を変更しています)
1.まず、左眼部周囲痛の20歳代男性。
視力、眼圧、眼内も異常なし。
眼の動き、瞳孔もOK。
しかし痛くてすっきりしないと訴えられる。
眼部周囲の発赤はないが、眼窩内炎症性病変か?
もちろん、頭蓋内疾患も否定はできない。
強く脳外科を希望されるので、総合病院脳外科を探して依頼。
快く受け入れてもらう。
感謝。
紹介状作成。
すぐに総合病院へ向かってもらった。
2.そこへ、作業中に転倒して、機械の突起で眼を突いた女性が来院。
出血が強くて詳細が良く分からない。
麻酔剤点眼をしてとりあえず軽めに(眼が破けているかもしれないので)圧迫止血。
3.さらに電話。
県立病院からこどもが眼球を打撲して眼瞼を切っており、外科で処置したが、眼科的診察が出来ないため(眼科が医師派遣を打ち切られて閉鎖)、急患として診てほしいと連絡。
(電車の時間が迫る・・・もう、そんなことは言っていられない)急患を受け入れます、と返事。
来院に30分かかるらしい。
予定していた午後4時22分の特急には乗れない。
次の特急は5時51分。
宮崎駅までさらに50分かかるのでセミナー開始に間に合わない。
セミナー運営係に電話して、セミナー開始に遅れること、進行係をK先生に依頼して、講師の先生方にも遅れる事情を伝えてもらうことにする。
秋台風にも負けず東京からの講師も無事出発されている。
圧迫止血していた女性。
眼球は穿孔性外傷ではないようだ。
ところが
外眼筋の腱?が切れて瞼の外まではみ出しているのが見える。
結膜も損傷が激しく詳細が良く分からない。
本当に穿孔していないのだろうか?
大学病院眼科へ連絡して受け入れていただく。
ありがたい。
急ぎ、紹介状を書く。車で宮崎へ向かってもらう。
外傷のこどもが来院。
怪我をさせた方の親御さんが大変心配されて一緒に来院。
視力、瞳孔反応、眼位、眼球運動、眼内異常なし!
皆さんに説明して安心してもらう。
脳外科から電話。
痛みの患者さんは高度の副鼻腔炎であったとのこと。
気が付くと4時50分。
5時2分の普通電車ならセミナー自体にはギリギリ間に合う。
待機していたタクシーで駅まで走って電車に飛び乗った。
10月27日土曜日。
今日は午後6時半から宮崎緑内障セミナー。
世話人として、招待講演の先生方と会場で事前打ち合わせをして、会の進行係を務める予定。
午前中、大学の先生もがんばってくれて、午後も予定通り終了・・
かな、と思った午後3時。
急患が飛び込んできた。
(プライバシー保護のため、内容を変更しています)
1.まず、左眼部周囲痛の20歳代男性。
視力、眼圧、眼内も異常なし。
眼の動き、瞳孔もOK。
しかし痛くてすっきりしないと訴えられる。
眼部周囲の発赤はないが、眼窩内炎症性病変か?
もちろん、頭蓋内疾患も否定はできない。
強く脳外科を希望されるので、総合病院脳外科を探して依頼。
快く受け入れてもらう。
感謝。
紹介状作成。
すぐに総合病院へ向かってもらった。
2.そこへ、作業中に転倒して、機械の突起で眼を突いた女性が来院。
出血が強くて詳細が良く分からない。
麻酔剤点眼をしてとりあえず軽めに(眼が破けているかもしれないので)圧迫止血。
3.さらに電話。
県立病院からこどもが眼球を打撲して眼瞼を切っており、外科で処置したが、眼科的診察が出来ないため(眼科が医師派遣を打ち切られて閉鎖)、急患として診てほしいと連絡。
(電車の時間が迫る・・・もう、そんなことは言っていられない)急患を受け入れます、と返事。
来院に30分かかるらしい。
予定していた午後4時22分の特急には乗れない。
次の特急は5時51分。
宮崎駅までさらに50分かかるのでセミナー開始に間に合わない。
セミナー運営係に電話して、セミナー開始に遅れること、進行係をK先生に依頼して、講師の先生方にも遅れる事情を伝えてもらうことにする。
秋台風にも負けず東京からの講師も無事出発されている。
圧迫止血していた女性。
眼球は穿孔性外傷ではないようだ。
ところが
外眼筋の腱?が切れて瞼の外まではみ出しているのが見える。
結膜も損傷が激しく詳細が良く分からない。
本当に穿孔していないのだろうか?
大学病院眼科へ連絡して受け入れていただく。
ありがたい。
急ぎ、紹介状を書く。車で宮崎へ向かってもらう。
外傷のこどもが来院。
怪我をさせた方の親御さんが大変心配されて一緒に来院。
視力、瞳孔反応、眼位、眼球運動、眼内異常なし!
皆さんに説明して安心してもらう。
脳外科から電話。
痛みの患者さんは高度の副鼻腔炎であったとのこと。
気が付くと4時50分。
5時2分の普通電車ならセミナー自体にはギリギリ間に合う。
待機していたタクシーで駅まで走って電車に飛び乗った。
(10月8日掲載)
先日、日向市東臼杵郡(ひがしうすきぐん)看護研究会において
当院看護師Mさんが研究発表をしました。
木曜日午後7時からにもかかわらず450人が参加。
当院からも職員の半数が参加。

演題は「うつむき安静患者の看護」
黄斑円孔(網膜の中心に穴が開いて視力低下する疾患)では
眼内の硝子体を切除することにより
破れ目を作っている硝子体の引っ張り力を手術的に取り去り
眼内に治療用ガスを入れて
その圧力で円孔を塞ぎ
網膜に自然閉鎖する環境を作り
円孔を閉鎖、網膜剥離を治癒させます。
手術後、ガスの浮力を利用して黄斑を圧迫するために
24時間真下を向いて、黄斑が真上に来るような体位を取ります。
これをガスが吸収されてしまう間、1週間程度おこないます。
患者さんは大変です。
昔は不治の病気に近かった黄斑円孔が治るのですから
これは大変な進歩なのですが
とにかく患者さんには辛い不自然な体位です。
これをどう看護し、患者さんの苦痛や悩みをやわらげるか研究しました。
うつむいても顔が圧迫されない、特殊な枕(エステ・サロンでうつむきの時に使うようなドーナツ型やコの字型の枕)
エコノミー症候群(深部静脈血栓症)を防ぐために、手足を動かす運動
筋肉痛やこりに対するマッサージの工夫
家族の理解援助を促すために、どのようにすれば、より効果的に病気や治療法を理解してもらえるか
などについて発表しました。

職員一丸となってまとめた発表は無事終了。
質疑応答には当院から出席したスタッフ全員が緊張しましたが、これもMさんはきちんと答えて終了。
研究のためのアンケートに答えていただいた患者の皆様にも感謝。

Bで恒例の打ち上げ。
プライバシーのため、ストロボなしの写真のみアップしておきます。
眼を凝らしていただけると分かりますが、当院の誇る美女軍団が元気ハツラツ祝杯をあげたのでありました。
先日、日向市東臼杵郡(ひがしうすきぐん)看護研究会において
当院看護師Mさんが研究発表をしました。
木曜日午後7時からにもかかわらず450人が参加。
当院からも職員の半数が参加。

演題は「うつむき安静患者の看護」
黄斑円孔(網膜の中心に穴が開いて視力低下する疾患)では
眼内の硝子体を切除することにより
破れ目を作っている硝子体の引っ張り力を手術的に取り去り
眼内に治療用ガスを入れて
その圧力で円孔を塞ぎ
網膜に自然閉鎖する環境を作り
円孔を閉鎖、網膜剥離を治癒させます。
手術後、ガスの浮力を利用して黄斑を圧迫するために
24時間真下を向いて、黄斑が真上に来るような体位を取ります。
これをガスが吸収されてしまう間、1週間程度おこないます。
患者さんは大変です。
昔は不治の病気に近かった黄斑円孔が治るのですから
これは大変な進歩なのですが
とにかく患者さんには辛い不自然な体位です。
これをどう看護し、患者さんの苦痛や悩みをやわらげるか研究しました。
うつむいても顔が圧迫されない、特殊な枕(エステ・サロンでうつむきの時に使うようなドーナツ型やコの字型の枕)
エコノミー症候群(深部静脈血栓症)を防ぐために、手足を動かす運動
筋肉痛やこりに対するマッサージの工夫
家族の理解援助を促すために、どのようにすれば、より効果的に病気や治療法を理解してもらえるか
などについて発表しました。

職員一丸となってまとめた発表は無事終了。
質疑応答には当院から出席したスタッフ全員が緊張しましたが、これもMさんはきちんと答えて終了。
研究のためのアンケートに答えていただいた患者の皆様にも感謝。

Bで恒例の打ち上げ。
プライバシーのため、ストロボなしの写真のみアップしておきます。
眼を凝らしていただけると分かりますが、当院の誇る美女軍団が元気ハツラツ祝杯をあげたのでありました。
(6月23日掲載)
このセミナーは硝子体手術の基本から上級までの実践的講習会。
講演の合間のパネルディスカッションでは名古屋市立大学眼科小椋教授がきちんと最新のトピックに関連する設問を示し、講師陣も真面目に答えるため、本音が聴けて興味深い。
著作権問題やオフレコ発言もあるのでここには書きにくいけれど、
1.
こじれた増殖糖尿病網膜症では、最近注目されている抗VEGF抗体(アバスチン)を硝子体内に注入した後、増殖傾向が落ち着いた状態で手術することもある。
VEGFとは血管内皮増殖因子のこと。
網膜に血液がまわらなくなると(虚血)、血管を作ろうと網膜の一部からVEGFが分泌され、新生血管を作る。新生血管は脆いため、かえって出血の原因となってしまう。
またVEGFは神経網膜のむくみを強める。
(アバスチンは大腸がんの治療薬として認可されている薬剤。
眼科的用法は認可されていないため、眼科医が所属する部門の倫理委員会の許可を得て、個人輸入し、患者から十分なインフォームド・コンセントを得たうえで使用され始めている。)
ある講師は増殖網膜症で手術中に裂孔を作ることがない自分が(増殖網膜症では膜が網膜にへばりついており、それを剥がして除去するためには、相当な経験・熟練が必要。ベテランでも脆くなった網膜が一緒に破れてしまうことがある)最近アバスチン注入後の増殖網膜症2例において医原性網膜裂孔を作ってしまった。
アバスチンによって、網膜が弱くなっている可能性?硝子体の収縮?も検討しなければならない、と話された。(もちろん裂孔は術中に適切に処理されている。難治例ではやむを得ない事態なのである。)
これら、アバスチン注入後の硝子体・網膜の変化に関して
TGFβという新生血管抑制因子とVEGFとのバランスの変化も関与しているかもしれないと推論する先生もいた。
2.
糖尿病網膜症における黄斑浮腫(網膜の最も重要な部分がむくんでいる状態。視力低下に直結する。)ではアバスチンがある程度効果的なものとほとんど効かないものとに、はっきり分かれる傾向がある。
アバスチンを投与すると前房内のVEGF濃度は大きく低下するので、効果がない症例では他の要素が浮腫を悪化させているのではないか。
3.
進行した未熟児網膜症にもアバスチンの試験的投与が倫理委員会の審査を経て行われ、一定の効果を上げているようだ。
4.
欧米では加齢黄斑変性症の治療法としての光線力学療法(PDT)にやや否定的な評価が出始め、一気にアバスチン治療へ移行しつつあるらしい。
しかし加齢黄斑変性症の類似疾患で、ほぼ同じように治療されているポリープ状脈絡膜血管症PCV(白人より日本人に多いと考えられる)ではアバスチンよりもPDTの方が効果的であると感じている講師が多いようであった。
(これらは未確認の口頭での情報です。詳しくは眼科学会・眼科の医学論文でご確認ください。また患者さんはまず主治医の説明を良く聞いてください。)
セミナーが終わり、伊丹空港に駆けつけるとものすごい混雑。

乗り遅れかけている人もいる。
列の中から地上係員の呼び出しに手を上げる人が多かった。
伝説のギタリストCharさんもやはり辛抱強く待っているのでありました(茶のジャケット)。

このセミナーは硝子体手術の基本から上級までの実践的講習会。
講演の合間のパネルディスカッションでは名古屋市立大学眼科小椋教授がきちんと最新のトピックに関連する設問を示し、講師陣も真面目に答えるため、本音が聴けて興味深い。
著作権問題やオフレコ発言もあるのでここには書きにくいけれど、
1.
こじれた増殖糖尿病網膜症では、最近注目されている抗VEGF抗体(アバスチン)を硝子体内に注入した後、増殖傾向が落ち着いた状態で手術することもある。
VEGFとは血管内皮増殖因子のこと。
網膜に血液がまわらなくなると(虚血)、血管を作ろうと網膜の一部からVEGFが分泌され、新生血管を作る。新生血管は脆いため、かえって出血の原因となってしまう。
またVEGFは神経網膜のむくみを強める。
(アバスチンは大腸がんの治療薬として認可されている薬剤。
眼科的用法は認可されていないため、眼科医が所属する部門の倫理委員会の許可を得て、個人輸入し、患者から十分なインフォームド・コンセントを得たうえで使用され始めている。)
ある講師は増殖網膜症で手術中に裂孔を作ることがない自分が(増殖網膜症では膜が網膜にへばりついており、それを剥がして除去するためには、相当な経験・熟練が必要。ベテランでも脆くなった網膜が一緒に破れてしまうことがある)最近アバスチン注入後の増殖網膜症2例において医原性網膜裂孔を作ってしまった。
アバスチンによって、網膜が弱くなっている可能性?硝子体の収縮?も検討しなければならない、と話された。(もちろん裂孔は術中に適切に処理されている。難治例ではやむを得ない事態なのである。)
これら、アバスチン注入後の硝子体・網膜の変化に関して
TGFβという新生血管抑制因子とVEGFとのバランスの変化も関与しているかもしれないと推論する先生もいた。
2.
糖尿病網膜症における黄斑浮腫(網膜の最も重要な部分がむくんでいる状態。視力低下に直結する。)ではアバスチンがある程度効果的なものとほとんど効かないものとに、はっきり分かれる傾向がある。
アバスチンを投与すると前房内のVEGF濃度は大きく低下するので、効果がない症例では他の要素が浮腫を悪化させているのではないか。
3.
進行した未熟児網膜症にもアバスチンの試験的投与が倫理委員会の審査を経て行われ、一定の効果を上げているようだ。
4.
欧米では加齢黄斑変性症の治療法としての光線力学療法(PDT)にやや否定的な評価が出始め、一気にアバスチン治療へ移行しつつあるらしい。
しかし加齢黄斑変性症の類似疾患で、ほぼ同じように治療されているポリープ状脈絡膜血管症PCV(白人より日本人に多いと考えられる)ではアバスチンよりもPDTの方が効果的であると感じている講師が多いようであった。
(これらは未確認の口頭での情報です。詳しくは眼科学会・眼科の医学論文でご確認ください。また患者さんはまず主治医の説明を良く聞いてください。)
セミナーが終わり、伊丹空港に駆けつけるとものすごい混雑。

乗り遅れかけている人もいる。
列の中から地上係員の呼び出しに手を上げる人が多かった。
伝説のギタリストCharさんもやはり辛抱強く待っているのでありました(茶のジャケット)。

(6月19日掲載)
6月17日土曜日午後外来を終えて京都へ。
明日の硝子体手術ビデオセミナーに出席予定。
日曜日に開催されるセミナーはとてもありがたい。
平日、土曜日に開催される学会やセミナーが多いので、地方の開業医は参加しにくいのだ。
学会の場所が九州から遠くても、今のところ苦にならない。
電車や飛行機の中で仕事したり読書したりすることも気分転換になる。
(今回は江副浩正氏の「リクルートのDNA」を読んで大変面白かった。)
とにかく日曜日に患者さんに迷惑をかけずに勉強会に出られることがありがたい。
18日、日曜日午前7時半。
京都ホテルオークラの朝食会場はとても混んでいた。
セミナーが9時開始なのでグレープフルーツジュース・コーヒー・トーストで済ませるつもり。
ところがオークラらしく実質的で美味しそうなものが並んでいるではないか。
オムレツを作ってくれた年配のコックさんはフライパンをあやつりながら、女性に観光案内までしてあげる余裕あり。
スタッフは皆きびきびとした仕事ぶり。
「人材のオークラ」というホテル業界の言葉を思い出す。
セミナー会場のホテル京阪へ。
硝子体手術セミナーはいつもどおり満員で熱気に溢れていた。

講演の写真撮影は禁止なのでこれは昼食時に撮った写真(自分の席から撮影。後姿とはいえ写っている先生方ご了承くださいませ。)
硝子体手術の分野にも女性医師が少しずつ進出してきている。
このセミナーの講師のおひとり名古屋大学眼科の寺崎浩子教授の存在も大きいのかもしれない。
午前9時から午後4時まで
みっちりと講演が続く。
硝子体手術の基本から黄斑上膜、黄斑円孔、黄斑浮腫、網膜剥離、糖尿病網膜症、手術合併症とそのマネージメント。
硝子体手術の分野はいま、もっともホットな分野なので、前回のセミナーから1年経つと治療方法が大きく変わってきていることもある。
また予後も厳しい場合がある手術なのできちんと勉強して手術の完成度を総合的に上げてゆくことが必要だ。
さあようやくお昼ごはん。

われら眼科医は血まみれの?眼が手術されるビデオを興味深く眺めつつ、美味しく昼食をいただくのでありました。
6月17日土曜日午後外来を終えて京都へ。
明日の硝子体手術ビデオセミナーに出席予定。
日曜日に開催されるセミナーはとてもありがたい。
平日、土曜日に開催される学会やセミナーが多いので、地方の開業医は参加しにくいのだ。
学会の場所が九州から遠くても、今のところ苦にならない。
電車や飛行機の中で仕事したり読書したりすることも気分転換になる。
(今回は江副浩正氏の「リクルートのDNA」を読んで大変面白かった。)
とにかく日曜日に患者さんに迷惑をかけずに勉強会に出られることがありがたい。
18日、日曜日午前7時半。
京都ホテルオークラの朝食会場はとても混んでいた。
セミナーが9時開始なのでグレープフルーツジュース・コーヒー・トーストで済ませるつもり。
ところがオークラらしく実質的で美味しそうなものが並んでいるではないか。
オムレツを作ってくれた年配のコックさんはフライパンをあやつりながら、女性に観光案内までしてあげる余裕あり。
スタッフは皆きびきびとした仕事ぶり。
「人材のオークラ」というホテル業界の言葉を思い出す。
セミナー会場のホテル京阪へ。
硝子体手術セミナーはいつもどおり満員で熱気に溢れていた。

講演の写真撮影は禁止なのでこれは昼食時に撮った写真(自分の席から撮影。後姿とはいえ写っている先生方ご了承くださいませ。)
硝子体手術の分野にも女性医師が少しずつ進出してきている。
このセミナーの講師のおひとり名古屋大学眼科の寺崎浩子教授の存在も大きいのかもしれない。
午前9時から午後4時まで
みっちりと講演が続く。
硝子体手術の基本から黄斑上膜、黄斑円孔、黄斑浮腫、網膜剥離、糖尿病網膜症、手術合併症とそのマネージメント。
硝子体手術の分野はいま、もっともホットな分野なので、前回のセミナーから1年経つと治療方法が大きく変わってきていることもある。
また予後も厳しい場合がある手術なのできちんと勉強して手術の完成度を総合的に上げてゆくことが必要だ。
さあようやくお昼ごはん。

われら眼科医は血まみれの?眼が手術されるビデオを興味深く眺めつつ、美味しく昼食をいただくのでありました。
(6月15日掲載)
ASCRSのChallenge Cup Sessionは白内障2チーム、屈折矯正手術2チームが手術合併症について競うという趣向。
真面目な討論もあったのだと思うけれど
途中から覗いたところ、下のような舞台が繰り広げられていた。

眼科レジデントが起こした手術合併症について教育的指導をしようとする指導医に対して
それはボクがしたんじゃない!
というラップを歌い踊るコントをドクターが演じているところ。
洋の東西を問わず、手術を教育するということは本当に大変だ。
時にはちょっと不謹慎ながら、ジョークでストレスを発散したくなるだろう。
指導医も元気良くないと大変だし
また血気盛んだと指導も厳しくなりがちかもしれない。
そっと懺悔すると、わたしも昔々ある病院では、研修の先生に
「先生の指先には思想がない」(何をしたいのか意図がはっきりしない、逡巡しながらの手技が見られたときだったかしらん)
などとひどいことを言っていたらしい・・。
もちろん、良い手術を身に付けてもらいたいという熱い思いが暴走しての暴言ではありますが、本当に申し訳ないことであります。
手術を習う研修医は、手術手技が恐い。
そのためおずおず手を出すので、力が入り、動作が滑らかに行かない。
白内障なら濁った水晶体を超音波ハンドピースでもっと削らなくてはいけないのに、恐ろしくて進めない。
そこで指導医がもっと掘れといいながら、手を添えて手術を指導してゆく。
恐がる慎重さと言うのは、しかし、ある意味好ましい。
一番困るのは20−30人に1人くらいの割合でいる、待て!と言う間もなく突き進んでゆく人であります。
以前、ある先生から、独立後に白内障手術をしていると、わたしの「もっと掘れ」という声が耳元に響いた、と言われた。
感謝しているのか嫌がっているのか分からなかったが(笑い)、わたくし的にはちょっと嬉しかった。
(今は手技が変遷し、掘らないで割るテクニックも多い。)
最近は直接手術指導する機会はないけれど、指導医自身に本物の自信があれば(どんなことがあってもリカバリーできるというような)、懐深い指導ができるのだろうなと思う。
失礼なことを言っていた時代は自信過剰だったのか内心不安だったのか、いずれにしても真の自信はなかったのだ。
(今も正直ないのではありますが・・。医学の道はまことに日暮れて道遠し、という感じです)
開業医として、さまざまな職員を育ててきた今では、とにかく褒めて伸ばすということも良く分かる。
けなされて、叱られて、そこから這い上がるという人は必ずしも多くない。
家内の好きな松本潤の「バンビーノ」みたいには行かないことも多い。
褒めると慢心して向上しないと危惧する人は意外に多いが(特に真面目な指導者ほどそうだ)、しかし褒めて育てることがやはり一番良いとわたしは思う。
医学生時代、自分が自信をなくしていた時、褒めて激励してくださったある教授のことは今でも感謝している。
もちろん本物の褒める指導は簡単ではなく、
叱る指導の10倍、相手を見ていないと出来ない。
臨床医学領域においてはスーパーローテートの新研修システムが導入され、大変な時代に入っているが、また一面、情熱ある教官には面白い時代なのかもしれない。
研修希望者は病院の看板ではなく、指導医の名前に集まる流れがあると聞く。
わたしも時おり医学部や視機能療法学科で、末席ながら、講義を担当する機会をいただいていることに感謝している。
教えるということは大変だが本当に自分の勉強にもなる。
講義前には遅くまで準備して、肉体的には疲れることもあるが、精神的にとてもリフレッシュする。
教えるということは本当に奥深く、難しく、またやりがいも大きいと思う今日この頃であります。
ASCRSのChallenge Cup Sessionは白内障2チーム、屈折矯正手術2チームが手術合併症について競うという趣向。
真面目な討論もあったのだと思うけれど
途中から覗いたところ、下のような舞台が繰り広げられていた。

眼科レジデントが起こした手術合併症について教育的指導をしようとする指導医に対して
それはボクがしたんじゃない!
というラップを歌い踊るコントをドクターが演じているところ。
洋の東西を問わず、手術を教育するということは本当に大変だ。
時にはちょっと不謹慎ながら、ジョークでストレスを発散したくなるだろう。
指導医も元気良くないと大変だし
また血気盛んだと指導も厳しくなりがちかもしれない。
そっと懺悔すると、わたしも昔々ある病院では、研修の先生に
「先生の指先には思想がない」(何をしたいのか意図がはっきりしない、逡巡しながらの手技が見られたときだったかしらん)
などとひどいことを言っていたらしい・・。
もちろん、良い手術を身に付けてもらいたいという熱い思いが暴走しての暴言ではありますが、本当に申し訳ないことであります。
手術を習う研修医は、手術手技が恐い。
そのためおずおず手を出すので、力が入り、動作が滑らかに行かない。
白内障なら濁った水晶体を超音波ハンドピースでもっと削らなくてはいけないのに、恐ろしくて進めない。
そこで指導医がもっと掘れといいながら、手を添えて手術を指導してゆく。
恐がる慎重さと言うのは、しかし、ある意味好ましい。
一番困るのは20−30人に1人くらいの割合でいる、待て!と言う間もなく突き進んでゆく人であります。
以前、ある先生から、独立後に白内障手術をしていると、わたしの「もっと掘れ」という声が耳元に響いた、と言われた。
感謝しているのか嫌がっているのか分からなかったが(笑い)、わたくし的にはちょっと嬉しかった。
(今は手技が変遷し、掘らないで割るテクニックも多い。)
最近は直接手術指導する機会はないけれど、指導医自身に本物の自信があれば(どんなことがあってもリカバリーできるというような)、懐深い指導ができるのだろうなと思う。
失礼なことを言っていた時代は自信過剰だったのか内心不安だったのか、いずれにしても真の自信はなかったのだ。
(今も正直ないのではありますが・・。医学の道はまことに日暮れて道遠し、という感じです)
開業医として、さまざまな職員を育ててきた今では、とにかく褒めて伸ばすということも良く分かる。
けなされて、叱られて、そこから這い上がるという人は必ずしも多くない。
家内の好きな松本潤の「バンビーノ」みたいには行かないことも多い。
褒めると慢心して向上しないと危惧する人は意外に多いが(特に真面目な指導者ほどそうだ)、しかし褒めて育てることがやはり一番良いとわたしは思う。
医学生時代、自分が自信をなくしていた時、褒めて激励してくださったある教授のことは今でも感謝している。
もちろん本物の褒める指導は簡単ではなく、
叱る指導の10倍、相手を見ていないと出来ない。
臨床医学領域においてはスーパーローテートの新研修システムが導入され、大変な時代に入っているが、また一面、情熱ある教官には面白い時代なのかもしれない。
研修希望者は病院の看板ではなく、指導医の名前に集まる流れがあると聞く。
わたしも時おり医学部や視機能療法学科で、末席ながら、講義を担当する機会をいただいていることに感謝している。
教えるということは大変だが本当に自分の勉強にもなる。
講義前には遅くまで準備して、肉体的には疲れることもあるが、精神的にとてもリフレッシュする。
教えるということは本当に奥深く、難しく、またやりがいも大きいと思う今日この頃であります。
(5月20日掲載)
4月29日に戻ります。
時差ぼけに悩まされつつ、早起き。
タウンアンドカントリー・ホテルを出て、グランドハイアットに再度荷物を運ぶ。
受付で今日の宿泊の優先権を確約してもらい
午前8時に学会場に駆けつけた。

シェファー・ツェン博士の羊膜移植教育コースはすでに超満員。
ツェン教授は角膜・結膜疾患の外科的治療、とくに羊膜移植( Amniotic Membrane Transplantation )の世界的権威。
彼らの研究のお陰で、こんなにこじれて、もう手の施しようがない、という眼表面疾患が最近は治るようになってきた。
羊膜はご存知のように子宮と胎盤を覆う膜。
胎児は羊膜・羊水と接しているため、傷が治る過程で瘢痕を残さない。
羊膜には
角膜・結膜のキズを治す
キズ跡を残さない
炎症を抑える
という作用がある。
スライドは手術後に再発して治りにくい翼状片(角膜上に充血した膜が延びてくる病気)に対して、羊膜を移植する治療。

羊膜は出産によって体外に排出され廃棄される。
帝王切開の場合に、妊婦からインフォームドコンセントを得て、この羊膜を採取させてもらい、冷凍保存して治療に使う。
ただこの羊膜採取という方法には産科病院との連携、患者さんのご理解、保存器械の設置、倫理委員会の設置と運用など手間がかかるのも事実。
そのためツェン教授は羊膜を製品化している。
AMNIOGRAFTはシールから剥がして使う。
ツェン先生は羊膜を縫合するより、フィブリン糊をつけて、羊膜を押し伸ばして貼り付ける方法を推奨している。
また角膜潰瘍や上皮の再生遅延にはPROKERA(ソフトコンタクトレンズのようなリングの中央に羊膜が張ってある)が生物学的バンデージとして簡便に、無縫合で用いられる。
製品化を担当している会社の展示ブースに行くとたまたまツェン先生が来て、世話をやいてくださった(写真はPROKERA)。

手術のDVDも戴き、ラッキー。
ツェン先生は結膜弛緩症(白目の上の結膜がたるみ、違和感や乾燥感または涙っぽさの原因となる。たるんだ結膜を切除する)の治療にも羊膜移植を奨励されていた。
日本では京都府立医大の横井先生が結膜形成術を改良していて評価も高い。
わたしも「横井法」で患者さんに喜んでいただいている。
講演終了後、ツェン先生に余剰結膜切除と形成のみで十分ではありませんかと質問した。
アメリカの患者さんは違和感だけでなく、結膜充血自体をとても気にするので、結膜切除だけでは充血が残る場合があり、羊膜移植が適切ですとのお答えであった。
つまり角膜輪部から後方10mmくらいまでが羊膜で切れ目なく、一体にきれいな仕上がりになっていることが望ましいということか。うーむ。
わたしが質問する前に10人以上が列をなし、講演後も熱心に質疑応答を続けていた。
講師もにこやかに熱心に答え続ける。
世界は熱い、のでありました。

4月29日に戻ります。
時差ぼけに悩まされつつ、早起き。
タウンアンドカントリー・ホテルを出て、グランドハイアットに再度荷物を運ぶ。
受付で今日の宿泊の優先権を確約してもらい
午前8時に学会場に駆けつけた。

シェファー・ツェン博士の羊膜移植教育コースはすでに超満員。
ツェン教授は角膜・結膜疾患の外科的治療、とくに羊膜移植( Amniotic Membrane Transplantation )の世界的権威。
彼らの研究のお陰で、こんなにこじれて、もう手の施しようがない、という眼表面疾患が最近は治るようになってきた。
羊膜はご存知のように子宮と胎盤を覆う膜。
胎児は羊膜・羊水と接しているため、傷が治る過程で瘢痕を残さない。
羊膜には
角膜・結膜のキズを治す
キズ跡を残さない
炎症を抑える
という作用がある。
スライドは手術後に再発して治りにくい翼状片(角膜上に充血した膜が延びてくる病気)に対して、羊膜を移植する治療。

羊膜は出産によって体外に排出され廃棄される。
帝王切開の場合に、妊婦からインフォームドコンセントを得て、この羊膜を採取させてもらい、冷凍保存して治療に使う。
ただこの羊膜採取という方法には産科病院との連携、患者さんのご理解、保存器械の設置、倫理委員会の設置と運用など手間がかかるのも事実。
そのためツェン教授は羊膜を製品化している。
AMNIOGRAFTはシールから剥がして使う。
ツェン先生は羊膜を縫合するより、フィブリン糊をつけて、羊膜を押し伸ばして貼り付ける方法を推奨している。
また角膜潰瘍や上皮の再生遅延にはPROKERA(ソフトコンタクトレンズのようなリングの中央に羊膜が張ってある)が生物学的バンデージとして簡便に、無縫合で用いられる。
製品化を担当している会社の展示ブースに行くとたまたまツェン先生が来て、世話をやいてくださった(写真はPROKERA)。

手術のDVDも戴き、ラッキー。
ツェン先生は結膜弛緩症(白目の上の結膜がたるみ、違和感や乾燥感または涙っぽさの原因となる。たるんだ結膜を切除する)の治療にも羊膜移植を奨励されていた。
日本では京都府立医大の横井先生が結膜形成術を改良していて評価も高い。
わたしも「横井法」で患者さんに喜んでいただいている。
講演終了後、ツェン先生に余剰結膜切除と形成のみで十分ではありませんかと質問した。
アメリカの患者さんは違和感だけでなく、結膜充血自体をとても気にするので、結膜切除だけでは充血が残る場合があり、羊膜移植が適切ですとのお答えであった。
つまり角膜輪部から後方10mmくらいまでが羊膜で切れ目なく、一体にきれいな仕上がりになっていることが望ましいということか。うーむ。
わたしが質問する前に10人以上が列をなし、講演後も熱心に質疑応答を続けていた。
講師もにこやかに熱心に答え続ける。
世界は熱い、のでありました。

(5月15日掲載)
5月12日連休後はじめての土曜日。
午後の外来が延長。
3分の差で電車に乗り遅れる。
結局今日は懇親会だけに「出席」。

「良い学会になりましたね。」
懇親会場の外で待っている先生の多くが学会に対して好意的な評価をされていた。
今回は九州各大学の准教授の教育講演が各セッションを引き締め、また地方学会とは思えないほど豪華な招待講師のプログラムが組まれた。
山本教授・大橋教授・吉村教授・澤口教授・岸教授らの教育講演を同じ会場で聞ける地方学会はないだろう(大きな眼科学会では複数の会場で平行して研究発表や講演が行われる)。
懇親会も宮崎大学らしい、温かい心尽くしの会となった。


会場で久しぶりに会う先輩の先生方がお元気なのに、なんというか、感心した。
恩師I先生に自分たちの勉強会の話をしたところ、急に眼を輝かせられて、開業後、熱心に勉強会を続けたというお話を伺った。
先生はハーバード大学医学大学院関連のマサチューセッツ眼耳鼻科病院でクリニカルフェローを終え、日本に新しい網膜剥離手術を導入された。
医学生時代、I先生の眼科講義を受けたことがある。
昔は内科や外科など型どおりの講義をする先生も少なくなかった中で、まったく教科書に書かれていない、新しい手術治療の講義がとても印象的であった。
今も先生が黒板に書かれた図をはっきり覚えている。
それが眼科志望の要因になったと思う。
先生は開業後、眼科病院を大きく発展させて、いまも第一線で御活躍されている。
大学からアルバイトに行って垣間見る、I先生の回診は当時、大学病院なみというかそれ以上の密度であった。
すべての患者さんに双眼倒像鏡を用い、眼球を圧迫しながら眼底を観察。三面鏡コンタクトレンズで細かくチェック。
膨大な症例は臨床研究に貴重な資料となった。
I先生のもとでフェローとして教育を受けた後、各地で網膜硝子体疾患治療の指導的立場に立っている先生も多い。
さて夜8時を過ぎて宴たけなわ。
各セッションの最優秀発表には、いまや幻の完熟マンゴーが贈られた。
このマンゴーは鉢植えなので露地物よりさらに糖度が高いと聞いて受賞者またはその代理?の偉い先生方は嬉しそう。
医局員有志によるひょっとこ踊りが始まるところで、惜しくも小生は電車の時間。
急いで佐土原駅へ向かったのであります。
5月12日連休後はじめての土曜日。
午後の外来が延長。
3分の差で電車に乗り遅れる。
結局今日は懇親会だけに「出席」。

「良い学会になりましたね。」
懇親会場の外で待っている先生の多くが学会に対して好意的な評価をされていた。
今回は九州各大学の准教授の教育講演が各セッションを引き締め、また地方学会とは思えないほど豪華な招待講師のプログラムが組まれた。
山本教授・大橋教授・吉村教授・澤口教授・岸教授らの教育講演を同じ会場で聞ける地方学会はないだろう(大きな眼科学会では複数の会場で平行して研究発表や講演が行われる)。
懇親会も宮崎大学らしい、温かい心尽くしの会となった。


会場で久しぶりに会う先輩の先生方がお元気なのに、なんというか、感心した。
恩師I先生に自分たちの勉強会の話をしたところ、急に眼を輝かせられて、開業後、熱心に勉強会を続けたというお話を伺った。
先生はハーバード大学医学大学院関連のマサチューセッツ眼耳鼻科病院でクリニカルフェローを終え、日本に新しい網膜剥離手術を導入された。
医学生時代、I先生の眼科講義を受けたことがある。
昔は内科や外科など型どおりの講義をする先生も少なくなかった中で、まったく教科書に書かれていない、新しい手術治療の講義がとても印象的であった。
今も先生が黒板に書かれた図をはっきり覚えている。
それが眼科志望の要因になったと思う。
先生は開業後、眼科病院を大きく発展させて、いまも第一線で御活躍されている。
大学からアルバイトに行って垣間見る、I先生の回診は当時、大学病院なみというかそれ以上の密度であった。
すべての患者さんに双眼倒像鏡を用い、眼球を圧迫しながら眼底を観察。三面鏡コンタクトレンズで細かくチェック。
膨大な症例は臨床研究に貴重な資料となった。
I先生のもとでフェローとして教育を受けた後、各地で網膜硝子体疾患治療の指導的立場に立っている先生も多い。
さて夜8時を過ぎて宴たけなわ。
各セッションの最優秀発表には、いまや幻の完熟マンゴーが贈られた。
このマンゴーは鉢植えなので露地物よりさらに糖度が高いと聞いて受賞者またはその代理?の偉い先生方は嬉しそう。
医局員有志によるひょっとこ踊りが始まるところで、惜しくも小生は電車の時間。
急いで佐土原駅へ向かったのであります。
(4月18日掲載)
さて14日土曜日の宮崎県眼科医会講演会後の懇親会。
来月、九州眼科学会(5月11日〜13日)がこの会場(宮崎・シーガイア)で開かれるため、大学と眼科医会の肝いりで九眼懇親会メニューの試食会。
みなで○×をつけて、食のおもてなしを徹底する趣向。
宮崎の郷土料理は素朴だが美味しい。
ここでは特に純朴な、日南の「魚うどん(ぎょうどん)」を。

(日南魚うどん。これに香り高いだし汁をかけます。)
魚のすり身を混ぜたうどん麺と魚のすり身の天ぷら<飫肥(おび)天>。
色が渋くて素朴だが、まあ召し上がれ。
宮崎のスローフードは滋味深く温かいのであります。
もちろん
サザエのつぼ焼きも新鮮な魚介類も待っています。

(焼酎にぴったりのサザエのつぼ焼きです。)
会は敬愛するF先生のシャンソンで盛り上がった。
シャンソンと言えば
ここでは歌われなかったが、私はこの数年、「幸せを売る男」というシャンソンが懐かしい。
子どもの頃は、ホントに能天気なダサい歌だと思っていたけれど。
ブログ検索すると「幸せ売り」というキーワードに心を寄せている人は少なくないようでちょっと驚き。
♪心に歌を 投げかけ歩く おいらは町の幸せ売りよ
歩くごとに 軽くほほを なでて通る 恋の風が
春も夏も 秋冬も 歩く時は いつも
空は晴れて 海青く・・・
という
芦野宏さんがパリジャンのような格好をして歌った
気恥ずかしいような歌なのである。
それなのに
今になって、なぜか不思議に思い出される歌なのだ。
9.11テロ後の不安定な世界で「町の幸せ売り」であることは難しい。
「幸せを売る男」は上機嫌な「勇気」とでもいう生き方の優しい応援歌のようにさえ思える。
医師もまた難しい時代の中で幸せを売る仕事だ。
昔、自分がハッピーでないのにハッピーなCFは作れないと嘆いたCF映像作家がいた。
医者もまた自分が幸せでなければ、幸せ売りにはなれない。
そしてこれが、自分自身が幸せであるということが、またなかなか大変であります。
「幸せとはなにか」という問いにも真摯に向かい合わないと、自分が幸せかどうかという判断もできません。
近頃、本当に、寓話のように、幸せの青い鳥は身近にあるということが私も分かってきました。
患者さんたちの悩みのご相談を受けていると、その青い鳥を少しばかり見過ごしている方もいるように感じます。
こう書くと、何を偉そうに、と思う人もいるかもしれません。
けれど、別に私などが言うまでもなく
「幸福論」を著すような達人すべてが結局同じことを言っているのであります。
不思議なくらい、というより、恐ろしいほど、同じであります。
さてさて
本題に戻りましょう。
九州眼科学会のことでしたね。
今回の九眼は画期的な教育講演プログラムが目白押し。
ランチョン、イブニング・セミナーも身内ながらよくここまで講師を集められたなと思うほど。
全国学会並みです。詳しくは学会HPを。
幻の宮崎焼酎と都農ワイン?(ある先生によれば、最近賞をとった受賞作は幻のワインとなっているらしい)も宮崎県眼医会会員から寄付されてあなたを待っています。
ぜひ九州眼科学会へどうぞ。
さて14日土曜日の宮崎県眼科医会講演会後の懇親会。
来月、九州眼科学会(5月11日〜13日)がこの会場(宮崎・シーガイア)で開かれるため、大学と眼科医会の肝いりで九眼懇親会メニューの試食会。
みなで○×をつけて、食のおもてなしを徹底する趣向。
宮崎の郷土料理は素朴だが美味しい。
ここでは特に純朴な、日南の「魚うどん(ぎょうどん)」を。

(日南魚うどん。これに香り高いだし汁をかけます。)
魚のすり身を混ぜたうどん麺と魚のすり身の天ぷら<飫肥(おび)天>。
色が渋くて素朴だが、まあ召し上がれ。
宮崎のスローフードは滋味深く温かいのであります。
もちろん
サザエのつぼ焼きも新鮮な魚介類も待っています。

(焼酎にぴったりのサザエのつぼ焼きです。)
会は敬愛するF先生のシャンソンで盛り上がった。
シャンソンと言えば
ここでは歌われなかったが、私はこの数年、「幸せを売る男」というシャンソンが懐かしい。
子どもの頃は、ホントに能天気なダサい歌だと思っていたけれど。
ブログ検索すると「幸せ売り」というキーワードに心を寄せている人は少なくないようでちょっと驚き。
♪心に歌を 投げかけ歩く おいらは町の幸せ売りよ
歩くごとに 軽くほほを なでて通る 恋の風が
春も夏も 秋冬も 歩く時は いつも
空は晴れて 海青く・・・
という
芦野宏さんがパリジャンのような格好をして歌った
気恥ずかしいような歌なのである。
それなのに
今になって、なぜか不思議に思い出される歌なのだ。
9.11テロ後の不安定な世界で「町の幸せ売り」であることは難しい。
「幸せを売る男」は上機嫌な「勇気」とでもいう生き方の優しい応援歌のようにさえ思える。
医師もまた難しい時代の中で幸せを売る仕事だ。
昔、自分がハッピーでないのにハッピーなCFは作れないと嘆いたCF映像作家がいた。
医者もまた自分が幸せでなければ、幸せ売りにはなれない。
そしてこれが、自分自身が幸せであるということが、またなかなか大変であります。
「幸せとはなにか」という問いにも真摯に向かい合わないと、自分が幸せかどうかという判断もできません。
近頃、本当に、寓話のように、幸せの青い鳥は身近にあるということが私も分かってきました。
患者さんたちの悩みのご相談を受けていると、その青い鳥を少しばかり見過ごしている方もいるように感じます。
こう書くと、何を偉そうに、と思う人もいるかもしれません。
けれど、別に私などが言うまでもなく
「幸福論」を著すような達人すべてが結局同じことを言っているのであります。
不思議なくらい、というより、恐ろしいほど、同じであります。
さてさて
本題に戻りましょう。
九州眼科学会のことでしたね。
今回の九眼は画期的な教育講演プログラムが目白押し。
ランチョン、イブニング・セミナーも身内ながらよくここまで講師を集められたなと思うほど。
全国学会並みです。詳しくは学会HPを。
幻の宮崎焼酎と都農ワイン?(ある先生によれば、最近賞をとった受賞作は幻のワインとなっているらしい)も宮崎県眼医会会員から寄付されてあなたを待っています。
ぜひ九州眼科学会へどうぞ。
(4月17日掲載)
14日土曜日午後の外来を終わって
宮崎市のシーガイア「ワールドコンベンションセンター・サミット」へ。
宮崎県眼科医会総会および講習会。
大分大学眼科S准教授の講演「網膜血管閉塞疾患の治療戦略」
拝聴しながら
つらつら考えたのは以下のようなことである。
網膜静脈分枝閉塞症においては米国の、標準的な比較対照研究(BRVS)では、出血初期には経過を観察してレーザーを控え、その後の経過が悪ければレーザー治療を加えていくことが推奨されていた。
最近では後部硝子体剥離があると経過が良いという観察から硝子体切除が始まり
さらに
トリアムシノロンというステロイドを眼内に注入する方法
組織プラスミノーゲン・アクティベータを眼内に注入する方法
さらにさらに
講演では述べられなかったが、抗癌剤として用いられている抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)薬を眼内注入する治療も出てきている。
しかし、学会では熱狂的話題になるが、結果が集積すると、長期的にはさほど良い結果が出ていないことが分かって、熱が冷め、忘れ去られる治療も少なくない。
上記の新しい治療が学問的検証に耐える長期的な好成績を収めることを期待したい。
ところでレーザーの話に戻ると
日本では従来、静脈分枝閉塞症に対し、早めの網膜レーザーを推奨する意見が余り検証されずに受け入れられてきたように思う。
小生は15,6年前からおかしいと思っていた。
もちろんそのような警鐘(早期のレーザーはリスクあり)はすでになされていて、専門家には常識だと思うが、なぜか一般臨床では軽視されて来たように感じるのは私だけだろうか。
初期にレーザーをされた例は確かに出血が早く引いている。
しかし、それはそっとしておけば生き残ったはずの神経網膜がレーザーを浴びて傷んでしまうため、出血の土俵がなくなってしまうだけのこと。
早期レーザー後、かえって浮腫が強くなって中心視力が低下したり、その周囲の視野欠損が深くなることもある。
通常、網膜は透明なのでレーザーの熱エネルギーを吸収しにくいが、血液がからんでいると赤血球が網膜内でレーザーを吸収してしまうのだ。
早めのレーザーは控え
(これは網膜静脈分枝閉塞症急性期の話で、網膜中心静脈閉塞症や糖尿病網膜症などは別)
開業医の立場では、安全で定評が定まった治療やその情報を慎重に患者さんに提供し、選択してもらうことが必要だと思うのであります。
14日土曜日午後の外来を終わって
宮崎市のシーガイア「ワールドコンベンションセンター・サミット」へ。
宮崎県眼科医会総会および講習会。
大分大学眼科S准教授の講演「網膜血管閉塞疾患の治療戦略」
拝聴しながら
つらつら考えたのは以下のようなことである。
網膜静脈分枝閉塞症においては米国の、標準的な比較対照研究(BRVS)では、出血初期には経過を観察してレーザーを控え、その後の経過が悪ければレーザー治療を加えていくことが推奨されていた。
最近では後部硝子体剥離があると経過が良いという観察から硝子体切除が始まり
さらに
トリアムシノロンというステロイドを眼内に注入する方法
組織プラスミノーゲン・アクティベータを眼内に注入する方法
さらにさらに
講演では述べられなかったが、抗癌剤として用いられている抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)薬を眼内注入する治療も出てきている。
しかし、学会では熱狂的話題になるが、結果が集積すると、長期的にはさほど良い結果が出ていないことが分かって、熱が冷め、忘れ去られる治療も少なくない。
上記の新しい治療が学問的検証に耐える長期的な好成績を収めることを期待したい。
ところでレーザーの話に戻ると
日本では従来、静脈分枝閉塞症に対し、早めの網膜レーザーを推奨する意見が余り検証されずに受け入れられてきたように思う。
小生は15,6年前からおかしいと思っていた。
もちろんそのような警鐘(早期のレーザーはリスクあり)はすでになされていて、専門家には常識だと思うが、なぜか一般臨床では軽視されて来たように感じるのは私だけだろうか。
初期にレーザーをされた例は確かに出血が早く引いている。
しかし、それはそっとしておけば生き残ったはずの神経網膜がレーザーを浴びて傷んでしまうため、出血の土俵がなくなってしまうだけのこと。
早期レーザー後、かえって浮腫が強くなって中心視力が低下したり、その周囲の視野欠損が深くなることもある。
通常、網膜は透明なのでレーザーの熱エネルギーを吸収しにくいが、血液がからんでいると赤血球が網膜内でレーザーを吸収してしまうのだ。
早めのレーザーは控え
(これは網膜静脈分枝閉塞症急性期の話で、網膜中心静脈閉塞症や糖尿病網膜症などは別)
開業医の立場では、安全で定評が定まった治療やその情報を慎重に患者さんに提供し、選択してもらうことが必要だと思うのであります。
(4月16日掲載)
日本眼科学会(大阪)が迫ってきた。
4月18日水曜日夜には大阪へ。
19日木曜日午前中は専門部会:RMB神経眼科勉強会のパネリスト。
ああイジメられそう。
午後からRMBの打ち合わせ会。
最終便で宮崎へ帰る。
金曜日はいつも通り終日外来診療。
土曜日は午後診療を終えてから、再び大阪の学会に戻る。
日曜日朝は共同研究者のO先生が視神経乳頭低形成の疫学研究を発表する予定。
抄録のプログラムを見ると、かなり良い時間帯で発表することになる。
正常眼圧緑内障と診断されている人の中に実は先天性の視神経乳頭異常が混じっているのではないか。
先天性であれば悪化する可能性がかなり低いので、不要な治療を受けている例はないだろうか?
という疑問を提出するための基本的研究だ。
日本眼科学会で研究発表が認められるかどうかが今後の試金石。
O先生の研究内容は従来の研究に対して、少しばかり盾突く?という面があるので(本来は、けして盾突くという気持ちではなく、素朴な疑問というスタンスなのですが)、厳しい反論もあるかもしれない。
ちょっとキンチョーするではないか。
日本眼科学会(大阪)が迫ってきた。
4月18日水曜日夜には大阪へ。
19日木曜日午前中は専門部会:RMB神経眼科勉強会のパネリスト。
ああイジメられそう。
午後からRMBの打ち合わせ会。
最終便で宮崎へ帰る。
金曜日はいつも通り終日外来診療。
土曜日は午後診療を終えてから、再び大阪の学会に戻る。
日曜日朝は共同研究者のO先生が視神経乳頭低形成の疫学研究を発表する予定。
抄録のプログラムを見ると、かなり良い時間帯で発表することになる。
正常眼圧緑内障と診断されている人の中に実は先天性の視神経乳頭異常が混じっているのではないか。
先天性であれば悪化する可能性がかなり低いので、不要な治療を受けている例はないだろうか?
という疑問を提出するための基本的研究だ。
日本眼科学会で研究発表が認められるかどうかが今後の試金石。
O先生の研究内容は従来の研究に対して、少しばかり盾突く?という面があるので(本来は、けして盾突くという気持ちではなく、素朴な疑問というスタンスなのですが)、厳しい反論もあるかもしれない。
ちょっとキンチョーするではないか。
(4月3日掲載)
3月31日土曜日午前零時過ぎ。
今日の歓送迎会のあいさつ文を書き始めたところへ電話が鳴った。
救急病院からの問い合わせ。
転倒した男性の内眼角が切れていて涙道(目元の涙を鼻の方に吸引して流してゆく管)が障害されているかもしれないとのこと。
涙道が切れているとかなり複雑な手術になる。
当院の夜間体制では対応しきれないかもしれない。
当院外来に現れた患者さんは鼻根部と目頭の間が縦に4cmほど、パックリと切れている。
しかし涙道は異常なし。
患者さんはビールと焼酎をかなり飲んでいるため、点滴をとり、慎重に麻酔して消毒。
(最初から消毒しようとすると、痛くてたまらない。)
傷は比較的きれいだ。
手術用顕微鏡下に7-0ナイロンで端々縫合(たんたんほうごう。ひと針縫って締めてゆくことを繰り返す)してゆく。
傷が一部ジグザグに切れているところをきれいに合わせるのはパズルのように頭を使わなくてはならない。
無事に縫合して患者を帰すと午前2時が近い。
この地域も救急体制が崩れつつあり、夜間救急の医師たちは大変である。
自分で夜間小手術をするだけでも救急病院の医師たちの苦労が少しは分かる気がする。
このまま朝まで手術や処置をして、そのまま外来診療という勤務では大変だ。
帰宅すると、留守番の善が眠そうにしながらも走り回って安心した様子。
家内が子どもの行事で東京に行っており、善と二人?暮らしなのである。
ようやくベッドに入ると善がベッドに入れてくれと延々とせがむ。
やむなくベッドに入れてやると善がすり寄ってくるのでお互いに暑くて(熱くて、というべきか)たまらない。
お互いにどちらかが布団の上に出ては寒くなってまた布団の中に潜りこむという繰り返しのまま朝が来た。
さあ外来をがんばって、歓送迎会を元気に盛り上げたい。
善はまだ寝ている・・ZZZZZZZ。
3月31日土曜日午前零時過ぎ。
今日の歓送迎会のあいさつ文を書き始めたところへ電話が鳴った。
救急病院からの問い合わせ。
転倒した男性の内眼角が切れていて涙道(目元の涙を鼻の方に吸引して流してゆく管)が障害されているかもしれないとのこと。
涙道が切れているとかなり複雑な手術になる。
当院の夜間体制では対応しきれないかもしれない。
当院外来に現れた患者さんは鼻根部と目頭の間が縦に4cmほど、パックリと切れている。
しかし涙道は異常なし。
患者さんはビールと焼酎をかなり飲んでいるため、点滴をとり、慎重に麻酔して消毒。
(最初から消毒しようとすると、痛くてたまらない。)
傷は比較的きれいだ。
手術用顕微鏡下に7-0ナイロンで端々縫合(たんたんほうごう。ひと針縫って締めてゆくことを繰り返す)してゆく。
傷が一部ジグザグに切れているところをきれいに合わせるのはパズルのように頭を使わなくてはならない。
無事に縫合して患者を帰すと午前2時が近い。
この地域も救急体制が崩れつつあり、夜間救急の医師たちは大変である。
自分で夜間小手術をするだけでも救急病院の医師たちの苦労が少しは分かる気がする。
このまま朝まで手術や処置をして、そのまま外来診療という勤務では大変だ。
帰宅すると、留守番の善が眠そうにしながらも走り回って安心した様子。
家内が子どもの行事で東京に行っており、善と二人?暮らしなのである。
ようやくベッドに入ると善がベッドに入れてくれと延々とせがむ。
やむなくベッドに入れてやると善がすり寄ってくるのでお互いに暑くて(熱くて、というべきか)たまらない。
お互いにどちらかが布団の上に出ては寒くなってまた布団の中に潜りこむという繰り返しのまま朝が来た。
さあ外来をがんばって、歓送迎会を元気に盛り上げたい。
善はまだ寝ている・・ZZZZZZZ。
10月29日 日曜日 (11月1日掲載)
朝、見晴らしの良いテラスで朝食。
ビュッフェ・スタイルだが、オムレツやベーコンはセットで注文出来て、テーブルまで持ってきてくれるのが親切だ。
さて、眼科セミナーへ。
タクシーでレインボー・ブリッジを通って、ホテル日航東京へ。
午前は眼感染症、コンタクトレンズ処方、緑内障などの講義。
最近、MRSA(抗生物質に耐性を獲得した細菌)感染に悩まされているのは眼科も同様である。
眼科では抗菌剤クロラムフェニコールの見直しがされている。
同剤は全身的投与では再生不良性貧血という副作用がありうるため、1975年から殆ど使われなくなっていた。
MRSA感染では有効な抗菌剤が殆どなく、高価な、最後の切り札であるバンコマイシンなどを投与することになり苦労する。
ところが、忘れられていたクロラムフェニコールがMRSAに有効であることが分かってきた。
点眼であれば、全身的な副作用は殆ど問題ないだろう。
古くて、安価で、忘れられていた点眼薬の復権である。
この例からも、抗菌剤の開発、臨床使用と細菌の耐性獲得とは本当にいたちごっこであると思う。
細菌の耐性獲得を防ぐためにも、みだりに抗菌剤を使用してはいけないのである。
であるが、日本は「安全要求」が極端に強い国である。
ただの風邪でも肺炎になってしまうと、肺炎になるのをなぜ薬で予防できなかったのかと内科医は患者さんに理不尽に攻められてしまうかもしれない。
風邪が悪化しないように安静養生し、それでもやむなく肺炎になった時に使用するのが抗菌剤なのだ。
予防的に使用するものではないはず。
この理屈がなかなか通らず、内科医は無理やり肺炎発症ゼロを要求されるのが現実かもしれない。
そうすると、担当医がよほどの「変人」でない限り、転ばぬ先の抗菌剤投与(時には患者さんが要求されるだろう)となり、世界に冠たる、抗菌剤使用量になってしまうのだ。
眼科も偉そうなことはいえませぬ。
白内障手術後に眼内感染を起こす率は世界的には2000回に1回程度と報告されている。
患者さんの免疫力が落ちていたり、術後に眼の清潔が保てていなかったりすると問題が起こる。
結膜にMRSA潜んでいると危険性が増す。
しかし、日本の眼科医は10000回に1回の感染も許されない雰囲気だ。
感染に関する訴訟でも、裁判で濃厚に予防治療するように判例が出てしまっている。
そのため、米国では必ずしも投与されていない、抗菌剤の全身投与や術前抗菌剤点眼(これについては米国でも対応にバラツキがあるようだ)を余儀なくされている。
私も日本眼科学会のガイドラインを参考に抗菌剤はきっちり術前術後に投与している。
私の成績からしても、予防的抗菌剤投与がおそらくある程度は効果的に感染を予防してくれているのではないかと予想される。
当院での感染発症率は米国平均よりはるかに良好である。
しかし、それでも抗菌剤投与効果の厳密な医学的証拠(エビデンス)は証明できないくらいわずかなものかもしれない。
この問題のために少なくない薬剤費が使われている。
もちろん患者さんにエビデンスははっきりしないけれど、抗菌剤を予防的にしっかり投与することを希望しますか?と尋ねると多くの方が投与を希望されるのではないか。
私は風邪のときは抗菌剤を飲まないが、自分が白内障手術を受けるときは十分抗菌剤の、特に点眼を受けたい。
悩ましい問題であります。
朝、見晴らしの良いテラスで朝食。
ビュッフェ・スタイルだが、オムレツやベーコンはセットで注文出来て、テーブルまで持ってきてくれるのが親切だ。
さて、眼科セミナーへ。
タクシーでレインボー・ブリッジを通って、ホテル日航東京へ。
午前は眼感染症、コンタクトレンズ処方、緑内障などの講義。
最近、MRSA(抗生物質に耐性を獲得した細菌)感染に悩まされているのは眼科も同様である。
眼科では抗菌剤クロラムフェニコールの見直しがされている。
同剤は全身的投与では再生不良性貧血という副作用がありうるため、1975年から殆ど使われなくなっていた。
MRSA感染では有効な抗菌剤が殆どなく、高価な、最後の切り札であるバンコマイシンなどを投与することになり苦労する。
ところが、忘れられていたクロラムフェニコールがMRSAに有効であることが分かってきた。
点眼であれば、全身的な副作用は殆ど問題ないだろう。
古くて、安価で、忘れられていた点眼薬の復権である。
この例からも、抗菌剤の開発、臨床使用と細菌の耐性獲得とは本当にいたちごっこであると思う。
細菌の耐性獲得を防ぐためにも、みだりに抗菌剤を使用してはいけないのである。
であるが、日本は「安全要求」が極端に強い国である。
ただの風邪でも肺炎になってしまうと、肺炎になるのをなぜ薬で予防できなかったのかと内科医は患者さんに理不尽に攻められてしまうかもしれない。
風邪が悪化しないように安静養生し、それでもやむなく肺炎になった時に使用するのが抗菌剤なのだ。
予防的に使用するものではないはず。
この理屈がなかなか通らず、内科医は無理やり肺炎発症ゼロを要求されるのが現実かもしれない。
そうすると、担当医がよほどの「変人」でない限り、転ばぬ先の抗菌剤投与(時には患者さんが要求されるだろう)となり、世界に冠たる、抗菌剤使用量になってしまうのだ。
眼科も偉そうなことはいえませぬ。
白内障手術後に眼内感染を起こす率は世界的には2000回に1回程度と報告されている。
患者さんの免疫力が落ちていたり、術後に眼の清潔が保てていなかったりすると問題が起こる。
結膜にMRSA潜んでいると危険性が増す。
しかし、日本の眼科医は10000回に1回の感染も許されない雰囲気だ。
感染に関する訴訟でも、裁判で濃厚に予防治療するように判例が出てしまっている。
そのため、米国では必ずしも投与されていない、抗菌剤の全身投与や術前抗菌剤点眼(これについては米国でも対応にバラツキがあるようだ)を余儀なくされている。
私も日本眼科学会のガイドラインを参考に抗菌剤はきっちり術前術後に投与している。
私の成績からしても、予防的抗菌剤投与がおそらくある程度は効果的に感染を予防してくれているのではないかと予想される。
当院での感染発症率は米国平均よりはるかに良好である。
しかし、それでも抗菌剤投与効果の厳密な医学的証拠(エビデンス)は証明できないくらいわずかなものかもしれない。
この問題のために少なくない薬剤費が使われている。
もちろん患者さんにエビデンスははっきりしないけれど、抗菌剤を予防的にしっかり投与することを希望しますか?と尋ねると多くの方が投与を希望されるのではないか。
私は風邪のときは抗菌剤を飲まないが、自分が白内障手術を受けるときは十分抗菌剤の、特に点眼を受けたい。
悩ましい問題であります。
10月8日 日曜日 (10月23日掲載)
早起きして、朝食会場で和食。
和食レストランではなく、ガランと広い宴会場らしきところで食事。
眺めは良いのだが、団体旅行ではないので(学会の団体扱いなのかしらん)、このような設定は少し興ざめかなと思う。
ちょっともったいない。ウェスティン都ホテル京都という看板にふさわしく、もう少ししっとり食事をさせる雰囲気作りは可能なような気がするけれど。
京都国際会議場では午前中、主に鼻涙管閉塞症に対する内視鏡治療の教育コースに参加。小さめの会議室は満席である。
解剖から手術技術まで。
涙道疾患(涙を目元から吸い込んで鼻に流す下水システムが障害されて、涙があふれたり、管が感染を起こして腫れたりする病気)の分野には、ちょっとオタク的?な熱心な医師が多く、興味深い。
内視鏡は高価で、使いこなしが難しいが、一部の疾患では観血的手術(実際に皮膚から切開してゆく手術)を避けることが出来る。
私は鼻涙管が詰まりやすい人の一部はもともと涙不足があり、涙が通らないために、余り水を流さないパイプが詰まりやすいように、分泌物が管に詰まったり炎症を起こしたりして通過障害が起こりやすくなっているのではないかと推測している。
この考えは今まで文献に記載されたことがないようだが、手術して涙道が通るようになると、あふれていた涙がかえって不足気味になって、ドライアイ症状を示す人が少なくない。
たとえば、建築関係者は余り使わないシャワー室やキッチンに時々水を流して長持ちさせてくださいとよく言う。
また「オシッコ」が遠い人がかえって膀胱炎や尿道炎をおこしやすいのと似ているかもしれない。水を通さないと管は傷むのだ。
当初、私は、涙があふれているために、廃用性に涙の分泌が抑制され、分泌機能が低下したままになるのかと思っていたが、まだ結論は出ていない。
ドライアイといえば、K先生らはドライアイにつながる問題として、眼瞼下垂をあげている。
まぶたが下がっていると、頑張って引き上げようと、まぶたを引き上げる筋肉が緊張して、交感神経優位となり、涙の分泌抑制、緊張型頭痛、肩こりなどにつながると言う。
以前にも少し触れたが、K先生はさらに様々な病気が眼瞼下垂手術後に治ったと例をあげている。
ここまで来ると、少しどうかな(K先生、すみません)とも思うが、ある種の眼瞼下垂は確かに交感神経過緊張につながっていて、ドライアイや疲れが改善した経験は私たちにもある。
涙と涙道と眼瞼は興味深い研究テーマであります。
早起きして、朝食会場で和食。
和食レストランではなく、ガランと広い宴会場らしきところで食事。
眺めは良いのだが、団体旅行ではないので(学会の団体扱いなのかしらん)、このような設定は少し興ざめかなと思う。
ちょっともったいない。ウェスティン都ホテル京都という看板にふさわしく、もう少ししっとり食事をさせる雰囲気作りは可能なような気がするけれど。
京都国際会議場では午前中、主に鼻涙管閉塞症に対する内視鏡治療の教育コースに参加。小さめの会議室は満席である。
解剖から手術技術まで。
涙道疾患(涙を目元から吸い込んで鼻に流す下水システムが障害されて、涙があふれたり、管が感染を起こして腫れたりする病気)の分野には、ちょっとオタク的?な熱心な医師が多く、興味深い。
内視鏡は高価で、使いこなしが難しいが、一部の疾患では観血的手術(実際に皮膚から切開してゆく手術)を避けることが出来る。
私は鼻涙管が詰まりやすい人の一部はもともと涙不足があり、涙が通らないために、余り水を流さないパイプが詰まりやすいように、分泌物が管に詰まったり炎症を起こしたりして通過障害が起こりやすくなっているのではないかと推測している。
この考えは今まで文献に記載されたことがないようだが、手術して涙道が通るようになると、あふれていた涙がかえって不足気味になって、ドライアイ症状を示す人が少なくない。
たとえば、建築関係者は余り使わないシャワー室やキッチンに時々水を流して長持ちさせてくださいとよく言う。
また「オシッコ」が遠い人がかえって膀胱炎や尿道炎をおこしやすいのと似ているかもしれない。水を通さないと管は傷むのだ。
当初、私は、涙があふれているために、廃用性に涙の分泌が抑制され、分泌機能が低下したままになるのかと思っていたが、まだ結論は出ていない。
ドライアイといえば、K先生らはドライアイにつながる問題として、眼瞼下垂をあげている。
まぶたが下がっていると、頑張って引き上げようと、まぶたを引き上げる筋肉が緊張して、交感神経優位となり、涙の分泌抑制、緊張型頭痛、肩こりなどにつながると言う。
以前にも少し触れたが、K先生はさらに様々な病気が眼瞼下垂手術後に治ったと例をあげている。
ここまで来ると、少しどうかな(K先生、すみません)とも思うが、ある種の眼瞼下垂は確かに交感神経過緊張につながっていて、ドライアイや疲れが改善した経験は私たちにもある。
涙と涙道と眼瞼は興味深い研究テーマであります。
(10月10日掲載)
10月8日日曜日昼。
A先生からメールが来た。
京都で開催されている日本臨床眼科学会での研究発表が無事終わって、好意的なコメントももらえた、と。
共同研究者としてとても嬉しい。
小生も遅ればせながら、夕方から学会と学会後の講習会のため、京都に向かう予定。
A先生の研究は大学生における先天的な視神経形成異常の頻度についての調査研究である。
この形成異常があっても視力は正常だが、通常100万本ある視神経線維が一部欠損しているため、自分では気付かない視野異常をともなう。
そのため中年になって初めて眼科医の検査を受けると、正常眼圧緑内障と誤診される可能性がある。
大学生で視野異常をともなう視神経形成異常は4%(134名中6名)発見された。
ところが、世界的に評価が高い緑内障疫学調査である「多治見スタディ(多治見市の40歳以上の住民にどのくらい緑内障があるのかを調査)」では40歳以上の検診者において0.3%しか「見つかっていない」。
この数字の違いはなぜだろうか。
1.われわれの研究が何かの原因で片寄ったデータになっているか(正直、まだ被検者が少ない)。
2.多治見スタディにおいて先天性視神経形成異常が正常眼圧緑内障に誤診されている(仮定の話です。この研究はプロ中のプロが診断しているのではあります)。
3.先天性視神経形成異常の人は正常眼圧緑内障に移行しやすい。
などが考えられる。
しかし、通常、先天性変化なら進行しないことが多いので、不要な心配、不要な医療費が費やされている可能性もあるかもしれない。
これを書いている10月9日月曜日は10月10日体育の日の代わりのハッピーマンデー。また10月10日は眼の愛護デーでもあります。
そのためかNHK9時のニュースで「緑内障患者の会」が検診を勧める運動をしている様子が放映された。
この会は参議院柿沢議員の奥様が会長。緑内障になりながら、発見が遅れた自分の辛さを他の人が味あわないように精力的に活動している。
このニュースでも言っていたが、多治見スタディにおける40歳以上の20人に1人が緑内障であるという疫学調査結果は従来考えられていたより緑内障患者が多いことを示し、衝撃的であった。
しかし、先天性視神経低形成が緑内障と診断されている一部に混じっている可能性はないのだろうか。
まだまだ検診の母集団を増やす必要があるが、興味深い問題である。
A先生達の研究成果がさらに発展することを願っている。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
10月9日秋の金閣。晴天。まぶしい。金閣というと三島由紀夫の「金閣寺」をどうしても思い出します。
学会の後、一日あったので京都秋の半日ツアーにも行ってみました。これについてはまた。
10月8日日曜日昼。
A先生からメールが来た。
京都で開催されている日本臨床眼科学会での研究発表が無事終わって、好意的なコメントももらえた、と。
共同研究者としてとても嬉しい。
小生も遅ればせながら、夕方から学会と学会後の講習会のため、京都に向かう予定。
A先生の研究は大学生における先天的な視神経形成異常の頻度についての調査研究である。
この形成異常があっても視力は正常だが、通常100万本ある視神経線維が一部欠損しているため、自分では気付かない視野異常をともなう。
そのため中年になって初めて眼科医の検査を受けると、正常眼圧緑内障と誤診される可能性がある。
大学生で視野異常をともなう視神経形成異常は4%(134名中6名)発見された。
ところが、世界的に評価が高い緑内障疫学調査である「多治見スタディ(多治見市の40歳以上の住民にどのくらい緑内障があるのかを調査)」では40歳以上の検診者において0.3%しか「見つかっていない」。
この数字の違いはなぜだろうか。
1.われわれの研究が何かの原因で片寄ったデータになっているか(正直、まだ被検者が少ない)。
2.多治見スタディにおいて先天性視神経形成異常が正常眼圧緑内障に誤診されている(仮定の話です。この研究はプロ中のプロが診断しているのではあります)。
3.先天性視神経形成異常の人は正常眼圧緑内障に移行しやすい。
などが考えられる。
しかし、通常、先天性変化なら進行しないことが多いので、不要な心配、不要な医療費が費やされている可能性もあるかもしれない。
これを書いている10月9日月曜日は10月10日体育の日の代わりのハッピーマンデー。また10月10日は眼の愛護デーでもあります。
そのためかNHK9時のニュースで「緑内障患者の会」が検診を勧める運動をしている様子が放映された。
この会は参議院柿沢議員の奥様が会長。緑内障になりながら、発見が遅れた自分の辛さを他の人が味あわないように精力的に活動している。
このニュースでも言っていたが、多治見スタディにおける40歳以上の20人に1人が緑内障であるという疫学調査結果は従来考えられていたより緑内障患者が多いことを示し、衝撃的であった。
しかし、先天性視神経低形成が緑内障と診断されている一部に混じっている可能性はないのだろうか。
まだまだ検診の母集団を増やす必要があるが、興味深い問題である。
A先生達の研究成果がさらに発展することを願っている。
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10月9日秋の金閣。晴天。まぶしい。金閣というと三島由紀夫の「金閣寺」をどうしても思い出します。学会の後、一日あったので京都秋の半日ツアーにも行ってみました。これについてはまた。
左目に問題があると訴えてきた患者さん。
右眼から顕微鏡検査を始めると、よく、「左目です!」と言われてしまう。
もちろん、左眼と間違えているわけではありません。
右眼から検査を始めることが、診察手順上、重要だからです。
右眼から検査を始める理由は?
1.両眼を比べることが重要。右眼が正常なら、それと比較することで初めて認識される異常もあります。
2.ふたつある臓器は右、左という順に検査しないと、データが混乱しがち。
3.左眼から検査を始めて、異常を見つけると、それに気を取られて、右に隠れている異常を見逃してしまうことがありえます。
4.患者さんは左といいつつ、実は右眼と左眼とを間違えていることもある(意外に多い)。
5.問診した看護師や視能訓練士が左右を間違えていることもある(患者さんに向かって右にあるのが左眼なので、慌てると間違えやすい。これはさらに診察医が左眼を指で指して左ですね、などと確認することもある)。
などでしょうか。
右眼から顕微鏡検査を始めると、よく、「左目です!」と言われてしまう。
もちろん、左眼と間違えているわけではありません。
右眼から検査を始めることが、診察手順上、重要だからです。
右眼から検査を始める理由は?
1.両眼を比べることが重要。右眼が正常なら、それと比較することで初めて認識される異常もあります。
2.ふたつある臓器は右、左という順に検査しないと、データが混乱しがち。
3.左眼から検査を始めて、異常を見つけると、それに気を取られて、右に隠れている異常を見逃してしまうことがありえます。
4.患者さんは左といいつつ、実は右眼と左眼とを間違えていることもある(意外に多い)。
5.問診した看護師や視能訓練士が左右を間違えていることもある(患者さんに向かって右にあるのが左眼なので、慌てると間違えやすい。これはさらに診察医が左眼を指で指して左ですね、などと確認することもある)。
などでしょうか。
地域の看護研修会がシリーズで開催される時期だ。
9月3日金曜日に8病院・診療所が研究発表を行なった。
当院は「術後点眼のコンプライアンス」という発表をS看護師が行なった。
眼科手術後にきちんと点眼することは、感染を防ぎ、炎症を抑えるために大変重要だ。
ところが、点眼の仕方が不正確であったり、点眼すること自体を忘れたり、軽く見ている場合もあるのだ。
点眼が十分出来そうにない方は、従来、家族に点眼を依頼してカバーすることもあった。しかし、いまや独居や家族が昼間は誰もいないという家庭環境が珍しくない。
患者自身が自立して点眼することを指導、支援することがさらに重要になっているのである。
実際、高齢のためや手が不自由であるため、点眼がちゃんと眼内(正確には結膜嚢内に)入らない方が少なくない。
9月3日金曜日に8病院・診療所が研究発表を行なった。
当院は「術後点眼のコンプライアンス」という発表をS看護師が行なった。
眼科手術後にきちんと点眼することは、感染を防ぎ、炎症を抑えるために大変重要だ。
ところが、点眼の仕方が不正確であったり、点眼すること自体を忘れたり、軽く見ている場合もあるのだ。
点眼が十分出来そうにない方は、従来、家族に点眼を依頼してカバーすることもあった。しかし、いまや独居や家族が昼間は誰もいないという家庭環境が珍しくない。
患者自身が自立して点眼することを指導、支援することがさらに重要になっているのである。
実際、高齢のためや手が不自由であるため、点眼がちゃんと眼内(正確には結膜嚢内に)入らない方が少なくない。
7月10日 日曜日
尾崎眼科茶話会の準備に時間がかかった。
気がついたら午前5時。2時間眠って本番へ望む。
今年はエイジング(加齢)による眼科疾患という観点から白内障・加齢黄斑変性を中心に話を組み立てることにした。
参考テキストは「あたらしい眼科 22巻4号 特集 眼科医のためのアンチエイジング医学」。
老化に関係する活性酸素は栄養素がミトコンドリアで燃焼する際に発生する。
活性酸素が体内の酵素により十分に無毒化されないとミトコンドリア自体を障害する。さらに核のDNA損傷を引き起こす。
この過程で老化を促進し、酸化ストレスがついには癌の発生につながる可能性もある。

(写真は茶話会の模様)
尾崎眼科茶話会の準備に時間がかかった。
気がついたら午前5時。2時間眠って本番へ望む。
今年はエイジング(加齢)による眼科疾患という観点から白内障・加齢黄斑変性を中心に話を組み立てることにした。
参考テキストは「あたらしい眼科 22巻4号 特集 眼科医のためのアンチエイジング医学」。
老化に関係する活性酸素は栄養素がミトコンドリアで燃焼する際に発生する。
活性酸素が体内の酵素により十分に無毒化されないとミトコンドリア自体を障害する。さらに核のDNA損傷を引き起こす。
この過程で老化を促進し、酸化ストレスがついには癌の発生につながる可能性もある。

(写真は茶話会の模様)
6月29日 水曜日
午後から白内障手術・緑内障手術。
トラベクロトミー(隅角線維柱帯切開術)と言うのが緑内障手術術式名。
オトミーが切開を意味し、トラベクロが隅角線維柱帯を意味している。
隅角線維柱帯とはコーヒーのペーパーフィルターのように眼内の水(房水、ぼうすい)をゆっくり漉しながら、眼外の「下水」システムに流してゆく部分である。
この部が目詰まりしてくると、房水が眼内に溜まりすぎ、水圧が上昇する。その圧力で視神経が圧迫障害されるのである。
午後から白内障手術・緑内障手術。
トラベクロトミー(隅角線維柱帯切開術)と言うのが緑内障手術術式名。
オトミーが切開を意味し、トラベクロが隅角線維柱帯を意味している。
隅角線維柱帯とはコーヒーのペーパーフィルターのように眼内の水(房水、ぼうすい)をゆっくり漉しながら、眼外の「下水」システムに流してゆく部分である。
この部が目詰まりしてくると、房水が眼内に溜まりすぎ、水圧が上昇する。その圧力で視神経が圧迫障害されるのである。

















