カテゴリ: 眼の病気 の記事一覧
- 抗がん剤と角膜障害 (2009/06/24)
- 網膜色素変性の治療 (2009/03/01)
- 光干渉断層計( OCT )講習会 (2008/11/03)
- 落屑緑内障の遺伝子解析 (飛んでシンガポールその5) (2008/01/27)
- 花粉症とステロイド点眼 (2008/01/24)
- 花粉症ニモマケズ (2008/01/22)
- すでに花粉症? (2008/01/20)
- 網膜レーザー光凝固装置 (2008/01/13)
- 小心 (新年快楽!) (2007/12/30)
- 医学的俗説 (2007/12/29)
- 眼瞼けいれんのリズム診断 (2007/12/16)
- スズメバチによる角膜刺傷 (2007/11/11)
- 眼科救急 3連続の急患 (2007/10/29)
- 看護研究会2007 (2007/10/08)
- アバスチン・フィーバー? 硝子体手術セミナー2007 その2 (2007/06/23)
| | 古い記事一覧へ≫
(プライバシーに配慮して少し内容を変えています)
ある日、両眼の視力が急に低下した患者さんが来院され
強い角膜「びらん」のために視力が低下していました。
普通のドライアイによる角膜障害のタイプではなく
薬物性障害のように見えます。
点眼薬の使用歴はなく
消化器系のがんがあります。
(告知を受けておられます。)
TS-1という薬を飲んでいませんか?
と聞きましたが
その場では自分の薬を覚えておられず
お薬手帳も携帯されていませんでした。
夕方、自宅から内服薬はTS-1でしたと電話を貰いました。
TS-1(ティーエスワン)の一般名はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムであり胃癌、結腸・直腸癌などに投与されます。
外科の担当医に投薬内容の変更を御相談するため手紙を書くことにしました。
このような角膜障害を一昨年くらいから経験し始め、これで4例目でしょうか。
今年の九州眼科学会で出田眼科病院からTS-1の角膜障害について
発表があったと思いますが、残念ながら聞く機会がありませんでした。
幸い、TS-1を中止すると角膜障害は徐々に、しかしきれいに治ります。
TS-1は良く使われている抗がん剤のようですが
眼科的な副作用についてはあまり記載されていないようです。
しかしTS-1による角膜障害が強い場合にはかなり視力が下がる方もいます。
もともとドライアイなど眼表面がデリケートな方が問題を起こしやすいのかもしれません。
TS-1を内服中の方は眼がかすむ場合には早めに担当医か、眼科医に相談されるのがよいと思います。
ある日、両眼の視力が急に低下した患者さんが来院され
強い角膜「びらん」のために視力が低下していました。
普通のドライアイによる角膜障害のタイプではなく
薬物性障害のように見えます。
点眼薬の使用歴はなく
消化器系のがんがあります。
(告知を受けておられます。)
TS-1という薬を飲んでいませんか?
と聞きましたが
その場では自分の薬を覚えておられず
お薬手帳も携帯されていませんでした。
夕方、自宅から内服薬はTS-1でしたと電話を貰いました。
TS-1(ティーエスワン)の一般名はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムであり胃癌、結腸・直腸癌などに投与されます。
外科の担当医に投薬内容の変更を御相談するため手紙を書くことにしました。
このような角膜障害を一昨年くらいから経験し始め、これで4例目でしょうか。
今年の九州眼科学会で出田眼科病院からTS-1の角膜障害について
発表があったと思いますが、残念ながら聞く機会がありませんでした。
幸い、TS-1を中止すると角膜障害は徐々に、しかしきれいに治ります。
TS-1は良く使われている抗がん剤のようですが
眼科的な副作用についてはあまり記載されていないようです。
しかしTS-1による角膜障害が強い場合にはかなり視力が下がる方もいます。
もともとドライアイなど眼表面がデリケートな方が問題を起こしやすいのかもしれません。
TS-1を内服中の方は眼がかすむ場合には早めに担当医か、眼科医に相談されるのがよいと思います。
先週金曜日、網膜色素変性について患者さんに講演というか解説する機会をいただいた。
網膜色素変性が難病であることはみなさんご存知なので、最近の治療について
臨床医として前向きな、しかしバランスの取れたお話をしようと試みた。
わたしの患者さんにはとても前向きな人が多く、マラソン大会に出たり、太鼓のパフォーマンスをグループで続けたり、こちらが教えられることも多い。
お昼の講演で、午後の外来の予定が詰まってしまっていたので、講演後は時間通りに会場を後にしたけれど、患者さんたちに少しでもお役に立ったかどうか気に掛かった。
網膜色素変性の治療において
いま注目されているのは
遺伝子研究からヒントを得た新しい薬物治療
再生医療
そして人工網膜だろう。
最近来た週刊誌TIMESにもStem Cell (幹性胚細胞)が再生医療を通じて、心臓病やパーキンソン病などさまざまな病気治療に役立つ可能性を秘めているという記事であった。
一般誌が取り上げるくらい可能性があるところまで来ているのではあります。
もちろん網膜色素変性によって傷んだ網膜を再生させられるかは、ネズミさんのレベルからヒトに持ってゆくには、まだまだ気が遠くなるような研究努力が必要でしょう。
だがしかし道はとにかく見えているに違いありません。
ぜひさまざまな支援が網膜色素変性の治療研究に向けられるように
患者さんたちにも活動していただくようにお願いしたところでありました。
11月2日(日曜日)
東京コンファレンスセンター・品川で開催された光断層計講習会に出席した。
会場は満席。
知り合いの眼科医が8名くらい出席していた。
連休というのにみんな熱心である。
恩師のM先生が矍鑠として参加されていたのにも頭が下がった。
以前このブログにも書いたが
OCTは眼の中の組織が透明であることを利点として
測定光の反射の差を器械的に検知し
コンピュータ画像化する画像診断装置である。
最新のOCTを用いれば
5ミクロン単位の解像度を示すことが可能である。
眼を「生きたまま」切片にして顕微鏡で覗いているような画像を手に入れることができる。
この器械の原理は1990年に日本から発表され
すぐにボストンの緑内障専門家シュワルツ博士と日本人の技術者フジモト博士によって実用化された。
現在、この器械なしには硝子体手術や加齢黄斑症の治療はできにくいほど重要になっている。
講習会費は高額なのだが、講師もオールスター、
始めの挨拶がT教授、終わりの挨拶がA教授という、ものすごい陣容であった。
中心性漿液性脈絡網膜症の漿液性網膜剥離が消失した後も
視機能が回復しない時期には
OCTで観察すると視細胞内節外節接合部(IS/OS)の高反射層が消失していて視細胞の障害を示している
という話も以前最初に聞いた時は驚いたが
今やみな平然と受け止める内容になっている。
稀なAZOOR (acute zonal occult outer retinopathy アズールではなく、エイゾールと発音するのが正しいらしい。)も多局所ERGの異常に加えて、OCTで見ると該当する網膜のIS/OS が不明瞭になっているとのこと。
いやはや大変な進歩であります。
今回はOCTを販売している7社が共催していた。
当院で導入しているカールツアイスメディテックのcirrus OCTは
来年緑内障解析プログラムの
GPA (Glaucoma Progression Analysis)
が搭載されるようだ。
これもAACGCの項で書いたが
旧型機OCT3000ではこの6月から使用されているらしい。
視野異常に先行した視神経乳頭変化をどう捉えることができるか興味深い。
また来年春にはcirrus OCTに前眼部OCTプログラムが加わる。
レンズの口径の関係で(?)、両側隅角を同時には画像化できないものの、十分Visante(AC-OCT)の簡易版としての役割は果たせるらしい。
閉塞隅角緑内障の診断にも威力を発揮しそうだ。
OCTによる画像診断はさらに視野検査、網膜電図や眼底造影検査などと組み合わされ
最終的にはオールインワンで機能も画像も示す複合的な診断装置へと発展しそうな勢い。
OCTの可能性を改めて感じさせる、熱のこもった講習会でした。
東京コンファレンスセンター・品川で開催された光断層計講習会に出席した。
会場は満席。
知り合いの眼科医が8名くらい出席していた。
連休というのにみんな熱心である。
恩師のM先生が矍鑠として参加されていたのにも頭が下がった。
以前このブログにも書いたが
OCTは眼の中の組織が透明であることを利点として
測定光の反射の差を器械的に検知し
コンピュータ画像化する画像診断装置である。
最新のOCTを用いれば
5ミクロン単位の解像度を示すことが可能である。
眼を「生きたまま」切片にして顕微鏡で覗いているような画像を手に入れることができる。
この器械の原理は1990年に日本から発表され
すぐにボストンの緑内障専門家シュワルツ博士と日本人の技術者フジモト博士によって実用化された。
現在、この器械なしには硝子体手術や加齢黄斑症の治療はできにくいほど重要になっている。
講習会費は高額なのだが、講師もオールスター、
始めの挨拶がT教授、終わりの挨拶がA教授という、ものすごい陣容であった。
中心性漿液性脈絡網膜症の漿液性網膜剥離が消失した後も
視機能が回復しない時期には
OCTで観察すると視細胞内節外節接合部(IS/OS)の高反射層が消失していて視細胞の障害を示している
という話も以前最初に聞いた時は驚いたが
今やみな平然と受け止める内容になっている。
稀なAZOOR (acute zonal occult outer retinopathy アズールではなく、エイゾールと発音するのが正しいらしい。)も多局所ERGの異常に加えて、OCTで見ると該当する網膜のIS/OS が不明瞭になっているとのこと。
いやはや大変な進歩であります。
今回はOCTを販売している7社が共催していた。
当院で導入しているカールツアイスメディテックのcirrus OCTは
来年緑内障解析プログラムの
GPA (Glaucoma Progression Analysis)
が搭載されるようだ。
これもAACGCの項で書いたが
旧型機OCT3000ではこの6月から使用されているらしい。
視野異常に先行した視神経乳頭変化をどう捉えることができるか興味深い。
また来年春にはcirrus OCTに前眼部OCTプログラムが加わる。
レンズの口径の関係で(?)、両側隅角を同時には画像化できないものの、十分Visante(AC-OCT)の簡易版としての役割は果たせるらしい。
閉塞隅角緑内障の診断にも威力を発揮しそうだ。
OCTによる画像診断はさらに視野検査、網膜電図や眼底造影検査などと組み合わされ
最終的にはオールインワンで機能も画像も示す複合的な診断装置へと発展しそうな勢い。
OCTの可能性を改めて感じさせる、熱のこもった講習会でした。
1月2日朝A先生にリッツカールトンホテルまで迎えに来ていただきシンガポール国立眼科センター(SNEC)へ。
今回は落屑緑内障の遺伝子解析プロジェクトの結果をさらに検討打ち合わせを行う。
ミーティングルームでA先生、ロンドンから来ているインド系のV先生、中国系のY先生を交えて結果を再度検討。
落屑症候群についてはこのブログでもすでに述べたように、緑内障になりやすい「素因」である。
北欧ではかなり頻度が高い。
落屑緑内障の遺伝子解析は
Science誌に
Common sequence variations in the LOXL1 gene confer susceptibility to exfoliation glaucoma.
落屑緑内障に対する感受性(なりやすさ)を生じるLOXL1遺伝子内の遺伝子変異について
(Gudmar Thorleifsson et al 2007)という論文として
Kari Stefansson らのグループから発表された。
(内容の解説は後日書きます。最近、体質の遺伝学的研究という問題にとても興味があります。
体質を遺伝学的に考えると家族・家系とはなにか、われわれはどこから来たのか、ということまで深く考えることになります。)
この論文の電子版がインターネット上で2007年8月9日(ちょうど小生の誕生日、ドウデモヨイデスカ?)に掲載され、8月15日にSNECで緑内障の話をしていたところ、この論文の話になった。
中国系シンガポール人には落屑症候群や落屑症候群は少ないらしい。
この病気は地域差があり、九州の南部にはかなり多くの落屑症候群が見られる。
落屑症候群について、当院には豊富な経験があり、共同研究の話がまとまり検体を送ることを約束して別れた。
日本に帰るとすぐに落屑緑内障や症候群の患者さんにヘルシンキ宣言にのっとった手続きを開始し、インフォームドコンセントを取り、採血、FEDEXで空輸を始めた。
A先生から問い合わせのメールが来た時にはすでに第一便を送ったところであり、続々と検体が送られてくるのでシンガポール側は驚き、急ぎ解析が始まった。
シンガポールはバイオ研究に国家を挙げて注力しており、国立シンガポール大学に隣接するバイオポリスには世界各国から研究者がスカウトされている。
広い敷地には研究施設のビルが林立し、その周りを世界的な製薬メーカーが入った研究所のビル群が囲んでいる。
その中でもモダンな大きいビルがゲノム研究所である。
SNECの眼研究施設はいかにも医科学らしい空間であったが、この解析を統計分析するゲノム研究所のフロアは見渡す限り大小のコンピュータに埋め尽くされ、スタッフの仕事ぶりもIT会社のようだ。
T博士が統括する部門が分析してくれた最終結果はアイスランド、スウェーデンのデータと一部異なる結果であった。
途中までの結果は11月の終わりにまとめてフロリダ・フォートローダーデールで毎年4月に開かれる「視覚と眼科に関連する、世界最大の基礎研究学会」(ARVO)に抄録として提出済み。
ところが聞けば
すでに京都大学は同じ研究で一流誌のAJOに論文が印刷中(Hayashi 2008 Jan Epub)。
米国(Fingert AJO 2007 Dec) 、オーストラリア(Hewitt, Hum Mol Genet 2007 Nov)からもすでに論文が受理されていると聞いて、さすがに遺伝子解析の世界は速い!と驚いた。
トホホ。
とはいえなんとかデータをきちんとまとめて論文の形にしたいところ。
このところ最終的な書き直しに手間取って、ブログも更新が遅れてしまった。
さあなんとか論文が受理されますように。
今回は落屑緑内障の遺伝子解析プロジェクトの結果をさらに検討打ち合わせを行う。
ミーティングルームでA先生、ロンドンから来ているインド系のV先生、中国系のY先生を交えて結果を再度検討。
落屑症候群についてはこのブログでもすでに述べたように、緑内障になりやすい「素因」である。
北欧ではかなり頻度が高い。
落屑緑内障の遺伝子解析は
Science誌に
Common sequence variations in the LOXL1 gene confer susceptibility to exfoliation glaucoma.
落屑緑内障に対する感受性(なりやすさ)を生じるLOXL1遺伝子内の遺伝子変異について
(Gudmar Thorleifsson et al 2007)という論文として
Kari Stefansson らのグループから発表された。
(内容の解説は後日書きます。最近、体質の遺伝学的研究という問題にとても興味があります。
体質を遺伝学的に考えると家族・家系とはなにか、われわれはどこから来たのか、ということまで深く考えることになります。)
この論文の電子版がインターネット上で2007年8月9日(ちょうど小生の誕生日、ドウデモヨイデスカ?)に掲載され、8月15日にSNECで緑内障の話をしていたところ、この論文の話になった。
中国系シンガポール人には落屑症候群や落屑症候群は少ないらしい。
この病気は地域差があり、九州の南部にはかなり多くの落屑症候群が見られる。
落屑症候群について、当院には豊富な経験があり、共同研究の話がまとまり検体を送ることを約束して別れた。
日本に帰るとすぐに落屑緑内障や症候群の患者さんにヘルシンキ宣言にのっとった手続きを開始し、インフォームドコンセントを取り、採血、FEDEXで空輸を始めた。
A先生から問い合わせのメールが来た時にはすでに第一便を送ったところであり、続々と検体が送られてくるのでシンガポール側は驚き、急ぎ解析が始まった。
シンガポールはバイオ研究に国家を挙げて注力しており、国立シンガポール大学に隣接するバイオポリスには世界各国から研究者がスカウトされている。
広い敷地には研究施設のビルが林立し、その周りを世界的な製薬メーカーが入った研究所のビル群が囲んでいる。
その中でもモダンな大きいビルがゲノム研究所である。
SNECの眼研究施設はいかにも医科学らしい空間であったが、この解析を統計分析するゲノム研究所のフロアは見渡す限り大小のコンピュータに埋め尽くされ、スタッフの仕事ぶりもIT会社のようだ。
T博士が統括する部門が分析してくれた最終結果はアイスランド、スウェーデンのデータと一部異なる結果であった。
途中までの結果は11月の終わりにまとめてフロリダ・フォートローダーデールで毎年4月に開かれる「視覚と眼科に関連する、世界最大の基礎研究学会」(ARVO)に抄録として提出済み。
ところが聞けば
すでに京都大学は同じ研究で一流誌のAJOに論文が印刷中(Hayashi 2008 Jan Epub)。
米国(Fingert AJO 2007 Dec) 、オーストラリア(Hewitt, Hum Mol Genet 2007 Nov)からもすでに論文が受理されていると聞いて、さすがに遺伝子解析の世界は速い!と驚いた。
トホホ。
とはいえなんとかデータをきちんとまとめて論文の形にしたいところ。
このところ最終的な書き直しに手間取って、ブログも更新が遅れてしまった。
さあなんとか論文が受理されますように。
前回、花粉症によるアレルギー性結膜炎の治療薬として
抗アレルギー剤点眼を挙げました。
わたしはフルメトロン(フルオロメトロン)というステロイド系の点眼薬を使っているのだけれど、という人もいるでしょう。
アレルギー性結膜炎に対するステロイド点眼治療をどう考えるべきでしょうか。
リボスチン、パタノールなどの抗アレルギー点眼で効果がない場合
一時的にでもステロイド点眼を追加することがあります。
やはりステロイド点眼の効果は、あまり科学的な言い方ではありませんが、一段上であります。
ところが
ステロイド点眼(フルメトロン、リンデロンなど)には以下の副作用があることもよく知られています。
1)眼圧上昇
2)感染に対する免疫抵抗力の低下
眼圧上昇は眼の内圧が上がり、その物理的な圧力で視神経を障害して緑内障につながることがあります。
このことが良く知られているので、ステロイド点眼を心配される患者さんもいます。
わたしはアレルギー性結膜炎には原則としてステロイド点眼は控えたいと思っています。
しかし
かゆみが強い
充血が強く、違和感が強い方にはステロイドが必要になる場合もあります。
さらに春季カタルやハウスダスト関連、アトピーにともなうアレルギー性結膜炎など
重症アレルギー性結膜炎の患者さんはどうしてもステロイド点眼が必要となる場合が多いと思います。
その場合、きちんとした医学的管理(医師の検診を指示通り受ける)を受けて眼圧のチェックを受けていればまず心配は要らないでしょう。
特に0.02%フルメトロンであれば眼圧が上がる可能性は低いと思います。
0.1%フルメトロンは少し心配なことがあります。
リンデロンは、これも0.01%、0.1%があり、0.1%はかなり眼圧上昇のリスクが高まります(普通のアレルギー性結膜炎程度では用いないでしょうけれど)。
最近は重症のアレルギー性結膜炎に免疫抑制剤のパピロック・ミニを用いる眼科医も増えていると思います。
最近講演に来られたG教授はパピロック・ミニの安全性を強調されていました。
もちろんフルメトロンも0.02%程度ですとわたしの経験ではかなり安全です。
コストも安く捨てがたい。
しかし、わたしはステロイド点眼を長期に続けることによって感染に弱くなる点については危惧しています。
ステロイド点眼による眼局所の免疫力低下は小さくありません。
この問題も健常な人はまずまずOKですが
1)アレルギーやコンタクトレンズで角膜に傷がある(点眼処方後に出来ることもあるでしょう)
2)糖尿病などで基礎的な免疫力低下がある
3)ヘルペス性角膜炎の既往がある場合(ヘルペスが隠れていて、免疫力が低下すると、角膜炎を再発する)
4)たまたま外傷を受けたとき
などに角膜の感染が起こったり、悪化したりするリスクが高くなるかもしれません。
これらの点などを注意しながら、検診を受けて使うということが大事です。
眼科医はこれらのポイントをきちんとチェックしているのです。
花粉症のピーク時には点眼でピタッと、その日から痒みが収まるというわけにはなかなかいきません。
なにしろ点眼薬という「消防隊」が消火しているのにまた火をつけるものがどんどんやってくるのですから。
70%80%程度、痒みがおさまればまずまずと思って(ご納得いただきにくい場合もあるでしょうけれど)
どちらかといえば、とにかく花粉を避けるという
原因を防ぐことに注意を払う方が賢明であると思います。
花粉症の時期をうまくやり過ごしましょう。
抗アレルギー剤点眼を挙げました。
わたしはフルメトロン(フルオロメトロン)というステロイド系の点眼薬を使っているのだけれど、という人もいるでしょう。
アレルギー性結膜炎に対するステロイド点眼治療をどう考えるべきでしょうか。
リボスチン、パタノールなどの抗アレルギー点眼で効果がない場合
一時的にでもステロイド点眼を追加することがあります。
やはりステロイド点眼の効果は、あまり科学的な言い方ではありませんが、一段上であります。
ところが
ステロイド点眼(フルメトロン、リンデロンなど)には以下の副作用があることもよく知られています。
1)眼圧上昇
2)感染に対する免疫抵抗力の低下
眼圧上昇は眼の内圧が上がり、その物理的な圧力で視神経を障害して緑内障につながることがあります。
このことが良く知られているので、ステロイド点眼を心配される患者さんもいます。
わたしはアレルギー性結膜炎には原則としてステロイド点眼は控えたいと思っています。
しかし
かゆみが強い
充血が強く、違和感が強い方にはステロイドが必要になる場合もあります。
さらに春季カタルやハウスダスト関連、アトピーにともなうアレルギー性結膜炎など
重症アレルギー性結膜炎の患者さんはどうしてもステロイド点眼が必要となる場合が多いと思います。
その場合、きちんとした医学的管理(医師の検診を指示通り受ける)を受けて眼圧のチェックを受けていればまず心配は要らないでしょう。
特に0.02%フルメトロンであれば眼圧が上がる可能性は低いと思います。
0.1%フルメトロンは少し心配なことがあります。
リンデロンは、これも0.01%、0.1%があり、0.1%はかなり眼圧上昇のリスクが高まります(普通のアレルギー性結膜炎程度では用いないでしょうけれど)。
最近は重症のアレルギー性結膜炎に免疫抑制剤のパピロック・ミニを用いる眼科医も増えていると思います。
最近講演に来られたG教授はパピロック・ミニの安全性を強調されていました。
もちろんフルメトロンも0.02%程度ですとわたしの経験ではかなり安全です。
コストも安く捨てがたい。
しかし、わたしはステロイド点眼を長期に続けることによって感染に弱くなる点については危惧しています。
ステロイド点眼による眼局所の免疫力低下は小さくありません。
この問題も健常な人はまずまずOKですが
1)アレルギーやコンタクトレンズで角膜に傷がある(点眼処方後に出来ることもあるでしょう)
2)糖尿病などで基礎的な免疫力低下がある
3)ヘルペス性角膜炎の既往がある場合(ヘルペスが隠れていて、免疫力が低下すると、角膜炎を再発する)
4)たまたま外傷を受けたとき
などに角膜の感染が起こったり、悪化したりするリスクが高くなるかもしれません。
これらの点などを注意しながら、検診を受けて使うということが大事です。
眼科医はこれらのポイントをきちんとチェックしているのです。
花粉症のピーク時には点眼でピタッと、その日から痒みが収まるというわけにはなかなかいきません。
なにしろ点眼薬という「消防隊」が消火しているのにまた火をつけるものがどんどんやってくるのですから。
70%80%程度、痒みがおさまればまずまずと思って(ご納得いただきにくい場合もあるでしょうけれど)
どちらかといえば、とにかく花粉を避けるという
原因を防ぐことに注意を払う方が賢明であると思います。
花粉症の時期をうまくやり過ごしましょう。
スギ花粉が南九州ではすでに飛び始めているという話しをしました。
スギ花粉が飛び始めるのは
年初めからの毎日の最高温度が積算して九州では摂氏400度(350~450度)くらいを超える頃からとされます。
今年、九州のスギ花粉飛散量は昨年より少な目と聞いていますが
どうも飛散自体は早いように感じます。
最近はそうでもないのですが
自分も花粉症が強い時期がありました。
いまも少し症状が出るときがあるので
スギ花粉が飛ぶとどうもおかしいなと自分で分かります。
そういう日には花粉症の患者さんが増えます。
雨が強く降っていると花粉の飛散が抑えられ、その日はすごく楽になります。
雨が上がって晴れ上がると突然花粉が増えて症状が急に悪化します。
本当に症状が強かった時期は眼と鼻の粘膜に直径100分の3mm程度の花粉がひとつひとつ、パシパシパシと当たるのが分かる感じがしました(笑)。というか今思い出しても(泣)。
宮崎では読売ジャイアンツがキャンプに来る頃から
花粉症が飛び始めます。
紅白戦の頃がもっとも辛い。
だから花粉症が強かった宮崎医科大学病院勤務時代
完全装備で巨人のオープン戦に出かけて医局員や看護師さんの失笑をかっていました。
眼がかゆいとか鼻が詰まるなどということよりも
頭が重い
体がだるい
眠気が取れない
などの症状が最も困ったように思います。
花粉症によるアレルギー性結膜炎に対して
眼科では点眼薬を使います。
代表的なものは
インタール
サジテン
リボスチン
パタノール
などでしょうか。
(もっともっとありますがスペースの関係で抜けている薬の製薬メーカーの皆さんお許しください)
鼻炎が強い人で抗アレルギー剤内服や点鼻薬がない人は
もし点眼薬を2本持っていたら
1本を鼻腔に点鼻しても良いかもしれません(あくまでもやむを得ない時の裏技ですよ。けして推奨している訳ではありませぬ)。
上を向いて点鼻して少し吸い込んでください。
口の中がちょっと苦いこともありますが心配ないと思います。
実際点眼によっては点眼点耳と書いてあるものもありますよね。
ただし点眼のビンを点鼻のビンと一緒にしないでください。
かなり点眼ビン内が汚染するので点眼してはいけません。
鼻炎が強い人はもちろん耳鼻咽喉科専門医に診てもらってください。
花粉に負けずに楽しい春を迎えられるように祈っています。
スギ花粉が飛び始めるのは
年初めからの毎日の最高温度が積算して九州では摂氏400度(350~450度)くらいを超える頃からとされます。
今年、九州のスギ花粉飛散量は昨年より少な目と聞いていますが
どうも飛散自体は早いように感じます。
最近はそうでもないのですが
自分も花粉症が強い時期がありました。
いまも少し症状が出るときがあるので
スギ花粉が飛ぶとどうもおかしいなと自分で分かります。
そういう日には花粉症の患者さんが増えます。
雨が強く降っていると花粉の飛散が抑えられ、その日はすごく楽になります。
雨が上がって晴れ上がると突然花粉が増えて症状が急に悪化します。
本当に症状が強かった時期は眼と鼻の粘膜に直径100分の3mm程度の花粉がひとつひとつ、パシパシパシと当たるのが分かる感じがしました(笑)。というか今思い出しても(泣)。
宮崎では読売ジャイアンツがキャンプに来る頃から
花粉症が飛び始めます。
紅白戦の頃がもっとも辛い。
だから花粉症が強かった宮崎医科大学病院勤務時代
完全装備で巨人のオープン戦に出かけて医局員や看護師さんの失笑をかっていました。
眼がかゆいとか鼻が詰まるなどということよりも
頭が重い
体がだるい
眠気が取れない
などの症状が最も困ったように思います。
花粉症によるアレルギー性結膜炎に対して
眼科では点眼薬を使います。
代表的なものは
インタール
サジテン
リボスチン
パタノール
などでしょうか。
(もっともっとありますがスペースの関係で抜けている薬の製薬メーカーの皆さんお許しください)
鼻炎が強い人で抗アレルギー剤内服や点鼻薬がない人は
もし点眼薬を2本持っていたら
1本を鼻腔に点鼻しても良いかもしれません(あくまでもやむを得ない時の裏技ですよ。けして推奨している訳ではありませぬ)。
上を向いて点鼻して少し吸い込んでください。
口の中がちょっと苦いこともありますが心配ないと思います。
実際点眼によっては点眼点耳と書いてあるものもありますよね。
ただし点眼のビンを点鼻のビンと一緒にしないでください。
かなり点眼ビン内が汚染するので点眼してはいけません。
鼻炎が強い人はもちろん耳鼻咽喉科専門医に診てもらってください。
花粉に負けずに楽しい春を迎えられるように祈っています。
正月明けからすでに眼がかゆい人はいませんか?
少なくとも、南九州の日向市では、スギ花粉症らしき患者さんがちらほら現れています。
かゆいというより
充血、透明なめやに、異物感などの訴えのこともあります。
また冬でも流行性角結膜炎(EKC)がポツポツ混じるのでアレルギーか感染性結膜炎であるかを見きわめる確定診断が難しい。
ウイルス学的検査は陽性率が低いのであまり行いませんが、もし検査をした場合は費用を支払っていただいた後に、陰性だからといってEKCでないと断言できません、などと言い訳しなくてはいけません。
医療・介護関係者、教育関係者、学校幼稚園などに通う子供などはEKCであれば感染防止のため休んでもらう必要があるのでなかなか大変です。
昨日も4歳の子供にEKCとして幼稚園を休んでもらうように指示したら
明日は楽しみにしていたお誕生会!というので困りました。
しかしEKCが確定していたら
申し訳ないのだけれど(石破大臣口調)
他の子供さんに流行が拡がらないように休んでいただくしかないのであります。
さてスギ花粉症は眼や鼻の局所症状だけでなく
体のだるさ
頭痛
意欲・注意力減退
ドライアイの悪化
不眠なども起こってくることがあります。
スポーツをした後はジャブジャブ顔を洗ったり
鼻を軽く水で洗うだけでも花粉症の急激な悪化を防ぎやすいように感じます。
花粉症症状が強い人はやはり格好が悪くともマスクやめがねも大事ですね。
私も以前は花粉症だったので患者さんの辛さが良く分かります。
雨上がりに戸外で風に吹かれすぎないように、などそろそろ用心したほうがよいかもしれません。
少なくとも、南九州の日向市では、スギ花粉症らしき患者さんがちらほら現れています。
かゆいというより
充血、透明なめやに、異物感などの訴えのこともあります。
また冬でも流行性角結膜炎(EKC)がポツポツ混じるのでアレルギーか感染性結膜炎であるかを見きわめる確定診断が難しい。
ウイルス学的検査は陽性率が低いのであまり行いませんが、もし検査をした場合は費用を支払っていただいた後に、陰性だからといってEKCでないと断言できません、などと言い訳しなくてはいけません。
医療・介護関係者、教育関係者、学校幼稚園などに通う子供などはEKCであれば感染防止のため休んでもらう必要があるのでなかなか大変です。
昨日も4歳の子供にEKCとして幼稚園を休んでもらうように指示したら
明日は楽しみにしていたお誕生会!というので困りました。
しかしEKCが確定していたら
申し訳ないのだけれど(石破大臣口調)
他の子供さんに流行が拡がらないように休んでいただくしかないのであります。
さてスギ花粉症は眼や鼻の局所症状だけでなく
体のだるさ
頭痛
意欲・注意力減退
ドライアイの悪化
不眠なども起こってくることがあります。
スポーツをした後はジャブジャブ顔を洗ったり
鼻を軽く水で洗うだけでも花粉症の急激な悪化を防ぎやすいように感じます。
花粉症症状が強い人はやはり格好が悪くともマスクやめがねも大事ですね。
私も以前は花粉症だったので患者さんの辛さが良く分かります。
雨上がりに戸外で風に吹かれすぎないように、などそろそろ用心したほうがよいかもしれません。
(1月13日日曜日)
今日は休日当番医。
ゆっくりした外来ですが
昨日から網膜レーザー光凝固装置のご機嫌が少し悪くて
今日、レーザーが必要な場合
少し気がかりであります。
当院にはレーザー装置が
4台ありますが
それぞれレーザーの種類役割が違います。
網膜を治療するのはアルゴン・レーザー。
外来据え置き型と
硝子体手術用のポータブルタイプです。
この据え置き型が少しパワーダウンしやすくなっています。
ドイツ・ツアイス社製のこのレーザーは
少し室温が上がると調子が悪くなることがあるようにも思われます。
ツアイスのレーザーは世界的に販売されているので
温度にそう敏感というわけではないはずですが。
私が温度を気にするのは
ドイツ製の自動車が昔は
高温多湿にすごく弱かったという印象が強いからです。
昔、とても質素だった私の所属医局で
先輩が乗っていて憧れた
唯一のドイツ製スポーツカーは
夏はほとんど
ドック入りだったり
そろりそろりと運転しなくてはいけなかったのがきっと印象深すぎたのだと思います。
という訳で
寒い時期にレーザーの部屋を寒くしているのは
けして暖房を入れ忘れているわけではないのであります。
レーザーもさっきのテストでは調子OK。連休明けにはメンテナンスされる予定です。
今日も無事に外来が終わりますように。
今日は休日当番医。
ゆっくりした外来ですが
昨日から網膜レーザー光凝固装置のご機嫌が少し悪くて
今日、レーザーが必要な場合
少し気がかりであります。
当院にはレーザー装置が
4台ありますが
それぞれレーザーの種類役割が違います。
網膜を治療するのはアルゴン・レーザー。
外来据え置き型と
硝子体手術用のポータブルタイプです。
この据え置き型が少しパワーダウンしやすくなっています。
ドイツ・ツアイス社製のこのレーザーは
少し室温が上がると調子が悪くなることがあるようにも思われます。
ツアイスのレーザーは世界的に販売されているので
温度にそう敏感というわけではないはずですが。
私が温度を気にするのは
ドイツ製の自動車が昔は
高温多湿にすごく弱かったという印象が強いからです。
昔、とても質素だった私の所属医局で
先輩が乗っていて憧れた
唯一のドイツ製スポーツカーは
夏はほとんど
ドック入りだったり
そろりそろりと運転しなくてはいけなかったのがきっと印象深すぎたのだと思います。
という訳で
寒い時期にレーザーの部屋を寒くしているのは
けして暖房を入れ忘れているわけではないのであります。
レーザーもさっきのテストでは調子OK。連休明けにはメンテナンスされる予定です。
今日も無事に外来が終わりますように。
(12月30日掲載)
近くの細島港には外国船が入港することが多い。
時々船員さんがエージェントに付き添われて眼科を受診してくる。
英語がある程度できる船員さんが多いのだが
先週の患者さんは中国語だけというので少し困った。
25歳男性(少し内容を変更しています)
右眼の充血。違和感がある。
当地では冬というのに流行り眼が流行っているので
感染防止のため、別ブースに入ってもらい、手持ち顕微鏡で診察。
強い結膜炎のようだが
目やにが少なく
毛様充血(白めの深いところの充血)があるようだ
診察室で見直すと
右眼の前房内に炎症性細胞がたくさん出ている。
角膜後面沈着物なし
視力、眼圧は正常。
眼底はほとんど異常なし。
前部ぶどう膜炎、非肉芽腫性ぶどう膜炎というべきか。
その日の午後にはカナダに向けて出航しなくてはならないという。
急性前部ぶどう膜炎
糖尿病性虹彩炎
ベーチェット病
若年性関節リウマチ
炎症性腸疾患関連
など
考えてみるが
検査も出来ないし経過も見ることができない。
全身的には今まで異常を指摘されたことはないようだ。
元気そうな青年なので全身的には大きな心配は要らないかもしれない。
しかしぶどう膜炎はもし炎症を抑えきれないと予後が気がかりである。
所定の英文診断書を書いて
ステロイドと散瞳剤の点眼薬を処方。
カナダまで2週間かかるらしいのでやはり心配だ。
注意してください
というつもりで
わずかに知っていた中国語
要小心(気をつけて。注意してください。 日本語の小心者の小心とは意味が違います)
とホワイトボードに書くと
にっこり頷いて帰っていった。
彼は新年を洋上で迎えることになる。
良い眼でバンクーバーに到着することを祈っている。
近くの細島港には外国船が入港することが多い。
時々船員さんがエージェントに付き添われて眼科を受診してくる。
英語がある程度できる船員さんが多いのだが
先週の患者さんは中国語だけというので少し困った。
25歳男性(少し内容を変更しています)
右眼の充血。違和感がある。
当地では冬というのに流行り眼が流行っているので
感染防止のため、別ブースに入ってもらい、手持ち顕微鏡で診察。
強い結膜炎のようだが
目やにが少なく
毛様充血(白めの深いところの充血)があるようだ
診察室で見直すと
右眼の前房内に炎症性細胞がたくさん出ている。
角膜後面沈着物なし
視力、眼圧は正常。
眼底はほとんど異常なし。
前部ぶどう膜炎、非肉芽腫性ぶどう膜炎というべきか。
その日の午後にはカナダに向けて出航しなくてはならないという。
急性前部ぶどう膜炎
糖尿病性虹彩炎
ベーチェット病
若年性関節リウマチ
炎症性腸疾患関連
など
考えてみるが
検査も出来ないし経過も見ることができない。
全身的には今まで異常を指摘されたことはないようだ。
元気そうな青年なので全身的には大きな心配は要らないかもしれない。
しかしぶどう膜炎はもし炎症を抑えきれないと予後が気がかりである。
所定の英文診断書を書いて
ステロイドと散瞳剤の点眼薬を処方。
カナダまで2週間かかるらしいのでやはり心配だ。
注意してください
というつもりで
わずかに知っていた中国語
要小心(気をつけて。注意してください。 日本語の小心者の小心とは意味が違います)
とホワイトボードに書くと
にっこり頷いて帰っていった。
彼は新年を洋上で迎えることになる。
良い眼でバンクーバーに到着することを祈っている。
(12月29日掲載)
ニューヨークタイムズの医学ブログが取り上げたためか
医学的なMyth(俗説、間違った通念)について
国内でも報道された。
http://lifehack.rightclicksright.net/data/frame_61359.aspx
インディアナ大学医学部のヴリーマン医師とキャロル医師による研究では
たとえば「一日にコップ8杯以上水を飲むと良い。」という俗説について
水分は通常の食事などで十分補給されているのであり、
あまり水を飲みすぎるとかえって害になることも多い
などと7項目についてその正当性を否定している。
http://well.blogs.nytimes.com/2007/12/26/medical-myths-even-doctors-believe/?hp
このような話を検証した論文が権威あるブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(英国医学会雑誌BMJ)に掲載されるということ自体にちょっと驚かされた。
それは通常、俗説を検証するというようなことに医学研究者は本気で取り組まないこと
およびこの話題には否定するのにも証明が難しい、微妙な「俗説」も含まれていることからだ。
さて日本のジャーナリズムは外国の報道を伝えた後
そのフォローアップ報道をしないことが多い。
この論文に対しては
BMJ紙上(というか公開されたメール質疑で)で論争になり
著者に対して「くだらない」、「恥を知れ」という研究者たちからの意見も来ていた。
http://www.bmj.com/cgi/content/full/335/7633/1288
ヴリーマン医師らはPubMed 以外にもGoogleで資料を検索したと書いていることが批判される原因のひとつになったようだ。
ご存知のようにGoogleの情報は玉石混交であります。
眼科医としては「暗いところで読書をすると眼を傷める(ruin)ということはない」
という彼らの主張もなかなか微妙であると思う。
この件にも早速反論がきていて、暗いところでの読書はやはり有害である
と主張する研究者もいるようだ。
多分、この報道に接して子供の暗いところでの読書を放置し始めたり、しつけに戸惑っている親御さんもいるのではないだろうか。
ちなみに米国眼科アカデミー(AAO)でも
暗いところで読書をしても眼に害はなく
近視にもならない
としている。
私のAAO監修の英語版患者教育スライドにもそのようなイラスト付のものがある。
もちろん暗いところで読書することが一時的な眼精疲労につながることは研究者も認めている。
(だいたい白人は暗いところで見るということに強い気がする・・・mmmmこれもmythか。
米国の高級なレストランでものすごく暗いところがありますよね。
彼らは明るさ、まぶしさに弱いのは事実であり、その反対に暗がりで見る力は強いのではないかと思う。白人の友人は一般化しすぎと笑うけれども。
光学的にも明るいところでも暗いところでもどちらでも機能がとても良いというカメラはない。
どちらかに性能を振らないと中途半端なカメラしか出来上がらないのである。
たとえば、最近顕微鏡にハイビジョンカメラを装着して試し、その精細な画像に驚いたが、照度が不足すると性能が発揮しにくい。)
議論のポイントは、疲れは休めば取れるのでそれは近視が進む原因にはならないといって良いかどうかである。
たしかに暗いところで読書をすることが
たとえば緑内障や黄斑変性にみられるような
神経が実際に傷ついてくるような障害にはつながらない。
しかし、近視の進行につながるかどうかははっきり否定できないと感じる。
失礼だが、米国の眼科医師たちは日本を含むアジアの医師ほど近視を真面目に考えていない気もしないではない。
北欧やシンガポールの医師たちは真剣に近視予防の研究を続けている。
夜も明るくできる現代の方がかえって近視が多いので明るさは関係ないという人がいるが
夜の照明が暗かった時代にはだいたい本を読むことも少なかったのではないだろうか。
よほど知的な人が読書していたに過ぎないだろう。
たとえが古すぎるかもしれませんが、二宮金次郎だったか
暗くなって本を読むと灯り代がもったいないと怒られていたではありませんか。
最近、子供の近視を放置したままだと
近視の存在がピントを合わせようという調節刺激になって
さらに近視を強めてしまうのではないか
眼鏡をかけているほうが調節刺激を軽減して近視が進む程度が軽くなるのではないか
という点について米国で比較対照研究がなされていると聞いている。
このような点から類推しても
暗いところでの読書が長くなれば調節刺激が過度になりやすく、近視を助長する可能性は否定しにくい。
少なくともまったく害がないとはいえないと感じる。
また人種差もあるかもしれない。
近視というありふれた問題も突き詰めるとなかなか簡単に白黒をつけにくい。
ヴリーマン医師らの研究における他の項目もいくつかそのような「ビミョーな」問題を含むかもしれない。
通説を俗説であると断定的に排斥するのは意外に難しいのであります。
ニューヨークタイムズの医学ブログが取り上げたためか
医学的なMyth(俗説、間違った通念)について
国内でも報道された。
http://lifehack.rightclicksright.net/data/frame_61359.aspx
インディアナ大学医学部のヴリーマン医師とキャロル医師による研究では
たとえば「一日にコップ8杯以上水を飲むと良い。」という俗説について
水分は通常の食事などで十分補給されているのであり、
あまり水を飲みすぎるとかえって害になることも多い
などと7項目についてその正当性を否定している。
http://well.blogs.nytimes.com/2007/12/26/medical-myths-even-doctors-believe/?hp
このような話を検証した論文が権威あるブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(英国医学会雑誌BMJ)に掲載されるということ自体にちょっと驚かされた。
それは通常、俗説を検証するというようなことに医学研究者は本気で取り組まないこと
およびこの話題には否定するのにも証明が難しい、微妙な「俗説」も含まれていることからだ。
さて日本のジャーナリズムは外国の報道を伝えた後
そのフォローアップ報道をしないことが多い。
この論文に対しては
BMJ紙上(というか公開されたメール質疑で)で論争になり
著者に対して「くだらない」、「恥を知れ」という研究者たちからの意見も来ていた。
http://www.bmj.com/cgi/content/full/335/7633/1288
ヴリーマン医師らはPubMed 以外にもGoogleで資料を検索したと書いていることが批判される原因のひとつになったようだ。
ご存知のようにGoogleの情報は玉石混交であります。
眼科医としては「暗いところで読書をすると眼を傷める(ruin)ということはない」
という彼らの主張もなかなか微妙であると思う。
この件にも早速反論がきていて、暗いところでの読書はやはり有害である
と主張する研究者もいるようだ。
多分、この報道に接して子供の暗いところでの読書を放置し始めたり、しつけに戸惑っている親御さんもいるのではないだろうか。
ちなみに米国眼科アカデミー(AAO)でも
暗いところで読書をしても眼に害はなく
近視にもならない
としている。
私のAAO監修の英語版患者教育スライドにもそのようなイラスト付のものがある。
もちろん暗いところで読書することが一時的な眼精疲労につながることは研究者も認めている。
(だいたい白人は暗いところで見るということに強い気がする・・・mmmmこれもmythか。
米国の高級なレストランでものすごく暗いところがありますよね。
彼らは明るさ、まぶしさに弱いのは事実であり、その反対に暗がりで見る力は強いのではないかと思う。白人の友人は一般化しすぎと笑うけれども。
光学的にも明るいところでも暗いところでもどちらでも機能がとても良いというカメラはない。
どちらかに性能を振らないと中途半端なカメラしか出来上がらないのである。
たとえば、最近顕微鏡にハイビジョンカメラを装着して試し、その精細な画像に驚いたが、照度が不足すると性能が発揮しにくい。)
議論のポイントは、疲れは休めば取れるのでそれは近視が進む原因にはならないといって良いかどうかである。
たしかに暗いところで読書をすることが
たとえば緑内障や黄斑変性にみられるような
神経が実際に傷ついてくるような障害にはつながらない。
しかし、近視の進行につながるかどうかははっきり否定できないと感じる。
失礼だが、米国の眼科医師たちは日本を含むアジアの医師ほど近視を真面目に考えていない気もしないではない。
北欧やシンガポールの医師たちは真剣に近視予防の研究を続けている。
夜も明るくできる現代の方がかえって近視が多いので明るさは関係ないという人がいるが
夜の照明が暗かった時代にはだいたい本を読むことも少なかったのではないだろうか。
よほど知的な人が読書していたに過ぎないだろう。
たとえが古すぎるかもしれませんが、二宮金次郎だったか
暗くなって本を読むと灯り代がもったいないと怒られていたではありませんか。
最近、子供の近視を放置したままだと
近視の存在がピントを合わせようという調節刺激になって
さらに近視を強めてしまうのではないか
眼鏡をかけているほうが調節刺激を軽減して近視が進む程度が軽くなるのではないか
という点について米国で比較対照研究がなされていると聞いている。
このような点から類推しても
暗いところでの読書が長くなれば調節刺激が過度になりやすく、近視を助長する可能性は否定しにくい。
少なくともまったく害がないとはいえないと感じる。
また人種差もあるかもしれない。
近視というありふれた問題も突き詰めるとなかなか簡単に白黒をつけにくい。
ヴリーマン医師らの研究における他の項目もいくつかそのような「ビミョーな」問題を含むかもしれない。
通説を俗説であると断定的に排斥するのは意外に難しいのであります。
(12月16日掲載)
眼がしょぼしょぼする
瞼が下がってくる
眼を開けにくい
まぶしい
などの症状を示し
まばたきの回数が多くなる
という症状は眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の可能性があります。
すっきりしないドライアイ症候群や
不定愁訴と片付けられていることもあります。
詳しくは清澤先生のブログをお読みください。
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50085228.html
さてある日ある時
眼瞼けいれんの大家、若倉雅登先生のお話を聞く機会がありました。
http://www.inouye-eye.or.jp/
気軽なお茶会だったので
雑談も医学的な話も混じっていましたが
眼瞼けいれんの初期診断の話になりました。
若倉先生によれば
診断の分かりやすいポイントは
まばたきを
ポンポコポンというリズムで
軽く素早くまばたきを出来るか
どうかがかなり大事な診断ポイントだということです。
「学術的な論文には書きにくいけどね。」と笑っておられました。
実際に眼瞼痙攣の患者さんにポンポコポンとまばたきしてもらうと
やはり瞼全体で眼をつぶってしまってポンポコポンという速さ、リズムについてゆけない
ようです
この話の最後に
関西のある先生が「うーん。
大阪ならチッチキチーやな。」
というので大笑い。
(チッチキチーは大木こだま・ひびきのギャグ)
冗談とはいえ当意即妙な突っ込みに、なぜか先生の恐るべき力量を改めて感じた私。
眼瞼けいれんの診断には
しかし
ポンポコポンという歯切れの良い?
リズムの方がよいかもしれません
チッチキチーではちょっとブルージー過ぎるというか
後打ちのジャジーなリズムになって(笑い)
瞼の開け閉めのスパッとした切り替えができない、という
この病気の特質が分かりにくいかな、とも思います。
さて、あなたはポンポコポン出来ますか?
cf 若い方はポンポコポンがスイスイ出来るでしょうが、60代後半くらいから怪しい人が散見されると思います。
もちろんポンポコポンだけでは正確な診断ができませんので眼科専門医にご相談ください。
ポンポコポンといえば
しょうじょう寺のタヌキばやし、という童謡をご存知ですよね。
「証城寺(しょうじょうじ)の狸(たぬき)ばやし」
(実在するのは木更津市にある證誠寺)
野口雨情作詞
♪ しょ しょ しょうじょうじ
しょうじょうじの 庭は
つ つ 月夜だ
みんなでて こいこいこい
おいらの 友だちゃ
ポンポコポンの ポン !
眼がしょぼしょぼする
瞼が下がってくる
眼を開けにくい
まぶしい
などの症状を示し
まばたきの回数が多くなる
という症状は眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の可能性があります。
すっきりしないドライアイ症候群や
不定愁訴と片付けられていることもあります。
詳しくは清澤先生のブログをお読みください。
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50085228.html
さてある日ある時
眼瞼けいれんの大家、若倉雅登先生のお話を聞く機会がありました。
http://www.inouye-eye.or.jp/
気軽なお茶会だったので
雑談も医学的な話も混じっていましたが
眼瞼けいれんの初期診断の話になりました。
若倉先生によれば
診断の分かりやすいポイントは
まばたきを
ポンポコポンというリズムで
軽く素早くまばたきを出来るか
どうかがかなり大事な診断ポイントだということです。
「学術的な論文には書きにくいけどね。」と笑っておられました。
実際に眼瞼痙攣の患者さんにポンポコポンとまばたきしてもらうと
やはり瞼全体で眼をつぶってしまってポンポコポンという速さ、リズムについてゆけない
ようです
この話の最後に
関西のある先生が「うーん。
大阪ならチッチキチーやな。」
というので大笑い。
(チッチキチーは大木こだま・ひびきのギャグ)
冗談とはいえ当意即妙な突っ込みに、なぜか先生の恐るべき力量を改めて感じた私。
眼瞼けいれんの診断には
しかし
ポンポコポンという歯切れの良い?
リズムの方がよいかもしれません
チッチキチーではちょっとブルージー過ぎるというか
後打ちのジャジーなリズムになって(笑い)
瞼の開け閉めのスパッとした切り替えができない、という
この病気の特質が分かりにくいかな、とも思います。
さて、あなたはポンポコポン出来ますか?
cf 若い方はポンポコポンがスイスイ出来るでしょうが、60代後半くらいから怪しい人が散見されると思います。
もちろんポンポコポンだけでは正確な診断ができませんので眼科専門医にご相談ください。
ポンポコポンといえば
しょうじょう寺のタヌキばやし、という童謡をご存知ですよね。
「証城寺(しょうじょうじ)の狸(たぬき)ばやし」
(実在するのは木更津市にある證誠寺)
野口雨情作詞
♪ しょ しょ しょうじょうじ
しょうじょうじの 庭は
つ つ 月夜だ
みんなでて こいこいこい
おいらの 友だちゃ
ポンポコポンの ポン !
(11月11日掲載)
最近、ハチに刺された急患が続きました。
二人とも中年の男性。
林業従事者です。
http://www3.zero.ad.jp/inaka/page113.html
ともに林の中でスズメバチに刺され
アナフィラキシー・ショックになり、生命も危うかったのです。
刺された後、もうろうとしたところで、同僚に助けられ
短時間で病院にたどり着き
事なきを得ました。
二人ともかなり運が良いと思います。
そばに人がいたこともラッキーでしたし、ショックがさらに激しければ救命できたかどうか分かりません。
今後はアナフィラキシー・ショック用の救命用の注射セット「エピペン」(万有製薬)を携帯するように指示されたとのこと。
http://www.aikawanaika.or.jp/news/news-bee.html
http://www.epipen.jp/
一例は角膜を刺されて眼科的にも重症でした。
ハチ毒は角膜に強い炎症を起こします。
患者さんは矯正視力0.1に低下して強い痛み、充血、眼瞼の腫脹を呈しました。
角膜は混濁し、前房内にも炎症が認められました。
当院から2時間ほど遠方の患者さんであったので
即日入院
抗菌剤・ステロイド・人工涙液の頻回点眼を行いました。
ハチの針は見当たりませんでした。
数日かけて徐々に視力が向上し始め、ともにほっとしているところです。
ハチは黒いものや動くものを攻撃する性向があり、眼を狙うことが良く知られています。
種類にもよりますが、とにかく、くれぐれもハチにご用心。
最近、ハチに刺された急患が続きました。
二人とも中年の男性。
林業従事者です。
http://www3.zero.ad.jp/inaka/page113.html
ともに林の中でスズメバチに刺され
アナフィラキシー・ショックになり、生命も危うかったのです。
刺された後、もうろうとしたところで、同僚に助けられ
短時間で病院にたどり着き
事なきを得ました。
二人ともかなり運が良いと思います。
そばに人がいたこともラッキーでしたし、ショックがさらに激しければ救命できたかどうか分かりません。
今後はアナフィラキシー・ショック用の救命用の注射セット「エピペン」(万有製薬)を携帯するように指示されたとのこと。
http://www.aikawanaika.or.jp/news/news-bee.html
http://www.epipen.jp/
一例は角膜を刺されて眼科的にも重症でした。
ハチ毒は角膜に強い炎症を起こします。
患者さんは矯正視力0.1に低下して強い痛み、充血、眼瞼の腫脹を呈しました。
角膜は混濁し、前房内にも炎症が認められました。
当院から2時間ほど遠方の患者さんであったので
即日入院
抗菌剤・ステロイド・人工涙液の頻回点眼を行いました。
ハチの針は見当たりませんでした。
数日かけて徐々に視力が向上し始め、ともにほっとしているところです。
ハチは黒いものや動くものを攻撃する性向があり、眼を狙うことが良く知られています。
種類にもよりますが、とにかく、くれぐれもハチにご用心。
(10月28日掲載)
10月27日土曜日。
今日は午後6時半から宮崎緑内障セミナー。
世話人として、招待講演の先生方と会場で事前打ち合わせをして、会の進行係を務める予定。
午前中、大学の先生もがんばってくれて、午後も予定通り終了・・
かな、と思った午後3時。
急患が飛び込んできた。
(プライバシー保護のため、内容を変更しています)
1.まず、左眼部周囲痛の20歳代男性。
視力、眼圧、眼内も異常なし。
眼の動き、瞳孔もOK。
しかし痛くてすっきりしないと訴えられる。
眼部周囲の発赤はないが、眼窩内炎症性病変か?
もちろん、頭蓋内疾患も否定はできない。
強く脳外科を希望されるので、総合病院脳外科を探して依頼。
快く受け入れてもらう。
感謝。
紹介状作成。
すぐに総合病院へ向かってもらった。
2.そこへ、作業中に転倒して、機械の突起で眼を突いた女性が来院。
出血が強くて詳細が良く分からない。
麻酔剤点眼をしてとりあえず軽めに(眼が破けているかもしれないので)圧迫止血。
3.さらに電話。
県立病院からこどもが眼球を打撲して眼瞼を切っており、外科で処置したが、眼科的診察が出来ないため(眼科が医師派遣を打ち切られて閉鎖)、急患として診てほしいと連絡。
(電車の時間が迫る・・・もう、そんなことは言っていられない)急患を受け入れます、と返事。
来院に30分かかるらしい。
予定していた午後4時22分の特急には乗れない。
次の特急は5時51分。
宮崎駅までさらに50分かかるのでセミナー開始に間に合わない。
セミナー運営係に電話して、セミナー開始に遅れること、進行係をK先生に依頼して、講師の先生方にも遅れる事情を伝えてもらうことにする。
秋台風にも負けず東京からの講師も無事出発されている。
圧迫止血していた女性。
眼球は穿孔性外傷ではないようだ。
ところが
外眼筋の腱?が切れて瞼の外まではみ出しているのが見える。
結膜も損傷が激しく詳細が良く分からない。
本当に穿孔していないのだろうか?
大学病院眼科へ連絡して受け入れていただく。
ありがたい。
急ぎ、紹介状を書く。車で宮崎へ向かってもらう。
外傷のこどもが来院。
怪我をさせた方の親御さんが大変心配されて一緒に来院。
視力、瞳孔反応、眼位、眼球運動、眼内異常なし!
皆さんに説明して安心してもらう。
脳外科から電話。
痛みの患者さんは高度の副鼻腔炎であったとのこと。
気が付くと4時50分。
5時2分の普通電車ならセミナー自体にはギリギリ間に合う。
待機していたタクシーで駅まで走って電車に飛び乗った。
10月27日土曜日。
今日は午後6時半から宮崎緑内障セミナー。
世話人として、招待講演の先生方と会場で事前打ち合わせをして、会の進行係を務める予定。
午前中、大学の先生もがんばってくれて、午後も予定通り終了・・
かな、と思った午後3時。
急患が飛び込んできた。
(プライバシー保護のため、内容を変更しています)
1.まず、左眼部周囲痛の20歳代男性。
視力、眼圧、眼内も異常なし。
眼の動き、瞳孔もOK。
しかし痛くてすっきりしないと訴えられる。
眼部周囲の発赤はないが、眼窩内炎症性病変か?
もちろん、頭蓋内疾患も否定はできない。
強く脳外科を希望されるので、総合病院脳外科を探して依頼。
快く受け入れてもらう。
感謝。
紹介状作成。
すぐに総合病院へ向かってもらった。
2.そこへ、作業中に転倒して、機械の突起で眼を突いた女性が来院。
出血が強くて詳細が良く分からない。
麻酔剤点眼をしてとりあえず軽めに(眼が破けているかもしれないので)圧迫止血。
3.さらに電話。
県立病院からこどもが眼球を打撲して眼瞼を切っており、外科で処置したが、眼科的診察が出来ないため(眼科が医師派遣を打ち切られて閉鎖)、急患として診てほしいと連絡。
(電車の時間が迫る・・・もう、そんなことは言っていられない)急患を受け入れます、と返事。
来院に30分かかるらしい。
予定していた午後4時22分の特急には乗れない。
次の特急は5時51分。
宮崎駅までさらに50分かかるのでセミナー開始に間に合わない。
セミナー運営係に電話して、セミナー開始に遅れること、進行係をK先生に依頼して、講師の先生方にも遅れる事情を伝えてもらうことにする。
秋台風にも負けず東京からの講師も無事出発されている。
圧迫止血していた女性。
眼球は穿孔性外傷ではないようだ。
ところが
外眼筋の腱?が切れて瞼の外まではみ出しているのが見える。
結膜も損傷が激しく詳細が良く分からない。
本当に穿孔していないのだろうか?
大学病院眼科へ連絡して受け入れていただく。
ありがたい。
急ぎ、紹介状を書く。車で宮崎へ向かってもらう。
外傷のこどもが来院。
怪我をさせた方の親御さんが大変心配されて一緒に来院。
視力、瞳孔反応、眼位、眼球運動、眼内異常なし!
皆さんに説明して安心してもらう。
脳外科から電話。
痛みの患者さんは高度の副鼻腔炎であったとのこと。
気が付くと4時50分。
5時2分の普通電車ならセミナー自体にはギリギリ間に合う。
待機していたタクシーで駅まで走って電車に飛び乗った。
(10月8日掲載)
先日、日向市東臼杵郡(ひがしうすきぐん)看護研究会において
当院看護師Mさんが研究発表をしました。
木曜日午後7時からにもかかわらず450人が参加。
当院からも職員の半数が参加。

演題は「うつむき安静患者の看護」
黄斑円孔(網膜の中心に穴が開いて視力低下する疾患)では
眼内の硝子体を切除することにより
破れ目を作っている硝子体の引っ張り力を手術的に取り去り
眼内に治療用ガスを入れて
その圧力で円孔を塞ぎ
網膜に自然閉鎖する環境を作り
円孔を閉鎖、網膜剥離を治癒させます。
手術後、ガスの浮力を利用して黄斑を圧迫するために
24時間真下を向いて、黄斑が真上に来るような体位を取ります。
これをガスが吸収されてしまう間、1週間程度おこないます。
患者さんは大変です。
昔は不治の病気に近かった黄斑円孔が治るのですから
これは大変な進歩なのですが
とにかく患者さんには辛い不自然な体位です。
これをどう看護し、患者さんの苦痛や悩みをやわらげるか研究しました。
うつむいても顔が圧迫されない、特殊な枕(エステ・サロンでうつむきの時に使うようなドーナツ型やコの字型の枕)
エコノミー症候群(深部静脈血栓症)を防ぐために、手足を動かす運動
筋肉痛やこりに対するマッサージの工夫
家族の理解援助を促すために、どのようにすれば、より効果的に病気や治療法を理解してもらえるか
などについて発表しました。

職員一丸となってまとめた発表は無事終了。
質疑応答には当院から出席したスタッフ全員が緊張しましたが、これもMさんはきちんと答えて終了。
研究のためのアンケートに答えていただいた患者の皆様にも感謝。

Bで恒例の打ち上げ。
プライバシーのため、ストロボなしの写真のみアップしておきます。
眼を凝らしていただけると分かりますが、当院の誇る美女軍団が元気ハツラツ祝杯をあげたのでありました。
先日、日向市東臼杵郡(ひがしうすきぐん)看護研究会において
当院看護師Mさんが研究発表をしました。
木曜日午後7時からにもかかわらず450人が参加。
当院からも職員の半数が参加。

演題は「うつむき安静患者の看護」
黄斑円孔(網膜の中心に穴が開いて視力低下する疾患)では
眼内の硝子体を切除することにより
破れ目を作っている硝子体の引っ張り力を手術的に取り去り
眼内に治療用ガスを入れて
その圧力で円孔を塞ぎ
網膜に自然閉鎖する環境を作り
円孔を閉鎖、網膜剥離を治癒させます。
手術後、ガスの浮力を利用して黄斑を圧迫するために
24時間真下を向いて、黄斑が真上に来るような体位を取ります。
これをガスが吸収されてしまう間、1週間程度おこないます。
患者さんは大変です。
昔は不治の病気に近かった黄斑円孔が治るのですから
これは大変な進歩なのですが
とにかく患者さんには辛い不自然な体位です。
これをどう看護し、患者さんの苦痛や悩みをやわらげるか研究しました。
うつむいても顔が圧迫されない、特殊な枕(エステ・サロンでうつむきの時に使うようなドーナツ型やコの字型の枕)
エコノミー症候群(深部静脈血栓症)を防ぐために、手足を動かす運動
筋肉痛やこりに対するマッサージの工夫
家族の理解援助を促すために、どのようにすれば、より効果的に病気や治療法を理解してもらえるか
などについて発表しました。

職員一丸となってまとめた発表は無事終了。
質疑応答には当院から出席したスタッフ全員が緊張しましたが、これもMさんはきちんと答えて終了。
研究のためのアンケートに答えていただいた患者の皆様にも感謝。

Bで恒例の打ち上げ。
プライバシーのため、ストロボなしの写真のみアップしておきます。
眼を凝らしていただけると分かりますが、当院の誇る美女軍団が元気ハツラツ祝杯をあげたのでありました。
(6月23日掲載)
このセミナーは硝子体手術の基本から上級までの実践的講習会。
講演の合間のパネルディスカッションでは名古屋市立大学眼科小椋教授がきちんと最新のトピックに関連する設問を示し、講師陣も真面目に答えるため、本音が聴けて興味深い。
著作権問題やオフレコ発言もあるのでここには書きにくいけれど、
1.
こじれた増殖糖尿病網膜症では、最近注目されている抗VEGF抗体(アバスチン)を硝子体内に注入した後、増殖傾向が落ち着いた状態で手術することもある。
VEGFとは血管内皮増殖因子のこと。
網膜に血液がまわらなくなると(虚血)、血管を作ろうと網膜の一部からVEGFが分泌され、新生血管を作る。新生血管は脆いため、かえって出血の原因となってしまう。
またVEGFは神経網膜のむくみを強める。
(アバスチンは大腸がんの治療薬として認可されている薬剤。
眼科的用法は認可されていないため、眼科医が所属する部門の倫理委員会の許可を得て、個人輸入し、患者から十分なインフォームド・コンセントを得たうえで使用され始めている。)
ある講師は増殖網膜症で手術中に裂孔を作ることがない自分が(増殖網膜症では膜が網膜にへばりついており、それを剥がして除去するためには、相当な経験・熟練が必要。ベテランでも脆くなった網膜が一緒に破れてしまうことがある)最近アバスチン注入後の増殖網膜症2例において医原性網膜裂孔を作ってしまった。
アバスチンによって、網膜が弱くなっている可能性?硝子体の収縮?も検討しなければならない、と話された。(もちろん裂孔は術中に適切に処理されている。難治例ではやむを得ない事態なのである。)
これら、アバスチン注入後の硝子体・網膜の変化に関して
TGFβという新生血管抑制因子とVEGFとのバランスの変化も関与しているかもしれないと推論する先生もいた。
2.
糖尿病網膜症における黄斑浮腫(網膜の最も重要な部分がむくんでいる状態。視力低下に直結する。)ではアバスチンがある程度効果的なものとほとんど効かないものとに、はっきり分かれる傾向がある。
アバスチンを投与すると前房内のVEGF濃度は大きく低下するので、効果がない症例では他の要素が浮腫を悪化させているのではないか。
3.
進行した未熟児網膜症にもアバスチンの試験的投与が倫理委員会の審査を経て行われ、一定の効果を上げているようだ。
4.
欧米では加齢黄斑変性症の治療法としての光線力学療法(PDT)にやや否定的な評価が出始め、一気にアバスチン治療へ移行しつつあるらしい。
しかし加齢黄斑変性症の類似疾患で、ほぼ同じように治療されているポリープ状脈絡膜血管症PCV(白人より日本人に多いと考えられる)ではアバスチンよりもPDTの方が効果的であると感じている講師が多いようであった。
(これらは未確認の口頭での情報です。詳しくは眼科学会・眼科の医学論文でご確認ください。また患者さんはまず主治医の説明を良く聞いてください。)
セミナーが終わり、伊丹空港に駆けつけるとものすごい混雑。

乗り遅れかけている人もいる。
列の中から地上係員の呼び出しに手を上げる人が多かった。
伝説のギタリストCharさんもやはり辛抱強く待っているのでありました(茶のジャケット)。

このセミナーは硝子体手術の基本から上級までの実践的講習会。
講演の合間のパネルディスカッションでは名古屋市立大学眼科小椋教授がきちんと最新のトピックに関連する設問を示し、講師陣も真面目に答えるため、本音が聴けて興味深い。
著作権問題やオフレコ発言もあるのでここには書きにくいけれど、
1.
こじれた増殖糖尿病網膜症では、最近注目されている抗VEGF抗体(アバスチン)を硝子体内に注入した後、増殖傾向が落ち着いた状態で手術することもある。
VEGFとは血管内皮増殖因子のこと。
網膜に血液がまわらなくなると(虚血)、血管を作ろうと網膜の一部からVEGFが分泌され、新生血管を作る。新生血管は脆いため、かえって出血の原因となってしまう。
またVEGFは神経網膜のむくみを強める。
(アバスチンは大腸がんの治療薬として認可されている薬剤。
眼科的用法は認可されていないため、眼科医が所属する部門の倫理委員会の許可を得て、個人輸入し、患者から十分なインフォームド・コンセントを得たうえで使用され始めている。)
ある講師は増殖網膜症で手術中に裂孔を作ることがない自分が(増殖網膜症では膜が網膜にへばりついており、それを剥がして除去するためには、相当な経験・熟練が必要。ベテランでも脆くなった網膜が一緒に破れてしまうことがある)最近アバスチン注入後の増殖網膜症2例において医原性網膜裂孔を作ってしまった。
アバスチンによって、網膜が弱くなっている可能性?硝子体の収縮?も検討しなければならない、と話された。(もちろん裂孔は術中に適切に処理されている。難治例ではやむを得ない事態なのである。)
これら、アバスチン注入後の硝子体・網膜の変化に関して
TGFβという新生血管抑制因子とVEGFとのバランスの変化も関与しているかもしれないと推論する先生もいた。
2.
糖尿病網膜症における黄斑浮腫(網膜の最も重要な部分がむくんでいる状態。視力低下に直結する。)ではアバスチンがある程度効果的なものとほとんど効かないものとに、はっきり分かれる傾向がある。
アバスチンを投与すると前房内のVEGF濃度は大きく低下するので、効果がない症例では他の要素が浮腫を悪化させているのではないか。
3.
進行した未熟児網膜症にもアバスチンの試験的投与が倫理委員会の審査を経て行われ、一定の効果を上げているようだ。
4.
欧米では加齢黄斑変性症の治療法としての光線力学療法(PDT)にやや否定的な評価が出始め、一気にアバスチン治療へ移行しつつあるらしい。
しかし加齢黄斑変性症の類似疾患で、ほぼ同じように治療されているポリープ状脈絡膜血管症PCV(白人より日本人に多いと考えられる)ではアバスチンよりもPDTの方が効果的であると感じている講師が多いようであった。
(これらは未確認の口頭での情報です。詳しくは眼科学会・眼科の医学論文でご確認ください。また患者さんはまず主治医の説明を良く聞いてください。)
セミナーが終わり、伊丹空港に駆けつけるとものすごい混雑。

乗り遅れかけている人もいる。
列の中から地上係員の呼び出しに手を上げる人が多かった。
伝説のギタリストCharさんもやはり辛抱強く待っているのでありました(茶のジャケット)。












