2013-12-02 (Mon)
・・・研修医二年目を迎えるにあたって、東大病院に戻ってくることになったとき、研修担当のお偉い先生から言われたのが、「外科三ヶ月は必修だからとってね!」との採用条件でした。

「東大病院研修医 駆け出し女医の激闘日記」
 安川佳美著 中公新書ラクレ

三ヶ月の内訳として、外科二種を一ヶ月半ずつまわるのが定番コースで、うち一つはマイナー外科(眼科・整形外科・耳鼻咽喉科)から選択してもよいとのことでした。
学生時代からその多忙さを伝え聞いていた、眼科・整形外科は迷わずパスし、教授が研修担当を務めていらっしゃる心強さも手伝って、前半の一ヶ月半は耳鼻咽喉科を選択しました。・・・(以上引用)

こうして眼科志望が減少しているのかしらん。
忙しい方が面白いはずなのですが。

題名は失礼ながら、多分編集サイドの希望で微妙に「きわもの」っぽいけれど、わたしが言うのも僭越ながら、中身は結構硬派で読み応えのある本でした。

安川先生のさらなる激闘をお待ちしています。


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2012-06-28 (Thu)

今月のとある土曜日
外来が忙しい
午後の診療を途中で先生方にお願いして
九州保健福祉大学視機能療法学科講義へ。
午後1時15分迎えの車にて延岡市にある大学(20km)へ行く予定

午後1時になって事務スタッフから
院長のパワーポイントを最終チェックしたところ
本日の講義スライドの全画像がなぜかブロックされていて開けないとのこと
さあ大変
今週追加、改訂した講義スライドがすべて開けなくなっている。
トホホ。
なぜかしらん。

昨年の講義のオリジナルはあるので
急遽車の中で再度作り直し。
焦る。
昼食の弁当を食べる暇もなく
大学に着き
そのまま
90分ふたコマの講義。

小児眼科(緑内障を含む)
神経眼科(眼球運動)が小生の担当分野である。

小生は開業医なので、「よのなか」がどうなっているのか
視能訓練士がどんなに良い職業なのかも含めて
話している。
当科は今春も就職率もちろん100%
圧倒的な売り手市場
就職先はかなり安定
給与も高い
世間にあまり知られていないが、視能訓練士はとても良い職種であります。

九州保健福祉大学視機能療法学科の学生は素直で
総じて優秀
今年は特に反応が良く
答えがしっかりしている。
嬉しくてつい熱が入る。

立ったままの講義を180分行って
いささか空腹で
疲れているはずだけれど
学生さんたちのおかげで充実感にひたらせてもらった。

あまり自己満足にならないようにまた準備をしっかりしなくてはなりませぬ。
スライドが開かないのはどうも小生と事務スタッフそれぞれのパワーポイントのバージョンが違っていたのが原因らしい。
ITのコンサルタントからは講義ファイルは回復不能との診断。
ああもったいない。

それにしてもうっかりしていたなあ。
学会当日に同じ目に遭ったら大変です。
遅まきながら院内のパワーポイントをすべて新しいものにバージョンアップしてそろえることにした小生でありました。


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2012-05-11 (Fri)
世界最強のストライカー、メッシを要するバルセロナのグアルディオラ監督が退任を発表した。

この経緯も興味深いけれど

今日は、このバルセロナのユニフォームに大きくスポンサー名が入っているQatar foundationにつきまして。
バルセロナとカタール財団

WOCでアブダビに行って以来、中東に具体的な興味が出てきました。

カタール財団Qatar foundationは、今やご存じの方も多いとは思いますが、カタール政府出資により1995年に設立された非営利教育団体。
カタール財団HP

ドバイ、アブダビなどの湾岸都市が経済に力点を置いているのに対し、カタールは教育を国力の基盤として意識している。
教育分野においてはカタール国外の大学分校も開設している。
コーネル医科大学、ジョージタウン大学、カーネギー・メロン大学、ノースウェスタン大学など。

CNNでは中東を扱う番組Inside the middle-eastがあるが、その中に出てきた美しい女性の助教授はその大学(ジョージタウンだったか)唯一のカタール人教授であり、あらゆる議論が大学では許されるとしていた。
これらの大学に学ぶ学生の雰囲気は前向きで明るく、アメリカの裕福な大学生のようであった。

カタール財団は同じくCNNでDOHA DEBATE ドーハ・ディベートという討論番組を行っており、英語でかなりハードな議論を行う。以前このブログでも触れたことがあるが、ドーハの人々の知的水準が高いことを知らせる番組だ。

このような教育に力点をおいたアプローチこそ日本がバブル後に取るべき道ではなかったのだろうかと感じる。
カタールの成長にわたしは注目しています。


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2010-10-31 (Sun)
10月30日火曜日午後から
宮崎大学医学部4年生に講義
「小児眼科」

小児眼科の
ポイントは
弱視
斜視
白色瞳孔
未熟児網膜症
先天白内障
先天緑内障
である。

昨年知識網羅型に切り替えて
講義しようとして
われながら全然盛り上がらなかった。

医学部4年生は眼科学のようなマイナーな分野について
限られた講義コマ数では十分な知識を持つことが出来にくい。
少なくとも非常勤講師の立場としてはテーマを絞り込んで話す方が良い気がする。

今年は眼球運動の復習と
弱視に力点をおいて話した。

学生は年度によって随分反応が違う。
今年は講義中に質問する学生もいて
活気があり、とても良かった。

教える側に立つと質問してくる学生が最も嬉しい。
指したときに、間違えて良いからすぐ答えてくれる学生も有り難い。
正解よりも間違えてくれた方が
講義を進めやすい。
学生の理解のレベルも分かるし
リズムが出る。

医学的弱視においては
適切に眼鏡矯正をして
網膜に鮮明な画像が映っていても
画像が鮮明に知覚されない
という状況は少しわかりにくいようであった。

黒板にイラストを書いて
説明すると皆分かってくれたようだった。

よく分かったという人はパー
もう一つよく分からないという人はグー
皆さん手を挙げてください
と確認。

そうすると
講師が思っているほど
学生や聴衆が分かっているわけではないことも少なくない。
相手が本当に分かっているかどうかの確認はその場でしなくてはならない。

囲碁界初の五冠王、張栩(ちょう う)さんの手記によると
彼のお父さんは晩ご飯の後
政治・社会や囲碁の話をし
すぐに
さあわたしの話をまとめてみろ
と言っておられたらしい。

それが自分の理解力、まとめ力を養成するのに役立ったと述懐している。

学生諸君へ

わたしの話のポイントは
外眼筋の機能解剖は
上は下
下は上
斜は直の下
上斜筋は内廻し

小児の視機能発達にはタイムリミットがある。
弱視は見つけ次第、屈折検査、眼鏡矯正。
健眼遮蔽。

先天白内障
先天緑内障は見つけ次第手術

内斜視と外斜視は考え方が違う。
純粋な屈折性調節性内斜視は調節麻痺剤を用いた屈折検査を行い
そのデータに基づいて適切な眼鏡矯正下に眼位の正位化を目指し
手術をしない
と言う点であります。


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2010-02-21 (Sun)
国際医療福祉大学の武藤正樹教授によれば
大腸がん手術のため2週間入院した1人の患者に医師が費やす時間700分のうち、書類作成やカルテ記載など医療クラークに頼める仕事が36%(248分)あったという。
(メディカルウエーブ2月19日)

病棟に医師が10人いる病院では事務業務を見直せば3人以上パワーが増えることになる。
もしくは仕事が3割以上楽になる。

これに対し大きな病院では医師事務作業補助体制加算がアップし810点になる。

これでなんとか医療クラークが必要最低限雇えるのではないかしらん。
(普通の開業医にはこの補助はない)

このような事例からもさまざまな医療現場での医師の業務の無駄がある。
医師の進路について適正な配置を行えば
現在すでに医師は過剰であると思う。
今年から各大学の医学部の定員増が実施されるがどうなのだろうか。

病院運営者からすると医師過剰は医師をリクルートしやすくなり、悪くない。
しかし医師が過剰になり医師人件費が下がっても医師の数が多いと出来高制下では医療費総額は下がりにくいのは自明だ。
若い医師にとっては厳しい時代が待っていると思う。

優れた人材の宝庫である日本人医師の弱点は英語による医学教育を受けていないため、将来医師過剰が顕在化した時に外国で職を求めることが難しいことである。
会話が出来れば良いというレベルではない。
英語の医療文書を短時間に大量に読み、診断治療を筆記、口述できなければならない。

これを平均的な医師が自分で身につけるのは難しい。

(シンガポールやタイで見る限り、患者さんとは現地語で話し、英語でカルテを書くことは余り違和感なく出来ると思う。英語ベースで医療が出来れば外国人患者を受け入れやすいし、このことが国の医療を潤せば優秀な医師の海外流出を抑制することにもなるようだ。)

突飛かもしれないが、
猪口孝東京大学名誉教授的に発想すれば

(「英語は道具力」 猪口孝著 西村書店
上級公務員試験における英語検定を大幅に増やし、昇進にも英語試験を義務付ける。
採用試験もコンピュータを使って英語論文を試験会場で書く。
英語・日本語で意見を発表し、試験官の質問に英語で答える。
なぜなら東アジアサミット15カ国のうち会議で通訳を入れているのは日本だけという笑えない現実があるからである。)

東京大学医学部が6年間の教育をすべて英語に切り替えるか
(国際教養大学などでは出来ているので東大に出来ないはずはない。他の大学も倣うだろう)
医師国家試験を英語化するのが
若い人には厳しいけれど最も良い贈り物かもしれない。

医学部の優秀な若者は必ずそれを乗り越えて世界に羽ばたくと思う。

当ブログ参照記事 医師不足
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