眼科医フォーチュン・クッキー日記&ブログ
眼科医の生活と意見を、時には専門的なお話も含めて書いています。
手術、手術そして手術

今日も忙しい手術日であった。
緑内障学会、神経眼科学会のために手術日がつぶれたりした影響で今週は手術スケジュールがタイトである。

午前中も外来が忙しかった。
手術開始時間が遅れてしまった。

手術スケジュールは難治症例が集中しないように心がけているのだが
今日はなぜか成熟白内障が3例も重なり
さらにぶどう膜炎後の虹彩後癒着(小瞳孔)
チン小帯脆弱、前部硝子体剥離(AVD)の例も多く
IFISも混じる。

BSSボトルを下げて低設定でより慎重に手術を行う必要がある。
なかなか大変である。

そして最後は網膜中心静脈閉塞に続発した新生血管緑内障(NVG)に対する隅角線維柱帯切除術。
落屑も伴っているため、当初、県外の某大学でトラベクロトミートリプルが行われ、日向に戻ってこられ、紹介受診された。
再度眼圧が上昇してきたため、NVGと考え、抗VEGF抗体を当院で硝子体注入。
眼圧は最終的に薬物療法ではコントロールできず、手術となった。

全例予定通り終了。遅くまで頑張ってくれたスタッフに感謝。

連休中に
「外科手術に上達くなる法」
仲田和正編集 株式会社シービーアール刊
という本を読んだ。

一流の外科医に整形外科医がインタビューするという本。
整形外科、脳外科、心臓外科、消化器・腹腔鏡外科、外傷外科
という分野から著名な医師が手術を語る。
眼科医にもすごく面白い。

菊池臣一先生(福島県立医科大学理事長兼学長、整形外科)は医局から異端扱いされ?、カナダのMacnab教授の押しかけ弟子となり、世界的な業績を上げたという、現代の野口英世みたいな医師である。

菊池先生は手術が終わったら、レントゲン写真は必ず自分でシャーカステンから外し、スタッフ全員にお礼を言って退出する。
手術記事はすぐに記載する(今は口述筆記)。
など手術以前のことをきちんとされて範を示されている。

この本の中に二人の医師の実際の手術スケッチが引用されていて興味深い。

「うまくなるために徹底的にスケッチする(上田裕一、名古屋大学心臓外科)」

血管吻合など丸く縫う場合
どこから縫い始めたかをよく見る。
1針目をどこから
どちら向きに刺入したかまで詳細に見なければならない。
その時左手の鑷子はどこを持っていたか
まで見ていないといけない。

関節の固さというのはみなそれぞれ異なりますが
腕を上げるほど関節は回りにくくなります。
手術台を下げれば関節は回ります。
このように台の高さも大事で、自分の関節可動域を覚えないといけない。
(上田裕一)

うなずかされる話が満載です。



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普天間基地を見る
沖縄の緑内障学会終了日。
(11月15日、日曜日)
宮崎に帰るフライトが夕方なので
嘉手納空軍基地と普天間基地とを見に出かける。

タクシーの運転手さんの名前は平安名さん。
たまたま観光タクシーの資格があり、とても良い方であった。
まず嘉手納基地を見て、その広大さに驚く。
確かに、普天間のヘリコプター部隊くらい楽に移転出来そうな敷地面積である。

写真中央の遥か遠く、やや小高くなっているところが中心らしい。
滑走路も海から山に伸びて安全性が高い。
しかし、日曜日なので騒音は体感できないが、騒音問題が大変らしい。

嘉手納基地

次に嘉数高台(かかずたかだい)公園に登り
普天間基地を見降ろす。

普天間基地
(建物の向こうの緑地が基地。)

確かに民家に囲まれた飛行場であり
大学も近い。

翌日のニュースでは
同じ場所から岡田外相が普天間基地を眺めて説明を受けていた。

ある知人からは
大学の講義においてジェット戦闘機の爆音が響くと
数分間は講義を中断して、待っている状態だとのこと。

民家では二重窓の設備補助がなされたらしいが、エアコンなどの維持費が高くついて利用されていないとも聞いた。

基地を後にして
首里城見学へ。

首里城(資料館のミニチュア)
(資料館のミニチュア)

沖縄は地図で見ると本当に台湾や中国に近い。
文化も人の交流もまた独特であったことは、緑内障疫学調査からもうかがえる。

那覇空港への帰りのモノレールの中で
なぜか105歳の長寿者のお祝いがあっていた。
すべての車両中において、みな和気藹藹と踊り、歌っていた。

モノレールの中での長寿者のお祝い

なにか良く分からないシチュエーションだけれど
なんというか、沖縄の人々の明るさ、おおらかさに出会えて
ほのぼのさせられました。

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眼科研究者は新型インフルエンザにひるまない
先日ARVO(Association for Research in Vision and Ophthalmology 視覚・眼科学の世界的な研究組織)の「ARVO news」が送られてきた。
今年5月の年次総会の報告。

冒頭は
「学会出席者はインフルエンザにひるまず Annual Meeting attendees undaunted by flu fears」
という記事。

フォート・ローダーデールに10100人の参加があり
わずかに500人が参加を取りやめた。

ほとんどは
日本とシンガポールの研究者であり
H1N1の状況が不明確であったことと
彼らの政府と所属機関の旅行制限によるものであった。

と書かれている。

日本とシンガポールはきちんとしているのか
政府や所属機関にがんじがらめになっているのか

少なくとも日本は
組織としてはリスクを徹底的に嫌う、一斉に右ならえの国であることはここでも見事に出ていました。
わたしもそうでありました。

なかなか悩ましいところであります。


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奈良、東京(神経眼科)そして沖縄(緑内障)の学会へ
今週は日本緑内障学会と日本神経眼科学会が重なったため
奈良、東京、そして沖縄の学会へ走ることになってしまった。

なかなか緑内障学会のポスターも出来あがらず
スタッフや共同演者の先生に迷惑をかけ
みんなに支えられて駆け抜けた一週間でありました。

まず11月11日水曜日午後奈良へ。
N眼科主催の緑内障講演会。
シンガポールのA先生が来日され
緑内障のメッカN眼科の先生方の前で閉塞隅角緑内障について講演をされることはとても意義深い。

最近、シンガポールからの閉塞隅角緑内障の研究論文はどれも大変意義深く
N先生が20年以上前から、
レーザー虹彩切開をしてからも注意が必要であること
細隙灯顕微鏡では開放隅角のように見えても
隅角検査をきちんとおこなうと閉塞隅角である例が少なくない
と警鐘を鳴らしておられたことが
臨床疫学調査によって明らかにされてきている。

関係者の御厚意に甘えて、この日には是非遠路馳せ参じる計画にしていた。

台風の余波で風が強い空港
当日、午前中は強い雨。

午後は雨があがってきた。
しかし台風の余波で風が強い。

時間の関係で
久しぶりにプロペラ機に乗らなくてはいけませぬ。
一路伊丹へ。
車輪も最近はちゃんと出ているようだ。

無事に伊丹着。
奈良へタクシーを飛ばす
というか
飛ばしてくださいとお願いしようとしたら
高速が事故で渋滞!

この貴重な時間、スタッフに電話を掛け、手元のポスターを見ながら口述で訂正し、最後のまとめを仕上げる。
出来あがったパワーポイントのデータをポスターとして印刷にお願いする。
金曜日の発表までギリギリで出来上がりそうだ。
皆さんの協力に感謝。

渋滞にやや焦ったが、なんとか時間通り奈良に入る。
夕闇が迫る。
会場の奈良ホテルは
アプローチの明かりの演出も品格、風格があって
素晴らしい。

クラシックな温かいホテルだ。
脇の入り口では「せんとくん」が迎えてくれた。
ホテルの入り口では「せんとくん」が迎えてくれた。

http://www.1300.jp/sentokun_os/index.html
わたしは「せんとくん」ファンだ。
デザインは賛否あるが
わたしは好きです。

ホテルの「ティーラウンジ」
「ティーラウンジ」ですよ。
シブイですね。

11か月振りに会うA先生は相変わらずツヤツヤしてパワフルだ。
大変興味深い講演が始まった。
(続く)



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ルミガンとまつ毛
このささやかなブログでは
医療的な御質問へのお答えはデリケートなものは控えさせてください。
主治医の考えや方針をゆがめてしまうことが心配です。
眼科治療のゴールへ至る道は必ずしもひとつではありません。

さて、とはいえ、少し一般的な御質問をいただきました。

「眼圧が高く、ルミガンを夜に点眼しています。ルミガンの副作用で、まつ毛の影みたいなものが視界に映り、なんだか不愉快ですし、集中できません…。目薬をさした後は、ティッシュでふきとっていましたが、それだけでは不十分なのでしょうか?教えて下さい(>_<)」

というものです。
ルミガンを早速使ってくれている医師は緑内障の専門家と拝察します。

まつ毛の影、というのは本当に伸びたまつ毛(睫毛、しょうもう)のためかもしれません。
念のため、飛蚊症との異同を主治医に尋ねてください。
鏡で見て、まつ毛が伸びている場合は
やはり点眼の影響です。

これは他のプロスタグランジン系点眼でも同様に起こります。

患者さんのブログ
(このブログは患者さんの気持ちがよく出ていて、眼科医には参考になるのではないでしょうか)

また睫毛が太くなったり、伸びたりするのは美容外科から「利点」として注目されるのではないかと思っていましたが、以下のような情報もあるようです。
美容外科のブログ

さて、今勧められているのは、点眼直後に濡れたタオルでしっかり眼元を拭くことです。
乾いたティシューではあふれた点眼薬を十分とりきれません。
また入浴前の点眼も勧められていましたが、点眼し、それから脱衣してお風呂で顔を洗うというのでは時間がたち過ぎているかもしれません。
患者さんによって、睫毛が伸びたり、眼瞼皮膚が色素沈着したりという反応は様々です。
影響が少ない方もいて、個人差があります。

Rさん、どうぞ濡れたタオルを準備してすぐに拭いてみてください。



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ミカンちぎり健康法

70歳代の女性患者さんがにこにこしながら来院。
ドライアイと白内障の患者さんですが、最近とても体調が良いとのこと。

ミカン農家の親戚から手伝いを依頼され
このところミカンの収穫で忙しかったらしい。

上を向いて手を差し上げて
作業をするので
「腕と肩が鍛えられて、肩こりがすっかり取れました。」

空に向かって伸びるような姿勢と云うのは、ヨガでもストレッチでも基本ですね。

ミカンちぎりの思わぬ効用でありました。


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餅まきのリスク
先日、午後11時前、若い男性が右眼に餅撒きの餅が当たり受傷したので受け入れてほしいと救急車から連絡。(内容を趣旨が変わらない範囲で変更しています)

なぜ救急車?と思ったが、餅を数個入れたビニール袋が直撃してしばらく昏倒したとのこと。

到着した患者さんは意識清明。全身的に神経学的異常なし。
右眼部が腫れて、眼内に出血。
割れたハード・コンタクトレンズで結膜、強膜が切れていた。
コンタクトレンズの破片が刺さっている。

開放性(眼の中まで切れ込んでいる)ではないことを確認して、破片を除去。
強膜はそのままでOK。
裂けた結膜を顕微鏡下で縫合して終了。

餅一個一個は小さいのだが、近年は汚れないようにとの配慮か、数個まとめてビニール袋に入っている例が多い。

高い場所から撒くとビニール袋の中の餅はひと固まりとして落ちてくるので、かなりの質量になると想像される。
夜に行われた餅撒きは神事に関連したものだったらしい。

餅撒きには、大げさと思われるかもしれませんが、ゴーグルや保護眼鏡が大事かもしれませんね。
わたしも餅撒きをしたときはこの事故が一番心配でした。
投げ方にも配慮が必要です。

主催者も参加者も
どうぞご用心ください。


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Hideki Matsui の小さなサイン
松井秀喜選手ワールドシリーズMVPおめでとう!

彼がジャイアンツに入団したての頃
ある年の(1994年ではないかと思うけれど)春のジャイアンツ宮崎キャンプでは一時、二軍で調整中だった。

メイン球場で一軍のオープン戦を観戦したわたしは早めに球場を出た。

駐車場へ向かう途中
二軍の練習場から
松井選手が出てきて
少数のファンに囲まれているのに遭遇した。

彼はファンに対して丁寧にサインをし始め
わたしは慌てて自分の紺色のデイパックに
サインしてもらった。

紺の上に黒のサイン
しかも大きい体に似合わず、すごく小さなサイン
どこにあるか良く分からないサインだが、それがかえって温かい、良い思い出である。

わたしは松井選手の丁寧、淡々とした態度にいっぺんにファンになった。

今は当院の外来にHideki Matsui の大きなヤンキースのユニフォームが飾られている。
サインはやはり小さく、彼の誠実な人柄を物語っているかのようであります。


PS 初期バージョンで秀喜が秀樹になっておりました。最近C秀樹先生に学会関係でメールを送ることが多く・・・言い訳になりませんね・・すみませんでした。


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なぜ急性「緑内障発作」はもっと多くないのか?原発閉塞隅角症の論点3

忙しくてなかなか更新できませんでした。

ある日は夜の急患を手術し
ある日は午前4時の急患。

学会発表が近くなると、なぜか忙しくなるような気がします。
レセプトも院長チェック分が残っているし。ふう。

それはさておき

ある報告では
急性原発閉塞隅角症の予防的治療適応について
中心前房深度(角膜後面から水晶体前面まで)1.6mm以下ではハイリスクで予防必要、
1.7〜2.0mmでは症例により予防、2.1mm以上では予防の必要性が低いとされています。

隅角が狭い患者さんへの予防的虹彩切開術については更に検討が必要かもしれません。

ある大学病院では瞳孔ブロックが解除されないまま経過観察を行っている方が一定数存在し、眼圧上昇発作を起こしていないとのこと。

われわれ、第一線の開業医の経験からも隅角が狭い患者さんがすぐに発作を起こす確率が高いわけではないと感じます。

しかし発作を起こすと大変ですし、その後の経過が難しくなる可能性が高くなります。
身内の発作で大変な経験をしたことがあります。

超音波生体顕微鏡(UBM)や前眼部OCT(AS-OCT)で検査すると、従来考えていたよりも、隅角が閉塞傾向である例はずっと多いことが分かります。

部屋の照明やスリット光を暗くして隅角鏡検査をするとその印象が少し感じられると思います。
わたしは「スターライト・ゴニオスコピー」(?)と呼んでいます。

UBMやAS-OCTは暗室で検査できるので、暗い時の隅角の問題点を明らかにしやすく、すなわち、より日常生活にちかい状態での虹彩、隅角の状態を知ることができます。
研究的な器械ですが、やはりとても有用です。

専門家は閉塞隅角の患者さんたちは閉塞程度が高度にならないと急性発作を起こしにくいという論調が多いように感じるのですが

わたしには、隅角がこれだけ危険なように狭いのになぜ緑内障発作を起こさないのかという不思議さの方が先に立ちます。

この観点からの議論は日本ではあまり聞いたことがありません。

ジョンズ・ホプキンス大学のQuigley教授は
ひとつの可能性として
虹彩が房水を通過(透過)させてしまうため、隅角の前面を虹彩がブロックしていても後房側から虹彩を抜けて房水がある程度通過していれば不可逆的な一気の眼圧上昇は起こらないのではないかと推論しています。

これを証明することができると大変興味深いと思います。

あなたならどのような技術を使って証明しますか?


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閉塞隅角緑内障の論点2 虹彩切開
(論点というとおおげさですが、内容は、閉塞隅角緑内障の素朴なギモン、という程度に捉えてください)

10月12日日本臨床眼科学会インストラクションコース原発閉塞隅角緑内障:今日の治療戦略−Focus on Glaucoma−は
栗本康夫先生ら著名な先生方が講師陣でした。

1.閉塞隅角緑内障の疫学
2.隅角閉塞のメカニズムと治療の考え方・分類法
3.観血的周辺虹彩切除の実際
4.慢性閉塞隅角緑内障に対する白内障手術
5.隅角癒着解離術
6.急性原発閉塞隅角症の予防治療適応など
について講演がなされた。

大変有意義な教育コースであり、今年も勉強になりました。

ただ聴衆のひとりとして
不思議に思うことがふたつあります。

まず、閉塞隅角症または閉塞隅角緑内障に対するレーザー虹彩切開術が
本当に角膜内皮障害のリスクを高めているのか
決定的なエビデンスがないこと

それを前提に議論がなされているので
もしその前提が崩れたら、すべての議論がおかしくなりはしないか
という懸念であります。

角膜への影響を気にするために
レーザー虹彩切開をためらって
しかし視力も良いので
白内障摘出もできず
「様子を見ている」うちに
意外に早く視野異常が進んでいた
という例はないでありましょうか?

前掲のわたしの母の例をご参照ください(閉塞隅角緑内障の論点1)。

ただ難しいのは、レーザー虹彩切開術を行っても
なお閉塞隅角緑内障のリスクが残るという点ですね。
超音波生体顕微鏡や前眼部OCTを用いて、閉塞隅角の患者さんを観察していると、レーザーをしているのに隅角が依然として非常に狭い例が少なくないことに改めて気づかされます。

このためにレーザーの意義が乏しい、さらに手技自体にリスクがあるなら、気が進まないという「空気」があるのではないでしょうか。

しかし、レーザーをしても進行する(悪化する)閉塞隅角緑内障もレーザーをしなければもっと悪化する可能性が高いのであります。

ゆえに、必要な時期を逃さず、適切な例にレーザー虹彩切開術を適正な手技で行うことには今も十分な意義があるのではないかと思います。

9月に出張したニューヨーク眼耳鼻科病院でも同じ方針のようでした。

講習会では若い先生に、さまざまに条件が違う閉塞隅角
(角膜・虹彩の状態、前房の浅さの程度、急性発作の有無など)
に対して適正なレーザー虹彩切開術の指導をする方がより重要ではないかとも感じます。

古典的な観血的周辺虹彩切除を教えるのも大事ですが、レーザーの方法を、分かっているよ、と言わずに、皆で見直す必要もあるかもしれません。
新潟大学の阿部教授があるパンフレットでそう述べておられました(講演のサマリー)。」

また古典的な虹彩切除はシンプルなようで、実はかなり難しい手術です。

ですから、滅多にこの手術まで追い込まれない、一般開業医や若い先生は
いざ、自分だけで頑張らざるをえないという時には、強膜二重弁を作って、隅角が透見出来るくらいに強膜床を作製して、正確なオリエンテーションのもと、前房へ創を開いて虹彩を切除するのが、遠回りですが、ずっと安全確実な方法だと思うのですが、いかがでしょうか。

(続く)



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ニューヨークの裸体
出張中、ホテルのジムを利用するためのポロシャツがないので
用件の合間に五番街のH&Mで黒いポロシャツを買いました。

9ドル!

これが結構ちゃんとしています。

さらにホテルに向かって、北へ歩いていると
ある大きな衣料品ストアの入り口には
昔のラルフ・ローレンの広告に出てくるような
すごくハンサムで
体格の良い
金髪の青年が
上半身裸で
トウモロコシのような優しい胸毛とともに
ドアにもたれかかって
笑顔で客を迎えていました。

いらっしゃい、いらっしゃい、というのではなく
友人を待つように、自然に

多分、店のサービスでしょう(?)。

びっくりしました。
急いでいたこともあり、
さすがのわたしも
「アナタハオミセノヒトデスカ?」
と聞いたり
写真を撮るのをためらいました(笑)。

皆さんにお見せできなかったのがちょっと残念であります。



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原発閉塞隅角緑内障の論点1
原発閉塞隅角緑内障については、近年に急速に見直しがされており、従来考えられていたよりも予後が悪いというデータがアジアの疫学調査から明らかになってきています。
このため閉塞隅角緑内障について従来ひと段落していたかに見えた診断及び治療の新たな見直しを迫られています。

慢性化した閉塞隅角緑内障は意外に管理が難しいことがあります。
いつの間にか、「こっそり」閉塞隅角メカニズムが出てきて、管理を難しくしている例があるはずなのです。

患者さんが高齢の女性で
背が低く
遠視であり
白内障が進行し
眼圧はコントロールされているのに
なぜか視野障害が進むという例では
慢性閉塞隅角が隠れている可能性があるかもしれません。

白内障手術を早め早めに行う医師は実はこのリスクをあまり体感しませんが
白内障手術の適応を慎重にオーソドックスに決めてゆく多くの医師はこのリスクに注意する必要がありそうです。

私の母親は背が高いのですが
遠視があり
片眼の白内障が進んだものの
全身的に問題があり
白内障手術を慎重に検討していました.

82歳ころから
時折眼圧が上がり
隅角はあまり狭くなく
眼圧コントロールは出来ていました。

ところが2年ほどすると視野障害が出現し、悪化する気配があったため
隅角を診ると閉塞隅角になってきていました。
視力低下もさらに進んだため、そのまま白内障手術を施行。

術後、視力回復し、眼圧も点眼なしで10mmHg程度に下がり、経過良好です。

母に閉塞隅角緑内障の問題を再考させられました。

11月13日から沖縄で開催される日本緑内障学会も
金曜日のイブニングセミナーにおいて中国のM. He先生、シンガポールのT. Aung先生を講師に迎えて熱い議論がなされそうです。

「徹底生討論 Primary Angle Closure アジアの巨大センターに学ぶ」
というすごいタイトルであります。

澤口教授、山本教授がオーガナイズされており、さすがに慧眼というべき、企画。
楽しみであります。



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ニューヨークのメキシコ
9月20日日曜日
国連ビル見学に行ったら
総会と環境サミットのため
見学者お断りであった。

国連ビル

タクシーもつかまらない。
東にしばらく歩いて
グランド・ハイアット・ニューヨークにたどり着き
コーヒーを飲んでひと休み。

隣のグランドセントラル駅を覗いて
北に歩いてゆく。

すると
パレードが待機中だった。

メキシコ独立記念日を祝うメキシコ系アメリカ人によるパレードらしい。
(メキシコはスペイン人コルテスによりアステカ文明が滅ぼされた後300年の植民地支配を経て1810年9月16日にスペインから独立)

メキシコ独立記念日を祝うメキシコ系アメリカ人によるパレード
鮮やかな色彩の衣装をまとった「踊り子」さん達が
みんな陽気にポーズをとってくれる。

ミスコンテストの優勝者?
このお嬢さんはミスコンテストの優勝者なのかしらん
おひとりなのでかえって尋ねたり、話したりするのを遠慮してしまった。

パレードの少女達
少女達は
晴れがましいような
少し気恥ずかしいような風情。

誇らしげな表情の少年
誇らしげな表情の少年


仮装の団体
さまざまな仮装の団体がいた。
このグループもかわいいような
ちょっと不気味(失礼)なような。

華やいで、ぐっと大人のグループ
華やいで、ぐっと大人のグループ。

その日の夕方
フォーシーズンズの
ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロビュション。

隣に座った上品な年配のカップルは
メキシコから来られていた。

メキシコ料理は
テックスメックスのようなものとは全く違う
奥の深い料理であると
力説されて
料理や文化の話で盛り上がった。

人々のメキシコに対する熱い思いに出会った一日でありました。


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白内障手術の演技論
日曜日、NHK-BSでは「緒形拳 振り子を大きく」と題したプログラムを再放送していた。
NHK「知る楽」シリーズ。
深い、面白い、大人の企画が多い。

故緒形拳さんの演技で
最近、驚いたのは
普段善人を演ずることが多くなっていた緒形が
「隠し剣 鬼の爪」(山田洋二監督)において罪深い家老、堀将監の役をあまりに自然に演じていたことである。

緒形拳自身がその通りの底意地の悪さを身に着けていなければできないような
自然な意地悪さというものを表現していて驚かされた。

彼の師
辰巳柳太郎が当たり役の坂田三吉について
インタビューされながら

「あれは役ではないね
あれは芸ではない
僕が出ているんだ。」
というのもすごい。

初期の緒形は演ずる対象に
寄り添って
いわばその人になりきって
演技を行った。

さらに
もう一人の、対照的な師
島田省吾は逆に
緒形に型を教える

型から入って心をつかむ。

役者の立ち位置はずれてはいけない。

しぐさ一つでも間を大事に。

日を変えて同じ演技をする場合には
心の中で数えて同じリズムを保つ。

これらは眼科手術にも通ずる心得である。

わたしが手術の話をするのもおこがましいけれど
緒形が
北陸の菊作りでは名を知られた存在でありながら
全国大会では
どうしても追い抜けない名人に追いつこうとして
プライドに封印をして教えを請い
それでも追い付けないという映画「あつもの」において

自分の平凡さを嘆き
もがき続ける
生き方を演じていたことの意味は
わたしも分かるような気がする。

緒形は振り子を大きく振る
という言葉を使い

近年の映画の質が変わって行ったあと
舞台にその精力を注いだ。

悪行の限りを尽くす
王でありながらも
凡庸さに悩むリチャード三世を演じ

さらに素の独り舞台へと
収斂してゆく。

下手だなあといわれたら
それが最高の賛辞ですよね
という境地にたどり着く。

さてさて
白内障手術も「芸」であるとすれば

ただただ超音波ハンドピースになりきり
白内障の核自体がここを割ってくださいという
声に導かれるがままに
自分では割ってもいないのに
ひとりでに白内障が割れるべきところから割れて
吸引されてゆく
という
「名人伝」の不射の射ともいうべき境地
(冗談だろう、と笑われそうですが
そういう境地というのはありえると思います。
マイケル・ジョーダンが言っていたようなZoneとでもいうような)

遥かなその地平にたどり着くにはどうすればよいのでありましょうか・・。



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ニューヨーク・ニューヨーク2009その1
ニューヨークの街角にあった野外彫刻

ニューヨークの街角
二人で愛とは何か
写真を撮ったり
考えたりしていた青年たち


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